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スーパーなどで売られているかまぼこを見ると、多くの商品が木の板に載っています。食べるときには外してしまうため、「なぜ最初から板なしで作らないのだろう」と疑問に感じますよね。
かまぼこの板は、見た目を整えるための飾りではありません。加熱前の柔らかいすり身を支えるだけでなく、製造工程で扱いやすくし、完成後は余分な水分を吸収しておいしさを保つ役割があります。紀文食品も、すり身の形崩れを防ぎ、板が余分な水分を吸収することを、板に載せる理由として説明しています。
この記事では、かまぼこに板が付いている理由と木の板が果たす3つの役割を紹介します。完成後も板を外さずに販売する理由、板かまぼこの作り方、板なし商品との違い、板からきれいに外す方法も見ていきましょう。
かまぼこに板が付いているのはなぜ?3つの役割
結論からいうと、かまぼこに板が付いているのは、柔らかいすり身の形を支え、製造工程で扱いやすくし、完成後の水分を調整するためです。
木の板は、かまぼこが完成するまでの土台として使われるだけではありません。商品として包装されたあとも、水分や形を保つ役割が続きます。
| かまぼこ板の役割 | 内容 |
|---|---|
| 形を支える | 柔らかいすり身が崩れたり広がったりするのを防ぐ |
| 製造しやすくする | 成形したすり身を板ごと加熱・冷却できる |
| 水分を調整する | 余分な水分を吸収し、食感やおいしさを保つ |
役割1.柔らかいすり身の形を支える
加熱する前のかまぼこのすり身は、完成品のように弾力があるわけではなく、柔らかく形が崩れやすい状態です。
柔らかいすり身をそのまま蒸したり焼いたりすると、横へ広がったり、形が変わったりする可能性があります。そこで木の板を土台にして、すり身を半円形に盛り付けます。
紀文食品の公式FAQでは、かまぼこに使うすり身は柔らかいため、崩れないように板の上に載せて作られると説明されています。
普段目にする板かまぼこの整った形は、木の板によって下から支えられているのです。
役割2.成形から加熱まで扱いやすくする
かまぼこ板は、製造工程で柔らかいすり身を運ぶための土台にもなります。
一般的な板かまぼこは、魚肉をすりつぶして塩や調味料などを加えたあと、完成したすり身を木の板に盛り付けます。その状態で形を整え、板に載せたまま蒸して加熱します。鈴廣かまぼこが公開している製造工程でも、すり身を板に付けて成形し、せいろで蒸したあとに冷却する流れが紹介されています。
板がなければ、柔らかいすり身そのものを持って移動しなければなりません。板に載せることで形を崩さずに扱いやすくなり、成形から加熱、冷却まで進められます。
つまり、かまぼこ板は完成後の台座であると同時に、製造中のトレーのような役割も果たしています。
役割3.余分な水分を吸収しておいしさを保つ
木の板には、かまぼこから出る余分な水分を吸収する役割があります。
かまぼこの水分が多すぎると、表面が水っぽくなったり、品質を保ちにくくなったりします。紀文食品は、板が余分な水分を吸収して、かまぼこのおいしさを保つと説明しています。
鈴廣かまぼこも、木の板が余分な水分を吸収することで、カビや細菌が増えやすい状態を生じにくくし、保存性を補っていると紹介しています。
木の板は水分を一方的に吸い続けるだけではありません。板がかまぼこの水分を吸収したり、含んでいる水分を放出したりすることで、みずみずしさを保ちやすくなるとメーカーは説明しています。
ただし、板に防腐剤が染み込ませてあるわけではなく、板が付いていれば常温で長く保存できるという意味でもありません。市販のかまぼこは、パッケージに記載された保存方法に従って保管する必要があります。
なぜ完成後も板を外さずに販売するの?
かまぼこを作るときに板が必要だとしても、「完成したあとに板を外して売ればよいのでは」と思うかもしれません。
完成後も板を付けたまま販売する主な理由は、板の役割が加熱後も続くためです。
保存中も水分を調整するから
かまぼこ板は、製造時にすり身を支えるだけでなく、完成後も余分な水分を吸収します。
そのため、製造後すぐに板を外してしまうよりも、板に載せた状態で包装した方が、みずみずしさや食感を保ちやすくなります。
鈴廣かまぼこでは、冷蔵庫で保存するときも板に付けたままにする方法を案内しています。板によって水分が調整され、おいしさを保ちやすくなるためです。
形を支えたまま扱えるから
板に載った状態であれば、加熱後のかまぼこを冷却したり、包装したりするときにも扱いやすくなります。
また、商品を運ぶ際にも板が下から支える土台になります。板が付いた形のまま包装・販売することで、消費者が食べる直前まで整った形を保ちやすくなります。
このように、かまぼこ板は作るときだけ必要なものではありません。製造から販売、家庭での保存まで、継続してかまぼこを支えています。
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板かまぼことは?
