最近のメイクの流行はどう変わった?10年間の変遷から探る現代のトレンドと未来予測

最近のメイクの流行はどう変わった?

「最近、なんだかメイクがしっくりこない」

「今の流行りがよくわからない」

そんな風に感じていませんか。

時代の移り変わりとともに、美しさの基準も変化します。

特にメイクアップのトレンドは、驚くほど速いスピードで移り変わっていきますね。

かつて当たり前だった方法が、今では少し古く見えてしまうことも少なくありません。

この記事では、「最近のメイクの流行ってどう変わってきたの?」という疑問にお答えします。

この10年間の日本のメイクトレンドの軌跡を詳しく紐解きます。

現代の特徴、そして未来の流行の予想を解説していきます。

自分のスタイルを見失いがちな方から、もっとを楽しみたい方まで、自分らしい美しさを見つけるためのヒントがきっと見つかるはずです。

激動の10年、メイクトレンドの変遷を振り返る

メイクトレンドの変遷を振り返る

美の流行は、その時代の社会情勢や人々の価値観を映し出す鏡のようなものです。

まずは、目まぐるしく変化した2010年代から2020年代初頭にかけてのトレンドの大きな流れを、一緒に振り返ってみましょう。

2010年代前半:癒し系ナチュラルメイクとオルチャンメイクの流行

2010年代の前半は、東日本大震災という大きな出来事を経て、人々が内面的な充足感や癒やしを求めるようになった時代でした。

その雰囲気はメイクにも反映され、「ゆるふわ癒し系」や「大人可愛い」といった、肩の力が抜けたナチュラルなスタイルが支持を集めたのです。

頑張りすぎない、柔らかな美しさを表現するために、下まぶたをぷっくりと見せて潤んだ瞳を演出する「涙袋メイク」が人気でした。

頬の高い位置にじゅわっと血色感を宿す「湯上がりチーク」なども人気を博しました。

この頃、第二次韓流ブームが到来します。

韓国のアイドルや女優さんたちのいわゆる「オルチャンメイク」も日本の若い世代に大きな影響を与えました。

特に、それまでのシャープな上昇眉とは対照的でした。

優しく無垢な印象を与えるパウダー仕上げの「平行眉」は、多くの女性が取り入れた象徴的なテクニックでした。

2010年代中盤:健康的で華やかな「ナチュ太眉」と「赤リップ」

2010年代も中盤に差し掛かると、景気回復への期待感もあって、メイクにも再び華やかさが戻ってきます。

この時期のキーワードは「抜け感バブルリバイバル」です。

モデルの中村アンさんのような、健康的で少しハンサムなスタイルが憧れの的となりました。

中村アンさんのトレードマークでもあった直線的で意思の強さを感じさせる「ナチュ太眉」が一大ブームを巻き起こしたのです。

リップメイクではバブル期を彷彿とさせる鮮やかな「赤リップ」が復活しました。

ですが、全体をナチュラルに抑え、唇を主役にするというバランス感覚が重視されたのが、この時代の特徴です。

流行は繰り返す、という言葉をまさに体現したトレンドでした。

2010年代後半:抜け感を重視した「ナチュふさ眉」へ

2010年代の後半になると、太眉の流行は落ち着きを見せます。

よりリアルでナチュラルな質感へと進化を遂げました。

眉をペンシルで描くというより、自眉の毛流れを活かした「ナチュふさ眉」がトレンドになりました。

毛を一本一本描き足せるリキッドアイブロウや、毛流れを整えるクリアジェルなどが定番アイテムとなったのです。

作り込みすぎない「抜け感」を大切にしながら、質感で個性を表現する、より洗練されたスタイルへと移行していきました。

2020年代:マスク生活で進化した「透明感メイク」

2020年代に入ると、私たちの生活は新型コロナウイルスのパンデミックによって一変します。

