埼玉県にお住まいの皆さん、最近のニュースを見て不安を感じている方も多いのではないでしょうか? 2024年の後半から2025年にかけて、埼玉県内で住宅を狙った泥棒の被害が急増しているという情報が入ってきています。
特に被害が目立っているのが、熊谷市や志木市、東松山市といったエリアです。これまでの被害件数は100件を優に超え、被害の総額はおよそ2200万円にものぼると推計されているようです。
報道によると、これは単なる偶然の空き巣ではなく、北関東を拠点としたグループによる組織的な犯行の可能性が高いと言われています。
この記事では、今分かっている情報をもとに「どこが狙われやすいのか」「どんな手口なのか」、そして「私たちができる対策」について、分かりやすく解説していきます。
【埼玉連続窃盗】被害地域は熊谷・志木など
今回の一連の事件で特に気をつけるべき点は、「被害エリアの広さ」と「移動のパターン」にあるようです。
警察のデータなどを見ると、北は熊谷市や本庄市から、南は志木市や川口市まで、埼玉県の広い範囲で被害が確認されています。一見バラバラに見えるかもしれませんが、犯人グループの動きにはある特徴が見え隠れしています。
どうやら彼らは群馬県や栃木県といった「北関東」に拠点を置き、関越自動車道や国道17号といった大きな道路を使って南へ移動し、犯行が終わるとまた北へ逃げるというルートを使っている可能性が高いと考えられます。
被害が確認されている主なエリア
- 県北エリア(北関東から入りやすい): 熊谷市、本庄市、深谷市など
- 県央・県南エリア(移動しやすい): 東松山市、坂戸市、志木市、川口市など
- 県東部エリア: 久喜市、春日部市など
このように、高速道路やバイパス沿いの移動しやすい街が狙われる傾向があるようです。また、警察署の管轄をまたいで広範囲に動き回っているため、捕まりにくい状況を作っているのかもしれません。
さらに、「短期間での集中攻撃」とも言えるような手口も報告されています。 報道によれば、一度狙った地域で、ごく短時間の間に次々と犯行を繰り返すケースがあるようです。
例えば、2025年11月15日の夕方から翌朝にかけての事例を見てみましょう。熊谷市の玉井・肥塚地区では、半径およそ100メートルというとても狭い範囲で、なんと8軒もの住宅が被害に遭ったとされています。
そのわずか2日後には、久喜市の桜田地区でも、同じように半径100メートル以内で7軒が狙われたそうです。
このように、特定のエリアを狙い澄まして一気に犯行に及ぶやり方は、移動のリスクを減らしつつ、効率よく盗みを働こうとする組織的な狙いがあるのかもしれません。
狙われるのは「1階の掃き出し窓」!
では、彼らはどこから家の中に侵入してくるのでしょうか? 現場の状況から、「1階の掃き出し窓」が特に狙われやすいことが分かってきました。
リビングにある大きな窓は、日当たりも良くて気持ちがいいものですが、防犯の視点から見ると弱点になりやすい場所でもあります。庭の木や塀、ベランダの下などが目隠しになってしまい、犯人にとって「誰にも見られずに作業ができる場所」になってしまっているケースが多いようなのです。
特に警戒したい「ガラス破り」の手口
犯人が侵入する際によく使うのが、窓ガラスを割って鍵を開ける方法です。これにはいくつか種類があると言われています。
- 打ち破り: バールなどで強引に叩き割る方法
- こじ破り: ドライバーを使って、音をあまり立てずに割る方法
- 焼き破り: バーナーで熱してから急に冷やして割る方法
特に怖いのが3つ目の「焼き破り」です。この方法は大きな音がほとんど出ないと言われています。そのため、家族が2階で寝ている間に、気づかれないまま1階で犯行に及ぶ「忍び込み」のリスクが高まってしまいます。
最近では、誰もいない家を狙う空き巣だけでなく、人が寝ている夜中を狙うケースも増えているという指摘もあり、もし犯人と鉢合わせしてしまったらと思うと本当に怖いですよね。
もちろん、窓を割る手口だけではありません。 鍵のかかっていない玄関や窓からスッと入られたり、飲食店などでは暗証番号式のキーボックスを開けられて中の鍵を使われたりする被害も出ているようです。
建物の弱点だけでなく、「ちょっとした油断」も見透かされているのかもしれません。戸締まりの習慣を改めて見直すことが大切ですね。
ベトナム国籍の男ら11人を逮捕
