クラウドって何？データはどこに？仕組みを分かりやすく解説します

最近、私たちの生活やお仕事の場面で「クラウド」という言葉をよく耳にするようになりましたね。

スマートフォンで撮った写真をみんなと共有したり、大切な文書を作って保存したり。 企業が大きなシステムを動かすためにも使われていて、本当にいろいろなところで活躍しています。

でも、「クラウドって、具体的にはどんなものなの？」とか、「私たちのデータは、一体どこにしまわれているんだろう？」なんて、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そんなクラウドの基本的な仕組みや、データの保存場所、クラウドが持っているさまざまな顔について、できるだけ専門的な言葉を避けて、皆さんに分かりやすくお伝えしていきますね。

クラウドという考え方の基本

まずは、「クラウドとは何か」という、一番大事なところから見ていきましょうか。

クラウド、もう少しきちんと言うとクラウドコンピューティングという技術は、インターネットみたいなネットワークを通じて、コンピューターの機能やデータをしまう場所といったものを、必要なときに必要な分だけ使えるようにする考え方やサービスの形のことなんです。

昔は、ソフトを使うためには自分のパソコンに入れたり、データをしまうためには手元にあるハードディスクやUSBメモリを使ったりするのが普通でした。

しかし、クラウドが出てきたおかげで、これらの作業がインターネットを通じて、遠くにあるサーバーというコンピューターの上でできるようになったんですよ。

「クラウドに入れる」「クラウドに預ける」ってどういうこと？

「クラウドに入れるとはどういう意味ですか」とか、「クラウドに預けるとはどういう意味ですか？」という質問もよくいただきます。

これは、写真や文書、その他のデジタルでできたデータを、ご自身のパソコンやスマートフォンの中ではなくて、インターネット上にある、クラウドサービスを提供している会社が管理しているサーバーに保存したり、保管したりすることを指します。

サービスを利用する皆さんは、インターネットにつながる環境さえあれば、いろいろな機械からこれらのデータを見たり、直したりすることができるようになるんです。

まるで、自分の手元にあるかのようにデータやソフトを使える、これがクラウドの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

「クラウド」という名前のひみつ

ところで、どうして「クラウド（雲）」という名前が使われるようになったんでしょうか。

この「クラウド 語源」については、いくつかの話がありますが、一番よく言われているのは、ネットワークの技術者さんがシステムの図などを書くときに、インターネットみたいに複雑なネットワークの集まりを、一つ一つの機械ではなくて、雲の形をしたマークで表していたことから来ているという説です。

この雲のマークは、その向こう側にある細かい仕組みを、使う人が気にしなくてもいい、ぼんやりとした存在としてのインターネットを表していました。

クラウドコンピューティングも、使う人がサーバーの置いてある場所や難しい管理を気にすることなく、サービスとして気軽に使えるという特徴があるので、この「雲」という言葉が例えとして使われるようになったと考えられています。

いろいろあるクラウドの種類とその特徴

一口にクラウドサービスと言っても、どんな形で提供されるかや、サービスの内容によって、いくつかの「クラウド 種類」に分けられるんですよ。

これらの種類を知っておくことは、ご自身の目的や使い方にピッタリ合ったクラウドサービスを選ぶために、とても大切なんです。

ここでは、代表的なクラウドの種類について見ていきましょう。

サービス内容による分類 SaaS、PaaS、IaaS

クラウドサービスは、提供されるサービスがどの部分までかによって、主に「SaaS（サース）」、「PaaS（パース）」、「IaaS（イアース）」の3つに大きく分けられます。

それぞれの特徴を少し詳しく見てみましょう。

提供形態による分類 パブリッククラウドとプライベートクラウド

クラウドの提供のされ方としては、「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」という分け方も大切です。

これらの違いを理解しておくと、より自分に合ったサービスを選びやすくなりますよ。

パブリッククラウドは、たくさんの人に向けて、同じようなサービスを提供する形です。 最初にあまりお金をかけずに始められて、必要なときに必要な分だけコンピューターの力などを柔軟に増やしたり減らしたりできるのが特徴です。

