雷の音はなぜゴロゴロ?稲妻のギザギザの謎を解明!

空にピカッと光る稲妻! そのあとには、ゴロゴロゴロ…と響く大きな音。

子どもの頃、雷が鳴ると「おへそを取られる!」なんて言われて、慌ててお腹を隠した経験はありませんか? 雷って、なんだか怖いけど、どうして光ったり音が鳴ったりするのか、不思議ですよね。

この記事では、そんな雷の「なぜ?」を、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。 雷の正体から、音が鳴る仕組み、稲妻がギザギザな理由まで、ちょっと詳しく、でも分かりやすくお伝えしますね。

雷の正体ってなあに?空で生まれる電気のビックリパワー!

「そもそも雷って何者なの?」って思いますよね。

実は、雷の正体は「電気」なんです。 冬にセーターを脱ぐとパチパチってなる静電気、ありますよね? あれが、とんでもなく大きくなったものだとイメージしてみてください。

雷雲の中で何が起きているの?

雷は、主に「積乱雲」という雲の中で生まれます。 この積乱雲は、モクモクと成長する大きな雲で、「雷雲(かみなりぐも)」なんて呼ばれることもあります。

積乱雲の中では、氷の粒や水の粒がたくさんあって、強い風で激しくぶつかり合っています。 そうすると、摩擦で静電気が発生するんです。

雲の上の方にはプラスの電気が、下の方にはマイナスの電気が集まりやすいと言われています。 こうして、雲の中に電気がどんどん溜まっていくんですね。

電気が一気に流れる!それが稲妻

雲の中に電気が溜まりすぎると、もう我慢できない!って感じで、電気が空気中をバーン!と流れ出します。

これが「放電」という現象で、私たちが目にする「稲妻」の光なんです。

この放電は、雲の中で起こることもあれば、雲と地面の間で起こることもあります。

地面に落ちる雷を「落雷」と言いますよね。

どうして雷はゴロゴロ鳴るの?音の秘密を探ってみよう!

ピカッと稲妻が光った後、少し遅れて聞こえてくる「ゴロゴロ」という大きな音。

あれは「雷鳴(らいめい)」と言います。

では、どうして音が鳴るのでしょうか?

稲妻が空気を超高温にする!

稲妻が光るとき、その通り道になった空気は、一瞬でとんでもない高温になります。

なんと、太陽の表面温度(約6000度)よりもずっと熱い、数万度にもなることがあると言われているんですよ。 びっくりですよね!

空気の爆発的な膨張が音になる

急に熱くなった空気は、ものすごい勢いで膨らみます。

この空気が急激に膨らむときの衝撃が、音となって私たちの耳に届くんです。

これが、雷の音の正体です。

花火が「ドン!」と鳴るのも、火薬が燃えて空気が急に膨らむからなので、仕組みとしては似ていますね。

ゴロゴロと長く響くのはどうして?

雷の音が「ゴロゴロ…」と長く続くのにも理由があります。

一つは、稲妻の長さです。 稲妻って、一本の線に見えるかもしれませんが、実は数キロメートル、時にはもっと長くなることもあります。

稲妻のそれぞれの場所から出た音が、少しずつ時間をずらして耳に届くので、音が長く聞こえるんですね。

もう一つは、音の反射です。 山や建物、それに雲自体に音が反射して、複雑に響き合うことで、音が長く続いたり、途切れたりするように聞こえることがあります。

カラオケのエコーみたいな感じ、と想像すると分かりやすいかもしれません。

光と音の追いかけっこ

稲妻が光ってから音が聞こえるまで、少し時間がかかりますよね。

これは、光の速さと音の速さが全然違うからです。

光はめちゃくちゃ速くて、1秒間に地球を7周半もできるくらい。

一方、音は1秒間にだいたい340メートルくらいしか進みません。

だから、雷が遠くで発生するほど、光を見てから音が聞こえるまでの時間が長くなるんです。

この時間差を利用すると、雷までの大体の距離を知ることもできますよ。

稲妻はどうしてギザギザなの?不思議な形に隠された理由

稲妻といえば、あの特徴的なギザギザの形を思い浮かべますよね。

まっすぐじゃなくて、どうしてあんな形をしているのでしょうか?