この未曾有の事態は、メイクトレンドにも決定的な影響を与えました。

マスク生活が当たり前になったことで、メイクの主役は必然的に目元へとシフトしました。

一方で、オンライン会議などで自身の顔を見る機会が増え、肌を美しく見せることへの関心も高まりました。

トレンドの基盤は引き続き「ナチュラル」でした。

しかしその質はさらに進化し、「抜け感」に加えて「透明感」が最重要キーワードとなります。

ファンデーションは素肌感を活かした薄づきが好まれました。

内側から発光するような「ツヤ肌」や、さらりとしているのに潤いを感じる「セミマット肌」など、高度なテクニックが求められるようになったのです。

アイメイクでは、オレンジやミントグリーンといった明るく透け感のあるカラーで遊び心を加えるスタイルが人気でした。

アイラインは繊細に、マスカラでまつ毛を際立たせる「プチ盛り」で、やりすぎ感のない目力をアップさせるスタイルが主流になりました。

リップはマスクにつきにくいティントタイプが爆発的な人気となりました。

現代のメイクの特徴は? 多様化する美しさと自己表現の時代

現代のメイクの特徴は?

過去10年の流れを経て、現代のメイクはどのような特徴を持っているのでしょうか。

それは、単一の「正解」がない、とても多様でパーソナルな時代に入ったと言えるでしょう。

ここからは、現代メイクのキーワードを3つのポイントで見ていきましょう。

「フェイスポジティブ」で自分の個性を活かすメイクへ

最大の特徴は、「自己表現としてのメイク」という価値観が広まったことです。

特に欧米から広まった「フェイスポジティブ」という考え方は、日本の美意識にも大きな影響を与えています。

これは、画一的な美の基準に自分を合わせるという考え方ではありません。

ありのままの自分の顔立ちや個性を受け入れ、それを魅力として活かそうとする価値観です。

資生堂の調査でも、多くの女性が「コンプレックスを隠すメイク」よりも「自分の特徴を活かしたメイク」をしたいと考えているという結果が出ています。

メイクはもはや欠点を隠すためのものではなくなりました。

自分らしさを表現し、自己肯定感を高めるためのポジティブなツールへと変化しているのです。

韓国・中国発!アジアのメイクトレンドが定番に

この流れを背景に、アジアから発信されるトレンドも日本のメイクに深く溶け込んでいます。

韓国コスメがもたらした、みずみずしい「水光肌」や陶器のような「マット肌」といった肌表現はとても人気です。

アイドルたちの影響で広まった「束感まつげ」などは、もはや定番のテクニックと言えるでしょう。

さらに近年では、中国発のメイクトレンドも大きな注目を集めています。

少女のようなあどけなさと大人っぽい色気を両立させる「純欲メイク」もその一つです。

そのピュアな要素をさらに引き出し、究極の透明感を追求する「白湯メイク」は、SNSを通じて瞬く間に広がりました。

日本の若い世代にとって新たな美の選択肢となっています。

性別を問わない「ジェンダーレス」な楽しみ方

ジェンダーレスな視点の広がりも現代のメイクを語る上で欠かせません。

メイクは女性だけのものではなくなりました。

性別を問わず誰もが自分を表現するために楽しめるもの、という認識が広まっています。

コーセーのViséeが眉まわり用コンシーラーをジェンダーレスに提案しているように、大手ブランドもこの価値観の変化に対応した商品を展開しています。

新たなメイク文化の創造を後押ししているのです。

このように、現代のメイクは、個性の尊重、多様な文化の融合、そしてジェンダーの垣根を越えた、自由な自己表現のステージとなっています。

メイクのトレンドは誰が決めるのですか? 影響力の源泉とその変化

メイクのトレンドは誰が決めるのですか?