事件の捜査も進んでいます。2024年11月、埼玉県警は一連の事件に関わった疑いで、男女あわせて11人を逮捕したと発表しました。
この逮捕によって、犯行グループの実態が少しずつ見えてきました。どうやら、一人のリーダーがすべてを仕切る単純な形ではなく、小さなグループ同士がゆるやかにつながって動く、現代的なネットワーク型の組織である可能性が浮上しています。
逮捕された中には、チャン・フー・テーさん(26歳)をはじめとするベトナム国籍の方が複数含まれており、実行役の多くは20代から30代の若者が中心のようです。
犯行グループの複雑な特徴
- 多国籍で構成: 日本人と外国籍のメンバーが混ざっていると指摘されています。例えば、熊谷市で逮捕された木村斗哉容疑者(22)は、別の事件への関与も疑われていますが、飲食店への侵入も行っていたと報じられています。
- 何でも狙う: 住宅のお金や貴金属だけでなく、逮捕された一部のメンバー(群馬県伊勢崎市などに住むベトナム国籍の男女など)は、農家からナシを大量に盗むなど、お金になるものなら何でもターゲットにしている疑いがあるようです。
また、警察の捜査を難しくさせている要因として、「車を頻繁に変える」という手口も挙げられます。 捜査関係者によると、彼らは群馬や栃木にある拠点を行き来しながら、犯行に使う車をコロコロと入れ替えているようです。これは、防犯カメラや「Nシステム(車のナンバーを読み取る装置)」の追跡から逃れるための工夫と考えられます。
盗難車を使うこともあるそうで、自分たちの足取りを隠す工作に長けていると言えるでしょう。
埼玉連続窃盗から身を守るには?
このような組織的な窃盗グループから、大切な家を守るにはどうすればいいのでしょうか? 一番のポイントは、犯人に「この家は入るのに時間がかかりそうだ」と思わせることです。
警察庁のデータによると、侵入に「5分」かかると約7割の泥棒が諦め、「10分」かかると約9割が諦めるという傾向があるそうです。 つまり、私たちの目標は、犯人を捕まえることではなく、「入るのを諦めさせる」ことになります。
具体的な対策を、「ハード面(設備)」と「ソフト面(環境)」に分けてご紹介します。
【ハード対策】窓を物理的に強くする
やはり急ぎたいのは窓の対策です。
- 防犯フィルムを貼る: 「CPマーク」がついている防犯フィルムは、焼き破りなどに強いと言われています。特に1階の掃き出し窓には、全面貼りや鍵の周りへの部分貼りが推奨されます。
- 補助錠(サブロック)をつける: 窓の鍵(クレセント錠)だけでなく、サッシの上下に補助錠をつけて「ツーロック」「スリーロック」にしましょう。特に「上側」につけた鍵は、犯人が手を伸ばしにくく、侵入をためらわせる効果が高いようです。
- 雨戸やシャッターを活用する: 家にいる時や寝る時でも、面倒がらずに雨戸やシャッターを閉めることが、物理的な壁としてとても有効です。
【ソフト対策】入りにくい雰囲気を作る
犯人が嫌がる「光」や「音」を味方につけましょう。
- センサーライト: 人が近づくとパッと光るライトで威嚇します。
- 防犯砂利: 庭や家の裏手に、踏むと大きな音がする砂利を敷くのも効果的です。
- 見通しの確保: 庭木の手入れをして、道路や隣の家から窓が見えるようにしておくと、犯人は「誰かに見られるかも」と警戒します。
【重要】もしもの時の対応
万が一、帰宅した時に窓が割られているなどの異変に気づいたら、絶対に家の中には入らないでください。 まだ犯人が中にいる可能性があります。すぐに安全な場所まで離れて、110番通報をして警察の到着を待ってください。
何よりも大切なのは、あなたとご家族の命です。鉢合わせのリスクを避けることを最優先に行動しましょう。
まとめ
現在も続いている埼玉県の連続窃盗事件は、被害の数も多く、範囲も広いため、とても警戒が必要な状況と言えます。
警察による逮捕も進んでいますが、複数のグループが関わっていることや、今も被害が続いていることを考えると、決して他人事ではありません。
特に「1階の掃き出し窓」への対策は、今すぐにでも始めたいところです。 「うちは大丈夫」と思わずに、補助錠をつけたり、毎日の戸締まりを確認したりと、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

























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