私たちの毎日で、スマートフォンやパソコンを使ってインターネットを楽しむのは、もうすっかりお馴染みの光景ですよね。
そんな便利なインターネット生活を陰で支えているのが「Wi-Fi」です。
カフェや駅、もちろんお家でも、Wi-Fiの電波が私たちの周りを飛び交っていて、そのおかげで快適にインターネットを使えています。
でも、「Wi-Fiって、一体どういう仕組みでインターネットに繋がっているんだろう?」とか、「設定画面でよく見るパスワードって、何のためにあるの?」なんて、ふと疑問に思ったことはありませんか。
この記事では、そんなWi-Fiの基本的な仕組みと、私たちの情報を守るためにとても大切なパスワードの役割について、できるだけ専門的な言葉を避けて、わかりやすくお話ししていこうと思います。
「Wi-Fiを使うってどういうこと?」というシンプルな疑問にも、スッキリお答えできたら嬉しいです。
Wi-Fiって何だろう?私たちのすぐそばにある無線の便利な世界

まずは「Wi-Fi」という言葉自体について、少しだけ触れておきましょうか。
Wi-Fiってそもそも何?
Wi-Fiというのは、ケーブルを使わずに、無線でインターネットなどのネットワークに繋ぐための技術の一つなんです。
正式には「Wireless Fidelity(ワイヤレス フィデリティ)」といって、「忠実な無線通信」みたいな意味合いがあるんですよ。
昔は、機器同士を繋ぐのにケーブルを使うのが普通でした。
しかし、Wi-Fiが登場したことで、ケーブルのわずらわしさから解放されて、もっと自由にインターネットを使えるようになったんですね。
Wi-Fiと電波、どう違うの?
ここで、「Wi-Fiと電波って、何が違うの?」という疑問が湧いてくるかもしれませんね。
実は、Wi-Fiは「電波」という大きなグループの中の一つの使い方なんです。
テレビの放送やラジオ、携帯電話の通信も電波を使っていますが、Wi-Fiも同じように電波を使ってデータのやり取りをしています。
Wi-Fiで使われる電波には、いくつかの周波数帯という種類があります。
主に使われているのは、2.4GHz(ギガヘルツ)帯と5GHz帯の二つです。
2.4GHz帯は、壁などの障害物に強くて、遠くまで電波が届きやすいという良いところがあります。
その反面、電子レンジのような他の家電製品と電波がぶつかりやすい(電波干渉と言います)という一面もあるんです。
一方の5GHz帯は、他の家電製品との電波干渉が少なくて、通信のスピードが速い傾向にあります。
ですが、障害物には少し弱くて、通信できる距離が短くなることがある、という特性を持っています。
これらの電波の性質を上手に活かして、私たちは無線での快適な通信を実現しているというわけですね。
Wi-Fiでインターネットに繋がる仕組みを覗いてみよう

では、具体的にWi-Fiはどんな仕組みでインターネットに接続しているのでしょうか。
この仕組みを理解するには、いくつかの「登場人物」とその役割を知っておくと分かりやすいですよ。
Wi-Fi接続の登場人物たち
まず、私たちが普段使っているスマートフォンやパソコン、タブレット、ゲーム機。
これらは「子機(こき)」と呼ばれます。
これらの子機がWi-Fiの電波をキャッチして、インターネットの世界へ旅立つスタート地点になるんです。
次にとても重要なのが「Wi-Fiルーター(ワイファイルーター)」です。
これは「親機(おやき)」とも呼ばれていて、お家やオフィスなどでインターネット回線と子機の間を取り持ってくれる役割をしています。
Wi-Fiルーターは、インターネット回線から送られてくるデジタル信号をWi-Fiの電波に変えて子機へ届けます。
逆に、子機から送られてきたWi-Fiの電波をデジタル信号に変えてインターネット回線へ送り出す、まるで「通訳さん」のような存在なんですよ。
そして、Wi-Fiルーターが繋がる先には、「モデム」または「ONU(オヌ、光回線終端装置)」と呼ばれる機器があります。
これらは、光回線やADSL回線といった、お家まで引き込まれているインターネット回線とWi-Fiルーターを繋ぐための装置です。
壁にある光コンセントや電話線の差込口から来た信号を、ルーターが理解できる形に変換する役割を持っているんですね。
インターネット接続までの流れを追ってみよう
これらの機器がチームのように連携することで、私たちはWi-Fiを通じてインターネットに接続できるんです。
その流れを、一緒に簡単に見ていきましょう。
- まず、スマートフォン(子機)でWi-Fi機能をオンにします。 すると、スマートフォンは周りを飛んでいるWi-Fiの電波を探し始めます。
- 使いたいWi-Fiネットワーク(SSIDというネットワークの名前で区別されます)を見つけると、スマートフォンはWi-Fiルーター(親機)に向かって「接続したいです」とお願いを送ります。 この時、後でお話しするパスワードを使った認証が行われます。
- 認証が無事に成功すると、スマートフォンとWi-Fiルーターは無線で繋がります。
- 次に、Wi-FiルーターはLANケーブルという有線のケーブルで、モデムまたはONUに接続されています。 モデムやONUは、契約しているインターネット回線(例えば光回線ですね)を通じて、インターネットサービスプロバイダー(ISP)と呼ばれる事業者の設備に繋がっています。
- プロバイダーは、例えるならインターネットの世界への玄関口のようなものです。 ここを通って初めて、私たちは世界中のウェブサイトを見たり、メールを送ったり受け取ったりすることができるようになるんですよ。
データを受け取る時も、基本的にはこの逆の流れをたどります。
インターネット上にある情報がプロバイダーを経由して、モデム(ONU)、Wi-Fiルーターへと送られてきます。
そして最終的に、Wi-Fiの電波に乗って私たちのスマートフォンに届けられる、というわけです。
このように、目には見えない電波や信号が複雑に連携し合うことで、私たちは快適なWi-Fi環境を利用できているんですね。
Wi-Fiを使うには何が必要なのかな?準備リストをチェック