これほど多様なトレンドが生まれる中で、「一体、メイクのトレンドは誰が決めているのだろう?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

かつてトレンドを作る存在は限られていましたが、今は大きく変化しています。

その影響力の移り変わりについて見ていきましょう。

トレンドの発信源はSNSとインフルエンサーへ

かつて、その答えは比較的シンプルでした。

パリやニューヨークといったファッションウィークのランウェイで発表されるコレクションメイクが大きな影響力を持っていました。

雑誌で活躍するトップモデルさんや女優さん、ヘアメイクアップアーティストが発信するスタイルも同様です。

ですが、現代においてトレンドの発生源は劇的に多様化し、その主役は大きく変化しました。

現在、最も強力なプラットフォームとなっているのが、TikTok、Instagram、YouTubeといったSNSです。

美容系インフルエンサーが発信するレビュー動画やメイクのHOW TO動画は、時に大手メディア以上の影響力を持ちます。

カネボウ化粧品のKATEが生み出した「リップモンスター」の大ヒットは、その象徴的な事例と言えるでしょう。

この製品は、品質の高さはもちろんのこと、「欲望の塊」といったユニークなネーミングも話題になりました。

インフルエンサーによる事前の情報発信も大きな力になりました。

発売後にSNS上にあふれた膨大な数の一般ユーザーによる口コミ(UGC)が爆発的な人気を呼び、社会現象にまでなったのです。

消費者自身がトレンドを作る時代

K-POPアイドルのように、グローバルなファンダムを持つアーティストたちの影響力も計り知れません。

アーティストたちがステージやSNSで見せるメイクは、ほぼリアルタイムで世界中の若者たちのトレンドとなります。

もちろん、化粧品ブランド自身も依然として重要なトレンドセッターです。

ブランドが掲げるコンセプトや哲学、例えばKATEの「NO MORE RULES.(ルールに縛られるな)」というメッセージは、自己表現を重視するZ世代の価値観と強く共鳴します。

製品のファンだけではくブランド自体のファンをも生み出しています。

その背後には、WGSNのような専門のトレンド予測機関の存在もあります。

彼らは社会動向、ライフスタイルの変化、色彩心理学など、膨大なデータを分析して未来のトレンドを予測します。

それがファッション業界や美容業界の商品開発に反映されることもあるのです。

しかし、最終的にトレンドを決定づける最も大きな力は、間違いなく「消費者自身」です。

どんなに影響力のある人や企業がスタイルを提案しても、私たち消費者が「素敵だ」「真似したい」「自分らしい」と感じる必要があります。

それを選び、支持しなければ、大きな流行にはなりません。

多様な情報の中から自分に必要なものを取捨選択する能力に長けた現代の消費者にとって、トレンドは押し付けられるものではなくなりました。

自らが参加し、作り上げていくものへと変化しているのです。

2025年に向けての未来予測。これから流行るメイクとは?

これから流行るメイクとは?

