ちくわに穴が開いているのはなぜ?筒状になった理由と名前の由来を解説

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ちくわは、中央にまっすぐな穴が開いた筒状の練り物です。普段から見慣れている食べ物ですが、「なぜわざわざ穴を開けているのだろう」と疑問に思いますよね。

チーズやきゅうりを詰めて食べることもあるため、食材を入れるための穴にも見えます。しかし、ちくわの穴は料理に利用する目的で後からくり抜いたものではありません。

結論からいうと、ちくわの穴は、魚のすり身を棒や串に巻き付けて加熱し、完成後に棒を抜くことでできます。ちくわが筒状になった理由や製造方法、「竹輪」という名前の由来、かまぼことの違いまで順番に紹介します。

目次

ちくわに穴が開いているのはなぜ?

ちくわに穴が開いているのは、製造するときに魚のすり身を棒や串に巻き付けるためです。

棒に巻いた状態ですり身を加熱し、焼き上がってから棒を引き抜くと、棒が通っていた部分が空洞として残ります。ちくわの中央を完成後にくり抜いているわけではありません。

Umiosの工場で行われている製造工程でも、練った魚肉をステンレス製の串に巻き付けて成形し、加熱後に串から機械的に引き抜く流れが紹介されています。

ちくわの穴ができる流れ

ちくわの穴ができるまでを簡単に表すと、次のようになります。

  1. 魚のすり身を練る
  2. 練ったすり身を棒や串に巻き付ける
  3. 棒に付けたまま加熱する
  4. 固まったちくわから棒を抜く
  5. 棒があった部分に穴が残る

つまり、ちくわは「穴を開けた食品」ではなく、棒の周囲で魚のすり身を固めた食品です。

穴は食材を詰めるために作られたものではない

ちくわの穴には、チーズやきゅうり、明太子、野菜などを詰められます。

ただし、公式に紹介されている製造工程を見ると、穴ができる直接的な理由は、すり身を串に巻いて成形することです。食材を詰めるために、完成したちくわへ穴を開けているわけではありません。

現在では穴の形を生かした料理が数多く作られていますが、料理への使いやすさは、製造方法から生まれた形を活用したものといえます。

穴は火を通しやすくするためにある?

中央に空洞があるため、「火を通しやすくする目的で穴を開けているのでは」と考える人もいるかもしれません。

しかし、公式の製造工程で説明されている穴の直接的な理由は、串にすり身を巻き付ける成形方法です。加熱効率や保存性を高めるために、完成後に穴を開けているとは説明されていません。

棒に巻いた状態で加熱されるため、結果として中央に穴が残ると考えるのが適切です。

ちくわの製造方法

ちくわは、魚の身をそのまま棒に巻いているわけではありません。

魚肉をすりつぶし、食塩や調味料などを加えて練った「すり身」を成形して作ります。農林水産省は、かまぼこやちくわなどの練り物について、魚肉に食塩を加えてすりつぶし、必要な材料を混ぜて成形したあと、加熱して固める食品と紹介しています。

一般的な焼きちくわの製造工程は次のとおりです。

工程主な作業
すり身を練る魚のすり身に食塩や調味料などを加える
棒に巻く練ったすり身を棒や金属製の串に巻き付ける
成形する太さや長さを整えて筒状にする
加熱する棒に付けたまま温め、表面を焼く
棒を抜く固まったちくわを串から引き抜く
冷却する加熱後のちくわを冷やす
包装・検品する重量や異物の有無などを確認して出荷する