Wi-Fiを利用してインターネットに接続するためには、いくつか準備するものがあります。
これらが揃って初めて、無線での快適なインターネット生活がスタートするんですよ。
まずはこれ!インターネット回線とプロバイダー
大前提として、「インターネット回線契約」が必要です。
これは、お家までインターネットの道を通すようなイメージですね。
光回線やケーブルテレビ回線、以前はADSL回線というものもありました。
どの回線を選ぶかによって、通信のスピードや安定性が変わってくることがあります。
次に、「プロバイダー契約」も欠かせません。
プロバイダーは、インターネット回線という道を使って、実際にインターネットの世界へ接続するための「通行手形」を発行してくれる存在、と考えると分かりやすいかもしれません。
回線事業者とプロバイダーがセットになっているサービスもあれば、別々に契約する場合もありますよ。
電波を飛ばすWi-Fiルーター
そして、無線で電波を飛ばすための「Wi-Fiルーター」が必要です。
Wi-Fiルーターには本当にたくさんの種類があります。
対応しているWi-Fiの規格(例えば、Wi-Fi 6のような新しい規格ほど、速くて安定した通信が期待できます)や、同時に接続できる機器の台数、電波の届く範囲などがそれぞれ異なります。
ご自身の利用環境や、接続したい機器の数などを考えて選ぶことが大切ですね。
最近では、メッシュWi-Fiといって、複数のルーターを連携させて家全体をカバーするシステムも出てきています。
電波を受け取るWi-Fi対応機器
最後に、Wi-Fiの電波を受信できる「Wi-Fi対応機器」が必要です。
今のスマートフォンやタブレット、ノートパソコンのほとんどは、標準でWi-Fi機能が付いています。
デスクトップパソコンや一部の古い機器では、別にWi-Fiアダプターというものが必要になる場合もあります。
プリンターやスマートスピーカー、スマート家電といったものも、Wi-Fiに対応しているものが増えています。
これらをWi-Fiに接続することで、より便利な生活を送ることが期待できるんですよ。
これらのものが揃って初めて、私たちはWi-Fiを使ったインターネット接続を楽しむことができる、ということですね。
Wi-Fiのパスワードって何のため?見えない盾の役割を解説

Wi-Fiに接続する時、多くの場合パスワードの入力を求められますよね。
このパスワードは、一般的に「暗号化キー」や「ネットワークセキュリティキー」などとも呼ばれていて、Wi-Fiの安全を守るために、とてもとても重要な役割を果たしているんです。
パスワードがないとどうなるの?
もし、Wi-Fiにパスワードが設定されていなかったら、一体どうなってしまうと思いますか。
それは、例えるなら自宅のドアに鍵をかけないで外出するようなものです。
近所にいる誰でも、あなたの家のWi-Fiネットワークに勝手に接続できてしまうかもしれません。
そうなると、いくつかの困ったことが起こる可能性があります。
一つは、通信速度が遅くなることです。
たくさんの人が同時に接続すれば、それだけ回線が混み合ってしまって、インターネットのスピードがガクンと落ちてしまうかもしれません。
さらに心配なのは、セキュリティ面でのリスクです。
もし悪意のある第三者があなたのWi-Fiネットワークに侵入してきた場合、あなたがインターネットでやり取りしている情報(例えば、どんなウェブサイトを見たかとか、暗号化されていない通信であればメールの中身など)を盗み見られてしまう可能性があります。
あなたのWi-Fiネットワークを踏み台にして、不正なアクセスや良くない行為が行われる可能性も否定できません。
そうなってしまうと、気づかないうちにあなたが疑われてしまう…なんてケースも考えられるんです。
暗号化が守ってくれる大切な情報
このような危険から私たちを守ってくれるのが、パスワードと、その背景にある「暗号化」という技術なんです。
Wi-Fiのパスワードを設定するということは、Wi-Fiルーターと接続する機器(スマートフォンなど)の間でやり取りされるデータを暗号化する、ということです。
そして、特定のパスワードを知っている人だけが、その暗号を解いて通信内容を理解できるようにする、という仕組みなんですね。
これによって、たとえ第三者がWi-Fiの電波をこっそり傍受したとしても、パスワードを知らなければ通信内容を読み取ることは非常に難しくなります。
Wi-Fiの暗号化にはいくつかの方式があって、時代とともに進化してきました。
初期の「WEP(ウェップ)」という方式は、比較的解読されやすいという弱点が見つかりました。
その後、「WPA」、「WPA2」、そして現在ではより強力な「WPA3」という方式が登場しています。
セキュリティを高めるためには、お使いのWi-Fiルーターが対応している範囲で、できるだけ新しい、より安全性の高い暗号化方式を選ぶことが推奨されています。
安全なパスワード設定のポイント
パスワードを設定する時には、いくつかのポイントに気をつけると、より安全性を高めることが期待できますよ。
まず、Wi-Fiルーターを買った時に最初から設定されているパスワードは、推測されやすいことがあるため、できれば変更することが望ましいです。
新しいパスワードは、アルファベットの大文字と小文字、数字、そして記号などを組み合わせて、他の人には推測されにくい複雑なものに設定すると良いでしょう。
万が一の事態に備えて、定期的にパスワードを変更することも、有効な対策の一つと考えられています。
Wi-Fiをもっと安全に、もっと快適に使うためのヒント

