2025年11月22日、ゆずのファンにとって本当にショックなニュースが飛び込んできました。同年12月からスタートするはずだった『YUZU ASIA TOUR 2025 GET BACK』が、まさかの全公演中止となってしまったのです。
約6年ぶりとなるアジアツアー。「やっと会える！」と心待ちにしていたファンの方も多かったのではないでしょうか。公式サイトに掲載された理由は「やむを得ない事情」という短い言葉だけ。これだけでは、「一体なにがあったの？」と不安になってしまいますよね。
実はこの決定、単なる体調不良やスケジュールの問題ではなく、もっと大きな「国際的な情勢」が深く関わっているようなのです。この記事では、いま何が起きているのか、他のアーティストへの影響はどうなのか、そして気になるチケットの返金について、現在わかっている情報を整理して、分かりやすくお話ししていきます。
ゆずアジアツアー中止の理由はなぜ？
今回のアジアツアーが中止になった一番の要因は、2025年11月に入って急速に冷え込んでしまった「日本と中国の外交関係」にあると考えられています。
公式発表にあった「やむを得ない事情」という言葉。これは普段、台風などの自然災害や、自分たちの力ではどうにもできない国の命令などを指すときによく使われる表現です。つまり、ゆずのお二人やスタッフさんがどれだけ頑張って準備をしていても、政治的な壁に阻まれてしまった可能性が高いのです。
報道などから見えてくる主な背景は、以下の3点です。
- きっかけは政治的な動き？
2025年11月上旬、日本の政治家である高市早苗さんが行った発言が、中国側の反発を招いたと報じられています。これに対する一種の対抗措置として、ビザ（入国許可）が下りなかったり、イベントの許可が取り消されたりする事態が起きているようです。つまり、現地に入国してライブをするための「法的な許可」が得られない状況になってしまったのかもしれません。
- 上海公演ができないと厳しい
今回のツアーにおいて、上海はとても重要な場所でした。機材やスタッフを動かすための拠点であり、収益の柱でもあったようです。上海での公演ができなくなると、日本から機材を運ぶための莫大な費用が賄えなくなり、ツアー全体として赤字になってしまう……そんな経済的な事情もあったと推測されます。
- 今後のための苦渋の決断
「それなら、台湾や香港だけでやればいいのでは？」と思う方もいるかもしれません。しかし、今の情勢で台湾だけで公演を行うことは、中国に対して誤った政治的メッセージを送ることになりかねないという見方もあります。将来的にまた中国本土で歌える日を残すため、そして政治的なトラブルを避けるために、泣く泣く「全公演中止」を選んだのではないでしょうか。
「不可抗力」による中止はゆずだけじゃない？
実は、今回のような理由で悔しい思いをしているのは、ゆずだけではありません。2025年11月、エンターテインメント業界全体で同じような「ドミノ倒し」が起きているんです。
ここ最近の事例をいくつか挙げてみましょう。
- JO1（ジェイオーワン）
グローバルに活躍するボーイズグループのJO1も、11月28日に予定していた広州でのファンミーティングが、開催のわずか10日前に中止となりました。現地のサイトでは法的な用語で「不可抗力」と説明されており、やはり当局からの厳しい指導があったことがうかがえます。
- 吉本興業
お笑いの吉本興業も、上海でのコメディ公演が開幕直前に中止になったそうです。これまで続いてきた文化交流の場であっても、今の外交的な緊張感の中ではストップがかかってしまうようです。
- KOKIAさん、KID FRESINOさん
さらに驚くべき報道もあります。シンガーソングライターのKOKIAさんの場合、なんと北京の現地まで行っていたのに、当日会場でストップがかかったという話も出ています。事前に許可が出ていても、現場レベルで急にひっくり返されることがある……そんな予測できない事態が頻発しているようです。
このように、多くのアーティストが「政治の波」に飲み込まれてしまっているのが現状です。
2025年12月のアジアツアー中止公演
今回のツアーで回る予定だったのは、香港、上海、台北の3都市でした。ファンのみなさんが一番心配なのは「チケットのお金は戻ってくるの？」という点だと思います。
都市や使っているチケットサイトによって対応が違うようなので、ざっくりとした傾向をまとめました。
- 台北（Zepp New Taipei）の場合
現地の「KHAM Ticketing」という会社が担当しています。クレジットカード払いの場合は比較的スムーズに手続きが進むようですが、現金で購入した場合は、チケットや通帳のコピーを郵送するなど、少し手間がかかる可能性があります。手数料などが引かれることもあるので注意が必要です。
- 香港（AXA Dreamland）の場合
こちらの「KKTIX」というサイトは、普段は「返金不可」という厳しいルールがあるようです。ただ、今回は主催者側の事情による完全な中止なので、基本的にはチケット代は戻ってくる見込みが高いでしょう。とはいえ、海外のサイトなので手続き完了までに時間がかかるかもしれません。
- 上海（Shanghai Music Park）の場合
ここが一番の懸念点です。「Damai」というサイトは、購入時に身分証を登録する「実名制」をとっています。返金の際にも厳しい本人確認が必要だったり、日本と中国の間でお金を動かす制限があったりと、ハードルが高いのが現実です。過去には返金まで数ヶ月かかったケースもあるようなので、根気強く待つ必要があるかもしれません。
※これらは一般的な傾向です。正確な手続き方法や期限については、必ず公式サイトやプレイガイドからの最新の案内を確認するようにしてくださいね。
今後の海外活動への懸念は？
今回の一連の騒動は、日本のエンタメ界にとって「これからどうやって海外へ出ていくか」を考え直す大きなきっかけになりそうです。
特に心配されているのが、「チャイナ・リスク（中国での活動に伴う不確実性）」の再認識です。 準備にかかった費用やキャンセル料など、事務所が抱える経済的なダメージは計り知れません。保険でカバーしきれない部分も多いと言われています。
また、こういった政治的な対立が起きると、解決までには長い時間がかかることもあります。過去の事例を見ても、数年単位で文化交流が止まってしまったことがありました。そのため、ゆずをはじめとする日本人アーティストが、再び中国本土のステージに立てるまでには、少し時間がかかるかもしれません。
今後は、政治的なリスクが比較的少ないタイやインドネシアなどの東南アジア、あるいは欧米へと活動の場所を移すアーティストが増えていく可能性もあります。また、ネットを通じた配信など、場所を問わない新しい繋がり方が、これまで以上に大切になってくるでしょう。
まとめ
2025年12月に予定されていたゆずのアジアツアー全公演中止。その背景には、アーティストやスタッフの努力ではどうにもならない「日中関係の悪化」という大きな壁がありました。
今回のポイントを整理すると以下のようになります。
- 理由は政治的な不可抗力：現地の許可が下りないなど、物理的に開催が困難な状況だったと考えられます。
- 業界全体の問題：JO1や吉本興業など、多くのアーティストが同様の影響を受けています。
- 苦渋の決断：上海公演中止による採算の問題や、将来を見据えたリスク管理の結果、全公演中止が選ばれました。
チケットの払い戻しなど、ファンとしては不安な点も残りますが、これは決してアーティスト側の不手際ではありません。まずは公式情報をしっかりチェックして、手続きを進めましょう。
音楽には国境がないと言いますが、それを届けるためには平和な環境が必要不可欠です。いつかまた、ゆずの歌声がアジアの空の下で響き渡る日が来ることを願いつつ、今は事態が落ち着くのを見守りたいですね。
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