商品やメーカーによって、使用する魚、調味料、加熱方法、焼き色などは異なります。

魚のすり身に食塩や調味料を加える

最初に、原料となる魚のすり身へ食塩や調味料などを加え、よく練ります。

Umiosの製造工程では、冷凍すり身に食塩を加えて攪拌し、魚肉のタンパク質を溶かすことで、ちくわ特有の弾力ある食感を引き出すと説明されています。

練り物に広く使われる魚としてはスケトウダラが知られていますが、ちくわにはホッケ、アジ、シログチ、タチウオ、ハモなど、さまざまな魚が使われます。

練ったすり身を棒に巻き付ける

練り上がったすり身は、棒や串の周囲に巻き付けて成形されます。

現在の工場では、ステンレス製の串を使用する例があります。成形機で串にすり身を巻き付けるため、加熱前の段階ですでに中央には串が通っています。

柔らかいすり身を串の周囲に付けることで、筒状の形を作ったまま加熱できます。

棒に付けたまま加熱する

成形されたすり身は、串に付けたまま加熱されます。

Umiosの工場では、最初に「坐り」と呼ばれる工程で、串に巻かれたすり身を数分から十数分かけて温めます。その後、一気にあぶり焼きにして、弾力と焼き色を付けています。

加熱によって魚肉のすり身が固まるため、串を抜いたあとも筒状の形が崩れにくくなります。

焼き上がったあとに棒を抜く

加熱が終わったら、ちくわを串から引き抜きます。

串のあった部分にはすり身が付いていないため、そのまま丸い空洞が残ります。これが、ちくわに穴が開いている直接的な理由です。

串を抜いたちくわは冷却され、包装や重量確認、金属検出などの検品を経て出荷されます。

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ちくわはなぜ棒に巻いて作るの?

ちくわを棒に巻いて作るのは、やわらかい魚のすり身を筒状に成形し、その形を保ったまま加熱する昔ながらの製法だからです。

製造工程を見ると、棒や串はすり身を筒状に整える中心の芯として使われています。串に巻いたすり身を加熱して固めたあと、串を抜くことで現在のちくわの形が完成します。

筒状にするための芯になる

加熱前のすり身は柔らかいため、そのままでは細長い筒状に整えるのが難しくなります。

棒の周囲にすり身を付ければ、中心を空洞にした状態で太さや長さを整えられます。加熱後はすり身が固まるため、棒を抜いても筒状の形が残ります。

ちくわの穴は、棒を芯にして成形したことを示す跡ともいえるでしょう。

昔は本物の竹を使っていた

現在の工場では金属製の串も使われていますが、昔のちくわやかまぼこは、竹の棒や竹管に魚のすり身を付けて焼いていました。

農林水産省も、ちくわについて、魚のすり身を竹や金属の柱に付けて焼き上げる練り製品と紹介しています。

一正蒲鉾の歴史解説でも、古いかまぼこは、すりつぶした魚肉を竹の管に塗り付けて焼いたものだったと説明されています。

「竹輪」という漢字は見た目を表しているだけでなく、実際に竹を使って作られていた歴史ともつながっています。

ちくわの穴に特別な役割はある?

ちくわの穴は製造工程から生まれたものですが、完成後は料理や保存などに利用されてきました。

現在では、穴へ食材を詰めたり、串を通したりできるため、調理しやすい形として親しまれています。

チーズや野菜を詰められる

ちくわの穴には、きゅうり、チーズ、明太子、ウインナー、野菜などを詰められます。

丸ごと食材を通して輪切りにすると断面がきれいに見え、お弁当のおかずやおつまみにも使いやすくなります。

ただし、こうした使い方は、棒を抜くことで生まれた穴を料理に生かしたものです。

昔は穴に塩を詰めた例もある

農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」では、ちくわの穴に塩を詰め、さらに周囲を塩で覆ったものを保存食として山間部へ運んだ記録が紹介されています。