では、これから先の未来、私たちのメイクはどのように変化していくのでしょうか。

直近の2024年秋冬から2025年にかけてのトレンド予測を覗いてみましょう。

これからのメイクを楽しむヒントが見つかるかもしれません。

2024年秋冬の注目トレンド

まず、2024年秋冬は、クラシックな要素と実験的なスタイルが共存する、表情豊かなシーズンとなりそうです。

リップメイクでは、レッドブラウンを基調とした、ぷるんと弾むようなツヤ感のある赤リップ「MY RED」が主役になる兆しです。

一方で、血色感を抑えたライラックやラベンダー系のクールなリップも新鮮なスタイルとして注目されています。

アイメイクでは、彫刻的で大胆なキャットアイ「NEW CATS」も登場しています。

泣いた後のようなまなざしを演出する低彩度のくすみピンクシャドウ「PINK OVERFLOWS」など、感情に訴えかけるような表現が新しいです。

ベースメイクは、スキンケア直後のようなみずみずしい「クリアスキン」が理想とされます。

丁寧に作り込まれた素肌感が引き続き重要視されます。

2025年は「ナチュラル&ヘルシー」がさらに進化

2025年に向けて、この流れはさらに個々の美しさを引き出す方向へと進化していくと予測されます。

肌本来の美しさを活かす「ナチュラル&ヘルシー」な志向は、今後もトレンドの基盤であり続けるでしょう。

注目されるカラーとしては、ライラックやプラムといったソフトなパープル系が挙げられます。

アイシャドウやチークで取り入れることで、フレッシュでありながら洗練された印象を与えることができそうです。

ピンクやベリー系のチークを頬だけではなく鼻先や額にもふんわりと乗せるスタイルも注目です。

顔全体に健康的な血色感を宿す「紅潮チーク」も広がりを見せるかもしれません。

テクニックの面では、異なる質感を組み合わせるスタイルがより一般的になりそうです。

例えば、煌めくシマーなアイシャドウに、落ち着いたマットなリップを合わせることで、派手すぎず、しかし印象的なルックを作り出すことができます。

これからの主役は「個性の重視」

一時期流行したシャープすぎるコントゥアリングは落ち着きを見せています。

淡い色のブロンザーでさりげなく立体感を出す「ソフトな陰影」作りが主流になる可能性があります。

これは、「クワイエット・ラグジュアリー」といった、控えめながらも上質さを求めるライフスタイルトレンドとも連動していると考えられます。

最も大きな変化の兆しを見せているのが「」かもしれません。

長らく続いた太眉ブームから、より細く、ストレートで主張しすぎない、手入れの行き届いたソフトな眉へと移行する可能性が示唆されています。

ですが、これらの予測以上に重要な未来のトレンド、それは「個性の重視」という大きな潮流です。

これからの時代、流行はあくまで自分らしさを表現するためのインスピレーションの一つにすぎません。

パーソナルカラーや骨格診断などを参考にしつつも、最終的には「自分がどうありたいか」を大切にすることが重要です。

人と違うことを恐れず、自分だけのスタイルを追求することが最もクールであるという価値観が、さらに浸透していくでしょう。

画一的な美しさが称賛される時代は終わりを告げました。

多様な美しさが存在する、より自由で創造的なメイクの時代が訪れるのです。

まとめ:美の表現は、よりパーソナルで自由な時代へ

美の表現は、よりパーソナルで自由な時代へ

この10年間で、日本のメイクトレンドはダイナミックに変容してきました。

社会のムードやテクノロジーの進化、そして人々の価値観の変化を敏感に映し出しています。

癒やしを求めたナチュラルメイクから、華やかなリバイバルブームへ。

コロナ禍を経て進化した洗練された抜け感メイクへと移り変わりました。

その道のりは、私たちがその時代時代をどう生きてきたかの証でもあります。

現代のメイクは、韓国や中国といったアジアからの新しい風を受け入れています。

ジェンダーの壁を乗り越え、何よりも「自分らしさ」を祝福するポジティブなツールへと進化を遂げました。

トレンドの主役は、一部の特権的な人々からSNSを通じて私たち一人ひとりの手へと移りました。

美の基準はますます多様化しています。

そして未来へ。

次にどんな色や質感が流行したとしても、その根底に流れるのは「あなただけの美しさを、あなたらしく楽しむ」というメッセージです。

この記事が、目まぐるしい流行の中で自分らしいメイクを見つけるための、そして日々のメイクをもっと楽しむための、心強い味方となれば幸いです。

美の表現は、これからもっとパーソナルで、もっと自由な時代へと向かっていきます。

【免責事項】
本記事で紹介する内容は、一般的な情報提供を目的としており、専門的なアドバイスに代わるものではありません。
商品やサービスの選択、利用に際しては、ご自身の判断と責任において行ってください。
本記事に掲載されている画像は、あくまで説明のためのイメージです。
細部や状況が実際と異なることがありますので、ご留意ください。

【参考情報】
最新のメイクトレンドやコスメ情報について、さらに詳しく知りたい方は、以下の大手美容情報サイトなどもご参照ください。

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