多くの会社や個人の方が利用していて、先ほどお話ししたAWS、GCP、Microsoft Azureなどが代表的なパブリッククラウドサービスを提供している会社です。

一方、プライベートクラウドは、特定の会社や組織が、自分たち専用のクラウド環境を作って利用する形です。

自分たちの会社のルールに合わせて細かく設定を変えられたりするので、とても大切な情報を扱うシステムなどに合っていると言われています。

しかし、作るのや運用には、それなりのお金と専門的な知識が必要になることがあります。

いいとこ取りのハイブリッドクラウド

さらに、これらのパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて、それぞれの良いところを活かして一緒に使う「ハイブリッドクラウド」という形もあります。

例えば、普段のお仕事はパブリッククラウドを使いつつ、とても大切なデータはプライベートクラウドで管理する、といった使い分けができるんです。

それぞれのクラウドの長所をうまく組み合わせることで、より便利で安全な使い方が期待できますね。

大切なデータはどこにあるの？クラウドのデータの保存場所

クラウドサービスを使う上で、一番気になることの一つが、「預けたデータは一体どこにあるんだろう？」ということではないでしょうか。

クラウド上に保存されたデータは、目に見えない雲の中にふわふわと漂っているわけではありません。 実際には、クラウドサービスを提供している会社が、世界中のいろいろな場所に建てて管理している「データセンター」と呼ばれる大きな施設の中にある、物理的なサーバー（とても性能の良いコンピューター）に保存されているんです。

このデータセンターの仕組みについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

データセンターという場所

データセンターというのは、たくさんのサーバーを安定して動かすために、とても厳しいセキュリティ対策や、地震に強い構造、自分たちで電気を作れる設備、温度や湿度を調整する空調設備などが整えられた専門の施設です。

多くの場合、データの安全といつでも使えるようにするために、同じデータがいくつかの場所に分けて保存されたり、定期的にバックアップが取られたりしています。

データの安全性は大丈夫？

データセンターでは、しっかりとした管理体制が敷かれています。 これにより、一部のサーバーが故障したり、自然災害が起きたりした場合でも、データがなくなってしまう危険を減らして、サービスを続けられるように工夫がされているんですね。

サービスを利用する皆さんは、ご自身のデータが具体的にどの国や地域のどのデータセンターに保存されているかを、直接知ることは少ないかもしれません。

しかし、サービスを提供している会社によっては、データの保存場所を選べるようにしている場合もあります。

特に、国や地域によってデータ保護に関するルールが違うので、お仕事でクラウドを利用する際には、データの保存場所や管理の仕方について確認することが大切になることも考えられます。

クラウドを使うとどんないいことがあるの？クラウド利用のメリット

クラウドコンピューティングがこんなに早く広まっているのには、使う私たちにとってたくさんの良いことがあるからなんです。

具体的にどんなメリットがあるのか、一緒に見ていきましょう。

いつでもどこでもアクセス可能

まず挙げられるのは、場所や機械を選ばずに情報にアクセスできる便利さです。

インターネットにつながる環境さえあれば、お家のパソコンや、外出先のスマートフォン、タブレットなど、いろいろな端末から同じデータやアプリケーションを使うことができます。

これによって、働き方の幅も広がりますね。

最初にかかるお金を抑えやすい

次に、最初にかかる費用を抑えやすいという点も大きな魅力です。

昔は、新しいシステムを入れようとすると、高いサーバーの機械を買ったり、ソフトの利用権を手に入れたり、専門の技術者さんにお願いして作ってもらったりする必要がありました。