穴は製造のために生まれたものですが、その形を利用して食材や塩を入れる工夫は古くから行われていたことが分かります。

「ちくわ」という名前の由来

ちくわは漢字で「竹輪」と書きます。

一般的には、ちくわを輪切りにした断面が、竹を横向きに切ったときの輪に似ていることが名前の由来とされています。

一正蒲鉾の解説でも、古くからあった筒状の練り物は、切り口が竹の輪に似ていたため「ちくわ」と名付けられたと紹介されています。

断面が竹の輪に似ていた

ちくわを横向きに切ると、中央に丸い穴があり、その周りを魚のすり身が囲んでいます。

この断面が、中が空洞になった竹の切り口に似ていることから、「竹」と「輪」を組み合わせた「竹輪」という名前になったと考えられています。

製造に竹を使っていた歴史と、輪切りにしたときの見た目の両方が、「竹輪」という名前に結び付いています。

昔のちくわは「かまぼこ」と呼ばれていた

現在では、筒状で穴のあるものを「ちくわ」、板に付いた半円状のものを「かまぼこ」と呼ぶのが一般的です。

しかし、かまぼこの最初の形は、現在の焼きちくわに近いものでした。

紀文食品によると、古い時代のかまぼこは、竹にすり身を付けて焼いた現在のちくわ状の食品で、板の上で成形されるようになったのは安土桃山時代以降とされています。

その後、板付きのものが「かまぼこ」と呼ばれるようになり、以前からあった筒状のものは、切り口の形から「竹輪」と呼び分けられるようになったと伝えられています。

「かまぼこ」の名前は蒲の穂に由来する

棒に魚のすり身を付けた昔のかまぼこは、植物の蒲の穂に似た細長い形をしていました。

この姿から「蒲鉾」と呼ばれるようになったという説があります。日本かまぼこ協会も、竹の棒にすり身を巻いて焼いた姿が蒲の穂に似ていたことから、蒲鉾と呼ばれたと紹介しています。

名称の移り変わりを簡単にまとめると、次のようになります。

  1. 竹に魚のすり身を付けて焼く食品が作られる
  2. 蒲の穂に似ていたため「かまぼこ」と呼ばれる
  3. 板にすり身を付ける板かまぼこが登場する
  4. 板付きのものが「かまぼこ」と呼ばれるようになる
  5. 筒状のものは「竹輪」と呼び分けられる

ちくわとかまぼこは、もともと深いつながりを持つ練り製品です。

ちくわとかまぼこの違い

ちくわとかまぼこは、どちらも魚のすり身を成形し、加熱して固めた魚肉練り製品です。

主な違いは、すり身の成形方法と完成した形にあります。

比較項目ちくわ一般的な板かまぼこ
主な形中央に穴がある筒状板に載った半円状
成形方法棒や串にすり身を巻く板の上にすり身を盛る
棒を抜いた部分に残る通常は開いていない
加熱方法焼く方法が代表的蒸す方法が代表的
歴史古いかまぼこに近い形後から広まった形

農林水産省によると、かまぼことちくわはいずれも、魚肉へ食塩などを加えてすりつぶし、成形後に加熱して固める食品です。地域や商品によって、あぶる、ゆでる、蒸す、揚げるなど、さまざまな加熱方法があります。

原料ではなく形や作り方が大きく違う

ちくわとかまぼこは、使用する魚によって完全に分けられているわけではありません。

スケトウダラやシログチなど、同じ種類の魚がちくわとかまぼこの両方に使われることもあります。

両者の違いを知るうえでは、魚の種類よりも、棒に巻くか板に盛るか、どのような形に成形するかを見ると分かりやすくなります。

ちくわも広い意味ではかまぼこの仲間

日本かまぼこ協会では、魚肉を原料とした練り製品を広く「かまぼこ」の仲間として紹介しています。

板かまぼこだけでなく、ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、つみれ、伊達巻なども、魚肉をすりつぶして成形し、加熱して作る練り製品です。

現在はそれぞれ別の商品名で販売されていますが、基本的な原料や製造原理には共通点があります。

ちくわはすべて焼いて作るの?

