夜空を見上げると、たくさんの星がキラキラと輝いていますよね。
あの星の光はどうやって私たちの目に届いているのでしょうか。
そして、あんなにたくさんの星があるのに、どうして夜空は真っ暗なのでしょうか。
今回は、そんな星空のふしぎに一緒に迫ってみましょう。
星はどうしてキラキラ光って見えるの?その輝きの秘密

夜空にまたたく星の光は、見ているだけでうっとりしますよね。
あの美しい輝きには、実はいくつかの理由があるんです。
星が自分で光るわけ
まず、「星が光っている理由は何ですか?」という疑問にお答えしますね。
夜空で輝く星の多くは、私たちの太陽と同じように、自分で光を放つ「恒星」と呼ばれる天体です。
恒星の中心は、ものすごく熱くて、圧力も高い状態になっています。
そこでは、「核融合反応」という特別な現象が起きています。
これは、主に水素の原子同士がくっついて、ヘリウムという別の原子に変わる反応のことです。
このときに、ものすごい量のエネルギーが生まれて、その一部が光として宇宙に飛び出していくんです。
太陽が昼間あんなに明るいのも、この核融合反応のおかげなんですよ。
だから、夜空に見えるキラキラした星たちは、遠い宇宙で燃えている小さな太陽たち、と言えるかもしれませんね。
キラキラの正体は地球の「大気」
星が自分で光っているのは分かったけれど、じゃあ、なぜ私たちの目には「キラキラ」とまたたいて見えるのでしょうか。
実は、宇宙を旅してきた星の光は、地球に届く直前に、あるものの影響を受けて見え方が変わるんです。
それは、地球をぐるっと包んでいる「大気」です。
地球の大気は、実は均一ではありません。
温度や濃さが違う空気の層が、複雑に重なり合っているんです。
星からの光は、この性質の違う大気の層を通るときに、少し曲げられてしまいます。
お風呂のお湯の中で物が揺れて見えるのに少し似ているかもしれません。
大気はいつも動いていて、ゆらゆらしているので、星の光が通る道すじも常に少しずつ変わります。
その結果、私たちの目には、星の光が強くなったり弱くなったり、位置が少し揺れたりするように見えるんです。
これが、星が「星はどうしてキラキラ」とまたたく主な理由で、「シンチレーション」と呼ばれています。
特に、星が地平線に近い低い位置にあるときは、光が大気の中を通る距離が長くなるので、よりキラキラして見えることが多いんですよ。
反対に、空の高いところにある星は、またたきが少なく見えることもあります。
またたく星とまたたかない星 何が違うの?

夜空をじーっと見ていると、すごくキラキラしている星と、なんだか落ち着いた光に見える星があることに気づきませんか?
この「またたく星 またたかない星」のちがいは、その星が「恒星」なのか「惑星」なのか、ということと関係があるんです。
遠い星ほどキラキラしやすい
さっきお話ししたように、恒星は地球からものすごく遠いところにあります。
だから、私たちの目には、点の光のように見えます。
点のような小さな光は、大気のゆらぎの影響をとても受けやすいんです。
それで、キラキラと激しくまたたいて見えるんですね。
惑星があまりまたたかない理由
それに対して、火星や木星、土星といった太陽系の「惑星」たちは、恒星と比べると地球からの距離がずっと近いです。
そのため、点ではなくて、ある程度の大きさ(面積)を持った光に見えます。
面積があるということは、その表面のいろいろなところから光がやってきている、と考えられます。
それぞれの場所からの光も、もちろん大気のゆらぎの影響は受けます。
しかし、たくさんの場所からの光が合わさることで、それぞれのゆらぎが少しずつ打ち消しあって、平均化されるような効果が生まれるんです。
その結果、惑星の光は、恒星ほど激しくはまたたかず、比較的安定して見えることが多いんですよ。
もし、ものすごく性能のいい望遠鏡で、遠くの恒星を惑星みたいに大きく見ることができたら、そのまたたきも少なくなるかもしれませんね。
このように、星のまたたき具合は、地球からの距離や、見た目の大きさと深く関わっているんです。
星の光はなぜ届く?宇宙の果てからのメッセージ