板かまぼことは、調味した魚のすり身を木の板に盛り付け、蒸したり焼いたりして作るかまぼこです。
一般的に「かまぼこ」と聞いて思い浮かべる、紅白や白色の半円形の商品が板かまぼこに当たります。
日本かまぼこ協会の製品図鑑では、蒸板かまぼこを「板に調味すり身を盛り付けたあと、蒸し上げたもの」と紹介しています。全国で作られており、小田原かまぼこも代表的な蒸板かまぼこのひとつです。
蒸板かまぼこ
蒸板かまぼこは、板に盛り付けたすり身を蒸気で加熱して作ります。
蒸すことで魚肉のたんぱく質が固まり、しなやかで歯切れのよい弾力が生まれます。かまぼこの弾力は「あし」と呼ばれ、おいしさを左右する特徴のひとつです。
蒸焼かまぼこ
蒸し上げたあとに表面を焼くものは、蒸焼かまぼこと呼ばれます。
表面に焼き色が付き、香ばしさを感じられるのが特徴です。地域によって、蒸したまま仕上げるものと、蒸したあとに焼くものがあります。日本かまぼこ協会では、関東では蒸したもの、関西では表面を焼いたものが好まれてきた歴史を紹介しています。
焼き抜きかまぼこ
焼き抜きかまぼこは、板の下や周囲から熱を加えて焼き上げるかまぼこです。
同じ板付きの商品でも、蒸す、蒸してから焼く、焼き抜くなど、地域やメーカーによって加熱方法が異なります。
かまぼこはどのように板へ載せて作られる?
板かまぼこは、おおむね次のような流れで作られます。
- 魚から皮や骨を取り除く
- 魚肉を水にさらす
- 水分を絞って魚肉をすりつぶす
- 塩や調味料を加えて練る
- すり身を木の板に盛り付ける
- 半円形に形を整える
- 蒸す、または焼く方法で加熱する
- 冷却して包装する
魚肉を水にさらす工程では、血液や脂などの余分な成分を取り除きます。その後、水分を絞った魚肉に塩や調味料を加え、なめらかなすり身に仕上げます。完成したすり身を板に付けて成形し、蒸してから冷却するのが基本的な流れです。
魚肉に塩を加えて練り、加熱すると、かまぼこ特有の弾力が生まれます。板は、その弾力が生まれる前の柔らかいすり身を支える重要な土台です。
現在は機械を使って板に盛り付ける商品もありますが、職人が専用の道具を使い、手作業で形を整える製品も作られています。
かまぼこの板が木で作られている理由
かまぼこ板には、金属やプラスチックではなく、主に木材が使われています。
木が選ばれる大きな理由は、水分を吸収したり放出したりする性質があるためです。
プラスチックにはない水分調整の働きがある
プラスチックも形を支える土台にはなりますが、木のように水分を吸収できません。
かまぼことプラスチック板の間に水分が出ても、その水分は板に吸収されず、その場に残りやすくなります。一方、木の板は余分な水分を吸収し、かまぼこの状態を保つ働きをします。
鈴廣かまぼこも、プラスチックなどとは異なり、木製の板がかまぼこの余分な水分を吸い取ることを説明しています。
かまぼこ板に適した木の条件
かまぼこ板であれば、どのような木材でもよいわけではありません。
かまぼこ板には、主に次のような特徴が求められます。
| 必要な特徴 | 理由 |
|---|---|
| 色が白い | 白いかまぼこの見た目を損なわないため |
| 節が少ない | 表面を滑らかに加工しやすいため |
| 香りが強すぎない | かまぼこに木のにおいを移さないため |
| 加熱しても反りにくい | 蒸す工程で形が変わりにくくするため |
| 水分を調整できる | 余分な水分を吸収するため |
鈴廣かまぼこでは、板に適した条件として「白くて節がない」「身ににおいが移らない」「蒸しても反らない」という3点を挙げています。
主役はあくまでもかまぼこです。木の色や香りがかまぼこに移らず、加熱しても安定している材料が選ばれています。
かまぼこの板には何の木が使われている?
