2025年11月、元参院議員の立花孝志容疑者が、故・元兵庫県議の竹内英明さんに対する名誉毀損の疑いで逮捕されました。
奥谷謙一県議とは誰？立花容疑者との関係
奥谷謙一さんは、兵庫県神戸市北区選出の兵庫県議会議員です。 所属会派は自由民主党で、当選回数は3回を数える、経験豊富な議員のようですね。
奥谷謙一さんの経歴で特筆すべき点は、現役の「弁護士」でもあることです。
甲南大学の大学院（法律研究科）を修了後に司法試験に合格し、兵庫県弁護士会に所属する法律の専門家です。
兵庫県議会の公式サイトでも、奥谷氏が神戸市北区選出の議員（自由民主党所属）であること、経歴として「兵庫県弁護士会所属弁護士」であることが公表されています。
出典リンク: 奥谷 謙一 （おくたに けんいち） – 兵庫県議会
この法律家としての知見が、後述する一連の問題への対応において重要な役割を果たしていると見られます。
立花孝志容疑者との関係性、そして事件との関わりは、二重の意味で重要です。
第一に、奥谷謙一さんは、兵庫県政を揺るがした「斎藤知事の文書問題」を調査するために設置された、強力な権限を持つ「百条委員会」の委員長を務めていました。
第二に、奥谷謙一さん自身も、立花孝志容疑者による虚偽の発信や誹謗中傷の被害を受けたと主張しており、故・竹内英明さんの遺族とは別に、立花容疑者を名誉毀損容疑で刑事告訴していた当事者の一人でもあります。
つまり、奥谷謙一さんは、立花容疑者が支援する斎藤元彦知事さんを調査する委員会のトップであり、同時に、立花容疑者から（奥谷謙一さんの主張によれば）誹謗中傷の攻撃を受けていた被害者本人でもあるという、極めて重要な立場にある人物です。
立花孝志が逮捕された理由は？
「立花孝志さんは、なぜ逮捕されたのか？」 この疑問への直接的な答えは、故・元兵庫県議会議員の竹内英明さんに対する名誉毀損の疑いです。
警察の発表によれば、問題となっているのは、立花孝志容疑者がインターネット上の動画サイトや街頭演説で行ったとされる、竹内英明さんの名誉を著しく傷つける内容の発言です。
捜査関係者によると、立花容疑者は2024年12月ごろ、当時立候補していた選挙の街頭演説などで、「（議員を辞職して）何も言わずに去っていった竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは間違いないね」といった趣旨の発言を公然と行ったとされています。
さらに深刻なのは、竹内英明さんが2025年1月に亡くなられた後も、立花容疑者がSNS上で、「竹内議員、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていた」「どうも明日逮捕される予定だった」などと、虚偽の情報を発信した疑いが持たれている点です。
これらの発言が単なる「批判」ではなく「名誉毀損」として扱われる背景には、その内容が「事実無根」であるという当局の判断があると報じられています。
実際、兵庫県警の本部長は、立花容疑者のこれらの発言内容について、県議会の場で「そうした事実はない」と公式に否定するという異例の対応を行っていました。
日本の法律では、亡くなった人の名誉を傷つけた場合でも、その発言が「虚偽の事実」に基づいている場合に限り、名誉毀損罪が成立する可能性があるとされています。
これはe-Gov（電子政府の総合窓口）で公開されている刑法 第二百三十条 第2項の規定に基づいています。
竹内英明さんの遺族は、これらの虚偽の事実によって故人の名誉が著しく毀損されたとして、刑事告訴に踏み切りました。今回の逮捕は、警察当局がこれらの発言を「虚偽であり、悪質性が高い」と判断した結果と見られています。
事件の経緯は？斎藤知事の文書問題と名誉毀損の訴え
立花孝志容疑者の逮捕劇を理解するためには、その発端となった「兵庫県庁内部告発文書問題」から続く一連の経緯を時系列で把握する必要があります。
すべての始まりは、兵庫県の斎藤元彦知事さんによる職員へのパワーハラスメントや、知事に近い幹部職員の不透明な昇任などを告発する内部文書が表面化したことでした。 この文書の信憑性を調査するため、兵庫県議会は地方自治法に基づく強力な調査権限を持つ「調査特別委員会（百条委員会）」を設置しました。
この百条委員会の委員長に就任したのが、弁護士でもある奥谷謙一さんでした。
兵庫県議会の公式サイトに掲載されている「文書問題調査特別委員会名簿」において、奥谷謙一氏が委員長を務めていたことが確認できます。
出典リンク: 文書問題調査特別委員会名簿 – 兵庫県議会
そして、故・竹内英明さんも、この百条委員会の委員として、斎藤元彦知事さんへの疑惑を追及する中心的な役割を担っていました。