夜空に輝く星の中には、本当に遠い、遠い場所にあるものもたくさんあります。
その距離は、光の速さで進んでも何年、何百年、ときには何億年、何十億年もかかるほどなんです。
「星の光 なぜ届く」のでしょうか。
これは、宇宙の広さと光の性質を考える上で、とても面白いポイントです。
光の速さと宇宙の広さ
光は、宇宙空間を、何もない真空中では1秒間に約30万キロメートルというとてつもない速さでまっすぐ進みます。
この速さは、私たちが普段感じるどんな速さよりも、ずーっと速いんです。
1秒間で地球を7周半もできてしまうくらいなんですよ。
星から放たれた光は、このびっくりするような速さで、何もないように見える宇宙空間をひたすら旅して、私たちの地球までやってきます。
途中にチリやガスがたくさんある場所を通ると、光が吸収されたり、散らばったりすることもあります。
しかし、広い宇宙空間のほとんどは、ものがとても少ないので、光は遠くまで届くことができるんです。
「光ってる星、実はもう無い?」というウワサ
ここで、「光ってる星 死んでる」ということについて、少し考えてみましょう。
私たちが見ている星の光は、その星を「今」出発した光ではありません。
たとえば、100光年離れた星の光を見ているとしたら、それは100年前にその星から出た光です。
つまり、私たちは100年前のその星の姿を見ていることになるんですね。
もし、その星が50年前に何かの理由でなくなってしまったとしても、私たちはそのことをあと50年間知ることができません。
その星から最後に出た光が地球に届くまで、私たちはまだその星が輝いているように見続けるんです。
宇宙の大きさは本当に想像を超えているので、夜空で見上げる星たちの多くは、もしかしたらもうその一生を終えている可能性も、ゼロではないかもしれません。
特に、何十億光年も離れた銀河からの光を見ている場合は、それは何十億年も前の宇宙の姿です。
その間に、一つ一つの星がどうなったかをすぐに知る方法はありません。
しかし、だからといって、見えている星の光が無意味だということではありません。
それは、遠い昔の宇宙からの大切なメッセージであり、宇宙の歴史やどうやって変わってきたのかを知るための、重要な手がかりになるんですよ。
夜空はなぜ暗いの?宇宙のナゾ「オルバースのパラドックス」

さて、最初の疑問の一つに戻ってみましょう。
宇宙には、数えきれないくらいたくさんの星や、星が集まった銀河があると言われています。
もし宇宙が無限に広くて、星がどこにでも同じようにあったとしたら、夜空は太陽みたいに明るく輝いていてもおかしくないと思いませんか?
これは19世紀のドイツの天文学者、ヴィルヘルム・オルバースさんが考えたことから、「オルバースのパラドックス」として知られている有名な問いです。
考えてみてください。
もし宇宙が無限に広くて、ずーっと昔からあって、星が均等に散らばっていたら、どっちの方向を見ても、いつかはどこかの星の表面に行き着くはずです。
そうなると、夜空全体が星の表面の明るさでいっぱいになって、夜というものがなくなってしまうかもしれません。
しかし、実際の夜空は暗いですよね。
この「なんでだろう?」を解決するためには、宇宙のいくつかの大切な性質を考える必要があります。
宇宙の始まりと「見える範囲」
一つ目は、「宇宙の年齢は決まっている」ということです。
今の宇宙の研究では、私たちの宇宙は、約138億年前に「ビッグバン」という大きな出来事で始まったと考えられています。
光の速さには限りがありますから、138億年という時間で地球に届くことができる光の範囲も決まってきます。
つまり、138億光年よりも遠くにある星の光は、まだ地球に届いていないんです。
だから、私たちが見ることができる宇宙の範囲(観測可能な宇宙)は限られていて、無限の星からの光が全部降ってくるわけではないんですね。
宇宙が広がっている影響
二つ目は、「宇宙は膨張している」ということです。
遠くにある銀河ほど、私たちから速いスピードで遠ざかっていることが、観測でわかっています。
これは、宇宙空間そのものが風船のように膨らんでいるためです。
光は波の性質も持っていて、光を出しているものが遠ざかると、その波長が引き伸ばされます。
これを「赤方偏移」と呼びます。
波長が長くなるということは、光のエネルギーが小さくなるということです。
ものすごく遠くにある銀河からの光は、この赤方偏移によってエネルギーを失ってしまいます。
そして、私たちが見える光(可視光線)から、赤外線や電波といった、もっと波長の長い(そしてエネルギーの低い)光に変わってしまうため、目に見えなくなったり、とても暗くなったりするんです。
星にも寿命があるから
三つ目として、一つ一つの「星の寿命も決まっている」という点も関係しています。
星は永遠に輝き続けるわけではありません。
いつかは燃料を使い果たして、光を出さなくなる時が来るんです。
宇宙全体では新しい星が生まれる一方で、寿命を迎える星もあります。
だから、常に光り輝く星が無限にあり続けるわけではないんですね。
これらの理由、特に宇宙の年齢が決まっていることと、宇宙が膨張していることが、夜空が暗い理由を説明する上で、とても大切だと考えられています。
夜空が暗いという事実は、私たちが住んでいる宇宙が、静かで永遠のものではなくて、動きがあって、始まりを持ったものだということを教えてくれているのかもしれません。
星の一生ものがたり さいごはどうなるの?