かまぼこ板に使用される代表的な木材は、モミやシラベです。
メーカーや地域、商品の製造方法によっては、杉、シナ、シラビ、トウヒなどが使われる場合もあります。
モミ
モミは色が白く、節や香りが比較的少ない木材です。
白いかまぼこの見た目や風味を損ないにくく、蒸したときに反りにくいことから、かまぼこ板の代表的な材料として利用されています。
鈴廣かまぼこでは、自社のかまぼこ板にモミの木を使用していると紹介しています。
シラベ・シラビ
シラベやシラビも、色や香りが穏やかで、かまぼこ板に適した木材です。
モミと同様に、水分を調整しやすく、かまぼこの風味に影響を与えにくい特徴があります。鈴廣かまぼこは、板に使用する代表的な木としてモミとシラベを挙げています。
杉
杉を使用したかまぼこ板もあります。
かつては白いモミ材が多く利用されてきましたが、国産材の活用などを目的として、杉をかまぼこ板へ利用する取り組みも行われています。
木の種類は商品ごとに異なるため、すべてのかまぼこ板がモミで作られているわけではありません。
板かまぼこと板なし商品の違い
かまぼこには、木の板に載った商品だけでなく、板を使用しない商品もあります。
板があるかどうかは、品質の優劣ではなく、主に成形方法や商品の種類、加熱方法の違いです。
| 比較項目 | 板かまぼこ | 板なしのかまぼこ |
|---|---|---|
| 成形方法 | 木の板にすり身を盛り付ける | 巻く、型に入れる、直接成形するなど |
| 形 | 半円形が中心 | 笹形、筒形、巻物などさまざま |
| 製造時の支え | 木の板が土台になる | 包装材や別の素材、成形方法を使う |
| 水分調整 | 木の板が余分な水分を吸収する | 包装や保存方法によって品質を保つ |
| 食後 | 木の板が残る | 木の板は残らない |
板なしだから品質が低いわけではない
板を使わない商品であっても、かまぼこであることに変わりはありません。
たとえば、日本かまぼこ協会が紹介する「簀巻かまぼこ」は、麦わらなどで巻いて作る板なしの蒸しかまぼこです。
笹かまぼこや巻きかまぼこなども、一般的な半円形の板かまぼことは異なる形や方法で作られています。
味や品質は、板の有無だけで決まるものではありません。使用する魚の種類やすり身の配合、調味、加熱方法などによって、風味や弾力は変わります。
板かまぼこは水分調整に木を利用している
板かまぼこの大きな特徴は、木の板が製造時の土台と保存時の水分調整という、2つの役割を担っていることです。
一方、板なしの商品は、製品の形や製法に合った別の方法で成形・包装されます。
「板付きの方がおいしい」「板なしの方が新しい」と単純に分けるのではなく、それぞれ異なる作り方をしたかまぼこと考えるとよいでしょう。
かまぼこを板からきれいに外す方法
かまぼこを板から外すとき、包丁の刃を使うと、板側にかまぼこの身が多く残ることがあります。
きれいに外すコツは、包丁の刃ではなく「背」または「峰」と呼ばれる部分を使うことです。
包丁の背を使った外し方
- かまぼこを板ごと縦に立てる
- かまぼこと板の境目に包丁の背を当てる
- 包丁の背を板へ軽く押し付ける
- 板に沿わせながら下へ動かす
- 反対側までゆっくり進める
紀文食品では、かまぼこを立てて身と板の間に包丁の背を当て、下向きに動かす方法を紹介しています。刃ではなく厚みのある背を使うことで、身を板に残さず外しやすくなります。
包丁を強くかまぼこ側へ傾けると、身を削ってしまいます。板の表面を軽くなぞるように動かすのがポイントです。
包丁を扱う際は、板が滑らないよう安定した場所で作業してください。
かまぼこはいつ板から外す?
一度にすべて食べ切る場合は、食べる直前に板から外して問題ありません。
ただし、1本を数回に分けて食べる場合は、最初にすべて外すのではなく、食べる分だけ切り、残りを板に付けておく方法があります。
食べ切らない場合は板に付けたまま保存する
かまぼこを板に付けたまま保存すると、板が水分を調整し、みずみずしさを保ちやすくなります。
鈴廣かまぼこは、食べる分だけ切り、残りは板に付けたまま冷蔵庫で保存する方法を案内しています。紀文食品も、使い切れない場合は板に付けたまま保存し、なるべく早く食べるよう紹介しています。
保存するときは、切り口や全体が乾燥しないようにラップで包むか、密閉できる保存容器へ入れます。
なお、開封後はパッケージに記載された賞味期限にかかわらず、なるべく早めに食べる必要があります。
食べ終わったかまぼこ板は再利用できる?
