日本の音楽シーン、特にパンクの世界に大きな悲しみが広がりました。独自の「ホラーパンク」というジャンルで世界的な人気を誇るバンド「BALZAC」のドラマー、真鍋貴行（まなべ たかゆき）さんが、2025年9月11日に51歳という若さで急逝されました。
ファンからは「べーやん」の愛称で親しまれ、24年間にわたりバンドの力強いリズムを支え続けた真鍋貴行さんのあまりにも突然の訃報に、多くの人々が言葉を失っています。
BALZAC真鍋貴行（べーやん）の突然の訃報、公式発表で何が語られた？
真鍋貴行さんの訃報について、バンドの公式サイトでは、残されたメンバーである西山裕介（HIROSUKE）さん、中川淳（ATSUSHI）さん、今井昭生（AKIO）さんの3名の連名で、ファンに向けた声明が発表されました。
その発表では、まず「ＢＡＬＺＡＣドラマー真鍋貴行が ２０２５年９月１１日永眠いたしました ５１歳というあまりにも早い旅立ちでした」と、逝去の事実が伝えられました。
続けて「この様なご報告を ファンの皆さまにしなければならないことはメンバー一同非常に残念でなりません」と、深い悲しみとファンと想いを分かち合う言葉が綴られています。
声明の中では、真鍋貴行さんのバンドでの歩みを振り返る一節も記されていました。
「２００１年に加入してからの２４年間 多くのファンの方達からは『べーやん』と慕っていただき また多くのバンド仲間にも支えられて 幸せなＢＡＬＺＡＣでのドラム人生を過ごせたと思います」。
この言葉から、真鍋貴行さんが多くの人々に愛される、かけがえのない存在であったことが伝わってきます。
バンド側の対応は非常に丁寧なものでした。情報が錯綜することを避けるため、まず9月11日に予定されていたライブの出演キャンセルを「ＢＡＬＺＡＣメンバーのやむを得ない事情」として発表しました。
これは、憶測が広がるのを防ぎつつ、ご家族や近しい人々が静かに故人とお別れをする時間を最優先するための配慮でした。
実際に、ご家族やバンドメンバー、スタッフといった近親者のみで葬儀が執り行われた後、9月17日から18日にかけて、すべてのファンに向けて正式な逝去の報告が行われました。
この一連の対応は、バンドメンバーが真鍋貴行さんとそのご家族に対して抱く、深い敬意と愛情の表れと言えるでしょう。
真鍋貴行（べーやん）の死因は心肺停止？発見が遅れた理由と当日の状況
真鍋貴行さんの死因に関して、公式発表では「心肺停止」であったと説明されています。直接の病名や具体的な原因については、ご遺族のプライバシーへの配慮から公表されていません。
当日の状況についても、胸が痛む事実が明かされています。真鍋貴行さんは、ご家族が外出している間にご自宅の部屋で倒れ、その姿を訪ねてきた友人が発見したとのことです。
救急隊による蘇生措置も試みられましたが、公式発表には「発見が遅れたこともあり残念ながら息が戻ることはありませんでした」と記されており、助けを呼ぶことができない状況で、一人静かに息を引き取られたことがうかがえます。
そして、その公式発表には、真鍋貴行さんの最後の瞬間を物語る、忘れられない一文が添えられていました。「倒れていた部屋には 週末のライブに向けて 骨の衣装やセットリストなどの準備がされていたそうです」。
この事実は、真鍋貴行さんがその最期の瞬間まで、BALZACのドラマーとしての役割を全うしようとしていたこと、そして音楽への深い情熱を失っていなかったことを何よりも雄弁に物語っています。
残されたメンバーがこの詳細をあえて伝えることを選んだのは、友である真鍋貴行さんが生涯をかけたミュージシャンとしての誇りを、ファンと共に記憶に刻み込みたいという、最大限の敬意の表れに違いありません。
BALZACの今後のバンド活動はどうなる？
かけがえのないメンバーを失ったBALZACの今後の活動について、多くのファンが心配しています。この悲劇を受け、バンドは直近の活動を停止せざるを得ませんでした。
9月13日の東京・新宿LOFT、14日の神奈川・川崎CLUB CITTA’でのライブ出演は、急遽キャンセルとなっています。
しかし、深い悲しみの中、残されたメンバーはバンドの未来について力強い決意を表明しています。ある報道で伝えられた声明には、「今後、残されたメンバーは故人の遺志を継ぎ、BALZACの活動を続けていく所存です」という言葉がありました。これは、ファンにとって大きな希望の光となったはずです。
その道のりは決して簡単なものではありません。実は、バンドは2025年に向けて、ニューアルバムのリリース情報の発表や、それに伴う全国ツアー、さらには2005年の名盤『DARK-ISM』の20周年記念企画など、数多くの大きな計画を立てていました。
これらの計画は、当然ながら見直しを迫られることになります。後任ドラマーの選定という大きな課題もあります。
したがって、今後のBALZACの活動は、単に「継続」するということ以上の意味を持つことになるでしょう。30年以上の歴史の中で、24年間という長い時間を共に過ごした不動のメンバーが刻んできた音楽の心臓部を失った今、彼らが生み出すこれからの音楽は、すべてが真鍋貴行さんへの想いを背負うものとなります。
それは、亡き友の魂と共に歩むという「新たな使命」を帯びた、困難でありながらも創造的な挑戦になるのです。
まとめ
真鍋貴行さんは2025年9月11日に51歳で永眠されました。
公式に発表された死因は「心肺停止」であり、ご自宅で倒れているところを友人に発見されました。その部屋には週末のライブに向けた準備がされており、最期の瞬間まで音楽への情熱を燃やし続けていたことが伝えられています。
バンドは故人とご家族への配慮を最優先し、葬儀を終えた後にファンへ向けて正式に報告しました。
残されたメンバーは深い悲しみの中にありながらも、故人の遺志を継いでバンド活動を継続する意向を表明しています。大きな計画が中断を余儀なくされる中でのこの決断は、非常に勇気に満ちたものです。
24年間、BALZACの心臓として力強いビートを刻み続けた偉大なドラマー、真鍋貴行さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、これから新たな道を歩み始めるBALZACの今後の活動を、静かに見守っていきたいと思います。
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