「光ってる星 死んでる」というキーワードにも関連して、星の一生についてもう少しお話ししましょう。
星たちは、その重さによって、いろいろな一生を送り、さまざまな最期を迎えます。
太陽くらいのお星さまの場合
私たちの太陽くらいの重さの星は、中心にある水素を使い終わると、外側が大きくふくらんで「赤色巨星」という状態になります。
その後、外側のガスを宇宙空間に吹き出して、中心には「白色矮星」という、とても密度の高い核だけが残ります。
白色矮星は、新しく核融合反応を起こすことはありません。
何十億年もかけてゆっくりと冷えていって、やがては光を失って暗い天体になると考えられています。
もっと重たいお星さまの劇的な一生
それに対して、太陽よりもずっと重たい星は、もっと劇的な一生を送ります。
中心部分では、水素だけではなくて、ヘリウム、炭素、酸素といった、もっと重い原子が次々と核融合反応の燃料として使われていきます。
そして最終的に、鉄の核ができると、それ以上の核融合ではエネルギーを取り出せなくなってしまいます。
すると、星は自分の重さを支えきれなくなって、中心に向かって急激に縮んで(重力崩壊)、その反動でとてつもない大爆発を起こします。
これを「超新星爆発」と呼びます。
超新星爆発は、ものすごいエネルギーと物質を宇宙空間にまき散らします。
一時的に、銀河全体と同じくらい明るく輝くこともあるんですよ。
この爆発によって、鉄よりも重いさまざまな物質(金や銀、ウランなども)が作られて、宇宙に供給されると考えられています。
爆発のあとに残るのは、とても密度の高い「中性子星」か、もっと重たい場合には、光さえも抜け出せない「ブラックホール」だとされています。
中性子星の中には、規則的に電波を出す「パルサー」として観測されるものもあります。
このように、星たちは生まれて、輝いて、そしていつかはその活動を終えます。
しかし、その死は終わりというわけではありません。
新しい星や惑星が生まれるための材料を宇宙に返すという、大きな宇宙のリサイクルシステムの一部なんですね。
まとめ 「星のキラキラと夜空の謎」

夜空に輝く星たちのキラキラしたまたたき。
そして、宇宙の深い暗闇。
これらの現象の裏には、物理の法則に支配された、宇宙の壮大な物語が隠されているんですね。
星がキラキラと見えるのは、地球の大気のゆらぎという身近な現象と、はるか遠くの恒星の光という宇宙的なスケールの出会いによって生まれる、ちょっと詩的な光景です。
そして、夜空が暗いという事実は、私たちの宇宙が限りがあって、常に変わり続けている、ダイナミックな存在だということを教えてくれます。
私たちが普段、何気なく見上げている星空には、想像もできないような時間と空間の広がり、そして絶え間ない誕生と消滅のドラマが繰り広げられています。
次に夜空を見上げるとき、この記事でお話ししたような星たちの秘密や宇宙のナゾに、少し思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
きっと、いつもとは違う感動や発見があるかもしれません。
そしてそれは、私たち自身がこの広い宇宙の一部なんだという、ふしぎな感覚を呼び起こしてくれるかもしれませんね。
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