Wi-Fiの仕組みとパスワードの重要性について、なんとなくイメージが掴めてきたでしょうか。
最後に、Wi-Fiをもっと安全に、そしてもっと快適に利用するための、いくつかのヒントをご紹介しますね。
ルーターのファームウェアは最新に
一つ目は、「Wi-Fiルーターのファームウェアを最新の状態に保つ」ことです。
ファームウェアというのは、ルーターを動かすためのソフトウェアのことです。
メーカーさんは、セキュリティ上の弱点が見つかった場合や、性能を良くするために、ファームウェアのアップデートを提供することがあります。
自動で更新される機種もありますが、手動で確認が必要な場合もあるので、定期的にメーカーのウェブサイトなどで情報をチェックして、最新の状態を保つよう心がけると安心ですね。
公共Wi-Fiスポット利用時の心得
二つ目は、「公共のWi-Fiスポットを利用する時の注意点」です。
カフェやホテル、駅などで提供されている無料のWi-Fiスポットはとても便利ですよね。
しかし、中にはセキュリティの設定が少し甘いものや、悪意を持って設置された「なりすまし」のアクセスポイントである可能性もゼロではありません。
大切な情報のやり取り(例えば、オンラインバンキングの利用や個人情報の入力など)は、できるだけ避けるか、VPN(ブイピーエヌ、Virtual Private Networkの略です)という、仮想的な専用線を作って通信を暗号化する技術を利用するなど、より慎重な対策を考えると良いかもしれません。
SSIDステルス機能は万能ではない?
Wi-Fiルーターの設定項目の中に、「SSIDのステルス機能」というものを見かけることがあるかもしれません。
これは、Wi-Fiネットワークの名前(SSID)を周りに公開しないようにする機能です。
しかし、専門的な知識を持っている人にとっては比較的簡単に見破られてしまうため、これだけでセキュリティが大幅に向上するわけではない、と言われています。
基本的なパスワードの設定や暗号化方式の選択をしっかり行うことの方が、より重要だと考えられますね。
まとめ Wi-Fiを正しく知って、安全で快適なネット生活を送ろう

この記事では、Wi-Fiがインターネットに繋がる仕組みと、その安全を守るパスワードの役割についてお話ししてきました。
Wi-Fiは、私たちの生活を豊かにしてくれる便利な技術です。
しかし、その裏側には、ちょっぴり複雑な仕組みと、セキュリティを守るための大切な工夫が隠されているんですね。
「Wi-Fiを使うってどういうこと?」という素朴な疑問から、「Wi-Fiを使うには何が必要?」「Wi-Fiと電波の違いは?」といった具体的なポイントまで、少しでも皆さんの「なるほど!」に繋がっていたら嬉しいです。
そして何よりも、パスワードがいかに重要であるかを感じていただけたのではないでしょうか。
目に見えない電波を利用するWi-Fiだからこそ、その仕組みを正しく理解して、適切なセキュリティ対策をすることで、私たちは安心してその便利さを享受できます。
この記事が、皆さんの安全で快適なインターネットライフの、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。
【免責事項】
本記事に掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定のアドバイスや推奨を行うものではありません。
Wi-Fiの設定やセキュリティ対策については、お使いの機器の取扱説明書や、ご契約のプロバイダー、専門家にご相談いただくことをお勧めします。
本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
本記事に掲載されている画像は、あくまで説明のためのイメージです。細部や状況が実際と異なることがありますので、ご留意ください。
【参考情報】
Wi-Fiの仕組みやセキュリティに関するより詳しい情報については、以下の情報源も参考にされることをお勧めします。
JCOM サポート: Wi-Fiの基本から仕組み、規格、周波数帯について図解入りで分かりやすく解説されています。
- Wi-Fi(ワイファイ)とは?Wi-Fiの仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説: : https://cs.myjcom.jp/knowledge/internet/wi-fi/22112301-wi-fi.html
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