空気は電気を通しにくい

実は、空気って電気を通しにくい性質があるんです。

だから、雲に溜まった電気が地面に向かって進もうとしても、簡単にはまっすぐ進めません。

電気は、「どこか通りやすいところはないかな?」と探しながら、少しずつ進んでいきます。

ジグザグに進むステップトリーダー

最初に電気が進むとき、数十メートル進んでは一瞬止まり、また新しい道を探して進む、という動きを繰り返します。

これを「ステップトリーダー」と呼びます。

なんだか、目に見えない階段を一段ずつ、ジグザグに下りてくるみたいですよね。

空気中のチリや水蒸気の量、あるいは電気が流れやすい部分のわずかな違いを見つけて進むので、稲妻の通り道は自然とギザギザの形になるんです。

明るい光の正体はリターンストローク

このステップトリーダーが地面に近づくと、今度は地面から「お迎え放電(ストリーマー)」と呼ばれる小さな放電が発生します。

そして、これらが手をつなぐように結びついた瞬間! とても明るくて強い電気が、地面から雲に向かって一気に駆け上がります。

これが「リターンストローク」と呼ばれるもので、私たちが普段見ている明るい稲妻の光の多くは、これによるものだと言われています。

つまり、稲妻のギザギザは、電気が空気という障害物の中を、一番進みやすいルートを選んで進んだ結果、自然にできる形なんですね。

雷に打たれたらどうなるの?知っておきたい雷の危険性

「もし雷に打たれたら、助かるの?」と心配になる方もいるかもしれませんね。

雷は自然の力なので、とても大きなエネルギーを持っています。

雷の怖いところ

雷に直接打たれる「直撃雷」は、とても危険です。

大きな電流が体の中を流れると、心臓や呼吸が止まってしまったり、大きやけどを負ったりする可能性があります。

また、近くの木や建物に落ちた雷の一部が、人に飛び移ってくる「側撃雷」というものもあります。

他にも、地面に落ちた雷の電気が地面を伝わって影響したり、金属のものを伝って感電したりすることもあるので、注意が必要です。

もしもの時のために

雷が鳴り始めたら、できるだけ早く安全な場所に避難することが大切です。

一般的には、鉄筋コンクリートの建物の中や、自動車(オープンカーは除きます)の中などが、比較的安全だと言われています。

逆に、木のそばや、周りに何もない開けた場所、ゴルフ場や海岸、屋外のプールなどは危険な場所とされています。

傘や釣り竿、ゴルフクラブといった金属製の長いものは、雷を呼び寄せやすいとも言われているので、雷が鳴っているときは使わない方が良いかもしれません。

もし、どうしても周りに安全な建物がない場合は、できるだけ体を低くして、両足をそろえてしゃがみ、頭を下げて雷が通り過ぎるのを待つ、という方法も紹介されていますが、これは本当に最後の手段です。

基本的には、建物の中に避難することを第一に考えてくださいね。

「雷が鳴ったらおへそを隠す」ってホント?昔ながらの言い伝え

「雷が鳴ったら、おへそを隠しなさい!」 小さい頃に、おじいちゃんやおばあちゃんから言われたことがある人もいるのではないでしょうか。

この言い伝え、どうして生まれたんでしょうね?

言い伝えの背景にあるもの

一説には、「雷様がおへそを取りに来る」という、ちょっと怖いお話で、子どもたちに雷の危険を教えて、早く家の中に入るように促すためだった、とも言われています。

昔の人の知恵だったのかもしれませんね。

また、雷が鳴るような天気だと、急に気温が下がることがあります。

だから、「お腹を冷やさないように」という健康への配慮から生まれた、という説もあるようです。

科学的に見るとどうなの?

実を言うと、科学的には、おへそを隠すことで雷の危険を避けられるという根拠は、今のところ見つかっていません。

雷は、高いところに落ちやすい性質がありますが、人の体の一部を狙って落ちてくるわけではないんです。

大切なのは、昔からの言い伝えに頼るだけではなく、今の科学で分かっていることに基づいて、安全な行動をとることですね。

雷が近づいてきたな、と感じたら、ためらわずに安全な建物の中などに避難しましょう。

まとめ 自然のすごさと、上手につきあうために

ピカッ!ゴロゴロ! 雷は、見ていると迫力があって、時には少し怖い自然現象ですよね。

でも、どうして音が鳴るのか、どうして稲妻はギザギザなのか、その仕組みを知ると、少し雷の見方が変わるかもしれません。

雷の音は、稲妻が空気の温度を急上昇させて、空気がびっくりして膨らむときの音。

稲妻のギザギザは、電気が空気の中を一生懸命進もうとした結果の形。

雷はとても大きな力を持っているので、危険も伴います。

ですが、正しい知識を持って、早めに安全な場所に避難すれば、そのリスクをぐっと減らすことができます。

昔からの言い伝えには、当時の人々の生活の知恵や、自然への敬意が込められていることもあります。

それも大切にしつつ、現代の私たちが持っている科学の知識も活かして、自然と上手に付き合っていけるといいですね。

この記事が、皆さんの雷に対する「なぜ?」を少しでも解消して、自然の面白さや奥深さを感じるきっかけになったら嬉しいです。

【免責事項】
本記事に掲載されている情報は、一般的な知識に基づいて作成されており、その正確性や安全性を保証するものではありません。
雷に関する対応や避難行動については、気象庁や自治体などが発表する最新の情報を必ずご確認ください。
万が一、本記事の情報に基づいて行動された結果、何らかの損害や不利益が生じた場合でも、当方では一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
本記事に掲載されている画像は、あくまで説明のためのイメージです。細部や状況が実際と異なることがありますので、ご留意ください。

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