しかし、クラウドサービスでは、これらの最初にかかるお金を大幅に減らせることがあります。

多くは毎月払う形や、使った分だけ払う形で提供されるので、小さく始めやすいのも特徴です。

使いたい分だけ使える柔軟性

必要なときに必要な分だけコンピューターの力などを柔軟に利用できる広がりやすさも、クラウドの重要な良いところです。

お仕事の成長や、ウェブサイトへのアクセス数の増減に合わせて、サーバーの能力やデータをしまう容量をすぐに変えることができます。

これにより、無駄な設備投資をしないで、効率的にコンピューターの資源を使うことが可能になります。

もしもの時のバックアップ

データのバックアップや災害が起きたときの対策という点からも、クラウドは役に立つ手段となり得ます。

多くのクラウドサービスでは、データを守るための仕組みが用意されていて、万が一のことが起きた場合でも、データの復旧やお仕事を続けることが期待できます。

専門知識がなくても大丈夫？

専門的な知識があまりなくても、高度な機能を使える可能性がある点も良いところと言えるでしょう。

例えば、人工知能（AI）や機械学習、たくさんのデータを分析するビッグデータ分析といった最先端の技術も、クラウドサービスを通じて比較的簡単に利用できるようになってきています。

クラウドを使うときに気をつけておきたいこと

たくさんの良いことがある一方で、クラウドサービスを利用する際には、いくつか心に留めておきたい点もあります。

安心して使うために、これらの点も確認しておきましょう。

インターネットは必須

最も基本的なこととして、インターネットへの接続が絶対に必要であるという点が挙げられます。

オフラインの環境では、クラウド上にあるデータやアプリケーションにアクセスすることができません。

セキュリティは自分でも意識

セキュリティの危険性についても考える必要があります。

信頼できるサービスを提供している会社を選ぶことはもちろん大切ですが、サービスを利用するご自身もパスワードの管理をしっかりしたり、いくつかの方法で本人確認をする多要素認証を設定したりするなど、セキュリティに対する意識を高く持つことが求められます。

サービス提供会社は高度なセキュリティ対策をしていますが、最終的な情報を守る責任の一部は、使う皆さんにもあるということを知っておくのが大切ですね。

サービスが変わることも

サービスを提供している会社のルールや、サービスの内容が変わる影響を受ける可能性がある点も理解しておく必要があります。

利用しているサービスが突然終わってしまったり、料金の仕組みが変わったりする危険性もゼロではありません。

サービスを選ぶときには、提供している会社の信頼性や将来性も考えてみると良いでしょう。

使い続けるとお金がかかることも

使い続けることで費用が発生する場合があることにも注意が必要です。

最初の費用は抑えられても、毎月の料金や使った分だけ払う料金が積み重なることで、長い目で見ると費用が増えてしまう可能性もあります。

利用状況を定期的に見直して、無駄な費用が発生していないかを確認することも大切です。

まとめ クラウドと上手に付き合っていくために

クラウドコンピューティングは、私たちの生活やお仕事を、より便利で効率的なものに変える大きな力を持った技術です。

その仕組みや種類、データの保存場所についてよく知ることは、クラウドサービスをより安全に、そして効果的に使うための最初の一歩と言えるでしょう。

クラウドはもはや特別なものではなくて、電気や水道のような社会の基盤の一つとして、私たちの毎日に溶け込みつつありますね。

良いところと気をつけておきたいことの両方を正しく知って、それぞれの目的や状況に合わせて一番良いサービスを選んで、活用していくことが、これからの時代を生きていく私たちにとって、ますます大切になっていくと考えられます。

この記事が、皆さんのクラウドに対する理解を深めて、より豊かなデジタルライフを送るためのお手伝いになれば嬉しいです。

【免責事項】
本記事は、クラウドコンピューティングに関する一般的な情報提供を目的としています。
掲載されている情報については、正確性を期すよう努めておりますが、その内容の完全性や最新性を保証するものではありません。
本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
クラウドサービスのご利用に際しては、必ず各サービス提供事業者の利用規約等をご確認いただき、ご自身の判断と責任において行ってください。
本記事に掲載されている画像は、あくまで説明のためのイメージです。 細部や状況が実際と異なることがありますので、ご留意ください。

参考情報 クラウドコンピューティングについて、より詳しく知りたい方は、以下の情報源も参考にしてみてください。 (ここに具体的な情報源の名称やURLを記載する想定です。例えば、総務省や情報処理推進機構(IPA)の関連ページなど)

• 情報処理推進機構：クラウドサービス
• 総務省：クラウドサービス提供・利用の推進