こうした状況の中、立花孝志容疑者はこの政治問題に介入します。 立花容疑者は斎藤元彦知事さんを擁護する立場を取り、知事選挙にも出馬しました。その選挙活動や自身のSNSを通じて、斎藤元彦知事さんを追及する百条委員会のメンバー、特に竹内英明さんや奥谷謙一さんに対して、激しい批判を展開し始めたのです。
この一連の流れの中で、竹内英明さんは深刻な事態に直面します。百条委員会のメンバーとして活動する中、SNSなどを通じた熾烈な誹謗中傷に悩まされるようになりました。
竹内英明さんは、この誹謗中傷を理由の一つとして、調査終了前の2024年11月に県議会議員を辞職しました。そして2025年1月、竹内英明さんは自宅で亡くなりました。
この悲劇的な結果を受け、竹内英明さんの妻が「夫は事実無根の誹謗中傷によって追い詰められた」として、立花孝志容疑者を名誉毀損（死者に対する名誉毀損）の疑いで刑事告訴しました。 奥谷謙一さんも同様に、自身への名誉毀損で刑事告訴を行っていました。
つまり、今回の逮捕は、単なる個人間のトラブルではなく、「斎藤知事の文書問題」という政治スキャンダルを発端とし、知事を調査する側の議員（竹内英明さん、奥谷謙一さん）と、知事を擁護する側の人物（立花孝志容疑者）との間で起きた対立が、政治的批判の範疇を超え、「事実無根の虚偽」による名誉毀損という犯罪行為にまでエスカレートした疑いがある結果と言えます。
逮捕を受けて奥谷県議が発表したコメントの要点
立花孝志容疑者の逮捕が報じられた日、百条委員会の委員長であり、自らも刑事告訴していた奥谷謙一さんは、弁護士としての立場も踏まえたコメントを発表しました。その内容は、事件の深刻さと被害者の心情を強く訴えるものでした。
奥谷謙一さんはまず、逮捕の報に接し、「私自身、同氏による虚偽の発信や誹謗中傷の被害を受けた一人として、安堵しております」と、率直な心境を述べました。
しかし、コメントの大部分は、亡くなられた竹内英明さんへの思いに割かれました。 奥谷謙一さんは、「竹内英明県議は、根拠のないデマや中傷に悩まされていました」と当時の苦境に触れ、「今回の逮捕によって、少しでも竹内議員の無念が晴らされ、ご家族の皆さまのお気持ちがわずかでも報われることを心から願っています」と、遺族への配慮を示しました。
続けて、奥谷謙一さんは誹謗中傷という行為そのものを強く非難します。 誹謗中傷は「個人の尊厳を奪う暴力であり、政治や社会への信頼を深く損なう行為です」と断じました。
そして、「言論の自由の名の下に行われる卑劣なデマや中傷を、社会全体で許さないという意識を共有することが必要です」と、社会全体への課題として提起しています。
最後に、奥谷謙一さんは法律家らしく、「今後の捜査や起訴に向けた手続きの推移を冷静に見守り、司法の場で真実が明らかにされることを強く望みます」と述べ、法的な手続きによる真相解明への期待を示してコメントを締めくくっています。
まとめ：立花孝志の逮捕と誹謗中傷問題の経緯
本記事で解説してきた「なぜ 立花孝志 逮捕」という疑問と、キーパーソンである「奥谷謙一 県議」について、その経緯と理由を改めて整理します。
立花孝志容疑者が逮捕された直接の容疑は、故・元兵庫県議の竹内英明さんに対する名誉毀損です。
その行為とは、竹内英明さんが「警察の取り調べを受けている」「明日逮捕される予定だった」といった、具体的な内容を含む「事実無根の虚偽」を公然と発信し、故人の名誉を著しく傷つけたという疑いです。
この一連の誹謗中傷が行われた背景には、兵庫県の斎藤元彦知事さんのパワハラ疑惑などを調査する「百条委員会」をめぐる政治的な対立が存在します。
奥谷謙一さんは、この百条委員会の委員長を務めた弁護士資格を持つ県議であり、知事を調査する側の中心人物でした。 同時に、奥谷謙一さん自身も立花容疑者から被害を受けたとして刑事告訴していた当事者の一人です。
結果として、竹内英明さんは誹謗中傷に悩んだ末に議員を辞職し、その後亡くなるという最悪の事態に至りました。
今回の逮捕は、竹内英明さんの遺族や、同じく被害者である奥谷謙一さんからの刑事告訴を受けた警察が、一連の発言を「政治的批判」ではなく「悪質な犯罪」として捜査を進めた結果と見られます。
奥谷謙一さんがコメントで「個人の尊厳を奪う暴力」と表現したように、この事件は、インターネット社会における「言論の自由」と「誹謗中傷」の境界線がいかに曖昧で、そして時にいかに致命的な結果をもたらすかを社会に突きつけるものとなりました。
今後は、奥谷謙一さんが望んだように、捜査と司法の場において、何が真実であったのかが明らかにされることになります。
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