一般的なちくわは表面を焼いて作りますが、地域や種類によっては蒸したり、ゆでたりする製品もあります。

農林水産省は、練り物の加熱方法として、あぶる、ゆでる、蒸す、蒸して焼く、揚げるなどを挙げています。

生ちくわ

生ちくわは、主にそのまま食べることを想定したちくわです。

「生」という名前でも、生の魚肉を加熱せずに固めた食品という意味ではありません。紀文食品は、中央に濃い焼き色があり、端が白く、主に生食に用いられるものを「生ちくわ」と分類しています。

ここでいう生食は、購入後に煮たり焼いたりせず、そのまま食べることを指します。

焼きちくわ

焼きちくわは、巻き付けたすり身を膨らませながら焼き上げた、比較的大きめのちくわです。

主に煮物やおでんの具として使われます。紀文食品では、ちくわを生ちくわと焼きちくわの大きく2種類に分けています。

商品によって食感や焼き方、向いている料理が異なるため、パッケージの表示に合わせて使い分けられます。

ちくわの穴に関するよくある質問

ちくわの穴や製造方法について、疑問になりやすい点を紹介します。

ちくわの穴は機械でくり抜いているのですか?

ちくわの穴を、完成後に機械でくり抜いているわけではありません。

魚のすり身を串に巻き付けて加熱し、焼き上がったあとに串を引き抜くことで、中央に穴が残ります。

ちくわの穴は何のためにあるのですか?

穴そのものを作ることが主な目的ではなく、すり身を棒に巻いて成形した結果として残る空洞です。

現在では食材を詰めたり串を通したりできますが、穴ができる直接的な理由は製造方法にあります。

ちくわはなぜ筒状なのですか?

棒や串の周囲に魚のすり身を巻き付け、その状態で加熱するからです。

加熱によってすり身が固まり、棒を抜いたあとも筒状の形が残ります。

今でも竹に巻いて作っているのですか?

製品やメーカーによって異なります。

昔は竹の棒や竹管にすり身を付けていましたが、現在の工場ではステンレス製の串を使う例があります。

生ちくわは加熱されていないのですか?

生ちくわも、製造工程で加熱された練り製品です。

「生ちくわ」の「生」は、主に追加加熱せず、そのまま食べる用途を表しています。紀文食品は、主に生食に使われるものを生ちくわ、煮物やおでんに使われるものを焼きちくわと分類しています。

ちくわとかまぼこは同じ食べ物ですか?

同じ商品ではありませんが、どちらも魚のすり身を使った練り製品です。

一般的なちくわは棒に巻いて筒状に成形し、板かまぼこは板の上にすり身を盛って成形します。歴史的には、現在のちくわに近い形が、かまぼこの原型とされています。

穴がないちくわはありますか?

一般的なちくわは、棒や串にすり身を巻き付けて作るため、中央に穴があります。

穴がなく、成形方法も異なる魚肉練り製品は、かまぼこ、つみれ、はんぺん、さつま揚げなど、別の名称で販売されるのが一般的です。

ちくわに穴が開いている理由まとめ

  • ちくわの穴は、魚のすり身を棒や串に巻いて作ることで生まれる
  • 完成後に棒を抜くと、棒があった部分が空洞として残る
  • ちくわの中央を完成後にくり抜いているわけではない
  • 食材を詰めるために穴を開けているわけではない
  • 棒や串は、柔らかいすり身を筒状に成形するときの芯になる
  • 昔は竹の棒や竹管にすり身を付けて焼いていた
  • 現在の工場ではステンレス製の串を使う場合がある
  • 「竹輪」という名前は、切り口が竹の輪に似ていることが由来とされる
  • 初期のかまぼこは、現在の焼きちくわに近い形だった
  • 板付きかまぼこの登場後、筒状のものが「ちくわ」と呼び分けられた
  • ちくわとかまぼこは、成形方法や完成した形が異なる練り製品
  • 生ちくわも製造時に加熱されており、主にそのまま食べるちくわを指す

ちくわの穴は、食材を詰めるために考案されたものではなく、魚のすり身を棒に巻いて加熱する製造方法から生まれたものです。

次にちくわを食べるときは輪切りにした断面にも注目すると、「竹輪」という名前が付いた理由をより実感できるでしょう。

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