食べ終わったかまぼこ板は、工作や小物作りの材料として再利用できます。
一定の大きさに加工された木材で、表面も比較的滑らかなため、家庭でも扱いやすい素材です。
かまぼこ板の主な再利用方法
- 絵を描いてミニキャンバスにする
- 名前を書いて表札やドアプレートにする
- 複数枚を組み合わせて小物入れを作る
- コースターにする
- 積み木やドミノとして遊ぶ
- 植物や料理のネームプレートにする
- 子どもの工作材料にする
- 写真やメモを飾る台にする
鈴廣かまぼこでは、かまぼこ板を使ったアート作品やおもちゃ、キッチン道具などの再利用方法を紹介しています。
再利用する前に洗って乾かす
工作などへ使う場合は、板の表面に残ったかまぼこを洗い落とし、十分に乾燥させます。
水分やかまぼこの身が残ったまま保管すると、においやカビが発生する原因になります。洗浄後は、風通しのよい場所で完全に乾かしてから使用してください。
板に割れやささくれがある場合は、子どもの工作や手に触れる用途を避けるか、紙やすりなどで表面を整える必要があります。
かまぼこの板に関するよくある質問
かまぼこの板は接着剤で付けているの?
一般的な板かまぼこは、完成したかまぼこを接着剤で板へ貼り付けているわけではありません。
粘りのあるすり身を木の板に盛り付け、そのまま加熱することで、かまぼこと板が密着します。包丁の背を境目に入れると外せるのは、接着剤で固定されていないためです。
かまぼこの板が濡れていても食べられる?
かまぼこの板が濡れていたり、身が板から少し剝がれたりする場合があります。
紀文食品と鈴廣かまぼこは、かまぼこの水分が多いと板が濡れたり身が剝がれやすくなったりするものの、それだけで品質に問題があるわけではないと案内しています。
ただし、異臭、変色、強いぬめり、包装の膨張など、普段と明らかに異なる状態がある場合は、食べずに商品の販売元へ確認してください。
かまぼこ板はプラスチックでは駄目なの?
プラスチックでも、柔らかいすり身を支える土台として使うことはできます。
ただし、プラスチックには木のように余分な水分を吸収する働きがありません。木の板には、形を支えることと水分を調整することを同時に行える利点があります。
かまぼこは全部板から外して保存してもよい?
全部外して保存することもできますが、食べ切らない分は板に付けたままの方が、みずみずしさを保ちやすくなります。
食べる分だけ切り、残りは板に付けたままラップや保存容器で覆って冷蔵してください。
かまぼこの板は何の木でできている?
代表的な木材は、モミやシラベです。
商品やメーカーによっては、杉、シナ、シラビ、トウヒなどが使われる場合もあります。すべてのかまぼこ板が同じ木材で作られているわけではありません。
板なしのかまぼこの方が品質は低い?
板なしだから品質が低いわけではありません。
板かまぼこ、簀巻かまぼこ、笹かまぼこなどは、成形方法や加熱方法、地域の食文化が異なります。品質や味は板の有無だけでなく、原料や製法によって変わります。
かまぼこを冷凍保存してもよい?
一般的な板かまぼこは、家庭用冷凍庫で冷凍すると、解凍後に水分が抜けて食感が変わることがあります。
紀文食品は、冷凍したかまぼこは解凍後にボソボソとした状態になり、元のしなやかな食感へ戻らないため、冷凍保存を勧めていません。
保存方法は商品によって異なる場合があるため、パッケージの表示も確認してください。
かまぼこに板が付いている理由のまとめ
- かまぼこの板は、見た目を整えるだけの飾りではない
- 加熱前の柔らかいすり身を支え、形崩れを防ぐ役割がある
- 板ごと移動できるため、成形から加熱、冷却まで扱いやすい
- 木の板が余分な水分を吸収し、食感やおいしさを保つ
- 板は水分を吸収・放出し、かまぼこのみずみずしさを保ちやすくする
- 完成後も水分調整の役割が続くため、板を付けたまま販売される
- 板かまぼことは、すり身を木の板に盛り付けて加熱したかまぼこ
- かまぼこ板には、モミやシラベ、杉などの木材が使われる
- 板なし商品は、板かまぼこと成形方法や商品の種類が異なる
- 板なしだから品質が低いわけではない
- 包丁の刃ではなく背を使うと、板からきれいに外しやすい
- 食べ切らない分は、板に付けたまま冷蔵保存するとよい
- 食べ終わった板は、工作や小物作りなどに再利用できる
かまぼこを食べるときは、木の板が製造中から家庭での保存まで、おいしさを支えていることにも注目してみてください。
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