雪の結晶はなぜ六角形?六本の枝ができる仕組みと気温・湿度による形の違い

雪の結晶が六角形になる理由と六本の枝の仕組み、気温・湿度による結晶の形の違いを示したイラスト

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雪の結晶が六角形を基本にするのは、水分子が氷になるときに六回対称の構造をつくるためです。その骨組みをもとに水蒸気が付着して成長するので、六本の枝を伸ばした星のような結晶ができます。

ただし、雪の結晶がすべてきれいな六角の星になるわけではありません。気温や空気中の水蒸気量によって、板状・柱状・針状・樹枝状などの姿になります。

雪の結晶はどうやって生まれる?

雲の中で水蒸気が氷の結晶へ変わる

雲の中には小さな水滴や水蒸気があります。十分に気温が低い条件で、氷晶の核になる微粒子などをきっかけに、気体の水蒸気が氷に取り込まれて結晶が成長していきます。雲の粒がただ凍ったものだけで雪ができると考えるのは正確ではありません。

水分子の並び方が六角形の基本を決める

水分子は酸素と水素からできており、氷になると水素結合によって規則正しく並びます。ふだん雪の結晶に現れる氷の結晶構造は六方晶で、上から見た基本的な対称性が六角形になります。米国海洋大気庁(NOAA)は、この分子配列が六本の枝や六角形の面に関係すると説明しています。

六つの角から枝が成長しやすい

結晶の表面に小さな突起ができると、そこに周囲の水蒸気が集まり、さらに成長することがあります。六角形の角が伸び続けると、木の枝のような形になります。枝の細かい模様は結晶が通ってきた空気の温度と湿度の変化を反映します。

雪の結晶は全部が六角の星型ではない

主な結晶の姿見た目成長条件との関係
板状結晶薄い六角板・星型温度や水蒸気量によって板方向に成長
柱状結晶六角柱や細い棒別の温度帯では高さ方向に成長しやすい
針状結晶細長い針特定の温度と湿度で細長く伸びる
樹枝状結晶六本の枝に細かい枝分かれ水蒸気が多い条件で複雑になりやすい
不規則な雪片結晶が絡み合う・形が崩れる落下中の衝突や融解、着氷などが影響

一つの氷晶が六回対称の骨組みを持っていても、実際に降る雪片は複数の結晶がくっつき、六角形に見えないことがあります。米国大気研究センター(UCAR)も、単独の結晶と複数の結晶が結びついた雪片を区別しています。

つまり雪の結晶(単独の氷晶)と、空から降る雪片(結晶の集まり)は必ずしも同じ形ではありません。肉眼で丸い雪に見えても、顕微鏡で構成する小さな氷晶の形を観察すると六方晶の特徴が見つかる場合があります。

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雪の結晶の形は気温と湿度でどう変わる?

雪の結晶は、育つ途中に出合う温度と水蒸気量によって、平たい板に成長することも、縦に伸びる柱になることもあります。一般に水蒸気が十分に供給されると枝分かれの複雑な形になりやすく、乾燥した空気では比較的単純な形になりやすいと説明されています。

気象庁は、南極の昭和基地周辺で大きな樹枝状結晶が成長する条件の例として、気温約マイナス15℃、湿度が高く風が弱い状況を挙げています。地上の気温がマイナス15℃なら必ず同じ結晶ができるという意味ではなく、結晶が育った雲の中の条件が重要です。

なぜ六本の枝は似た形になるの?

一つの結晶の六つの枝は、ほぼ同じ場所・同じ時間に同じ気温と湿度の変化を受けながら成長します。そのため、細かい枝分かれもよく似た対称的な模様になることがあります。しかし完全に一致しているとは限らず、実際には成長時のわずかな差が残ります。

NOAAは、結晶が落下しながら異なる空気の層を通ることで模様が変化すると説明しています。結晶一つひとつが異なる経路をたどるため、見た目も多様になります。

『同じ雪の結晶は二つとない』は本当?

自然の雪の結晶がまったく同じ経路・温湿度・分子配置をたどる確率は非常に小さいため、「二つと同じものがない」と説明されることがあります。ただし、形の単純な小さな結晶どうしが似て見えることはあり、全世界の雪を調べて厳密に証明したという意味ではありません。

雪と霜、霜柱は何が違う?

雪は雲の中で成長し、空から降ってくる氷の結晶や結晶の集まりです。霜は空気中の水蒸気が地表の冷えた物体に付いてできる氷で、霜柱は地中の水分が凍って伸びる現象です。似た氷でも、できる場所と水分の供給源が異なります。

地面から伸びる氷の仕組みについては、霜柱ができる理由と霜との違いで詳しく説明しています。雲との関係を知りたい場合は、霧と雲の違いも参考にしてください。

雪の結晶を見るときのコツ

雪がまだ溶けにくい寒い日に、暗い色の手袋や布などに雪を受けると、白い結晶の輪郭が見やすくなります。触ると体温で溶けるので、指で押さえないようにしましょう。写真に収める際は、冷たい場所で手早く観察してください。

屋外では道路の凍結、車両の通行、足元の滑りやすさに注意し、安全な場所で観察します。拡大写真のような六角の星を必ず肉眼で見つけられるわけではありません。

よくある質問

五角形や八角形の雪の結晶はある?

通常の氷晶の基本構造は六回対称で、五角形や八角形が基本の結晶ではありません。ただし、結晶の重なりや破損、不規則な成長によって六角形に見えない雪片はあります。

雪の結晶が大きくなると六角形は消える?

大きく育つ過程で枝が複雑に伸びたり、複数の結晶が集まったりすると、輪郭が単純な六角形ではなくなります。六方晶の基本構造が失われたという意味とは限りません。

雪はなぜ白く見える?

氷の結晶一つひとつは光を通しますが、雪片の内部にある多数の氷と空気の境界で光がさまざまな方向に散乱されるため、積もった雪は白く見えます。気象庁も、透明な小さな結晶が重なることで白く見えると解説しています。

参考にした公的・研究機関の資料

確認日:2026年11月7日。NOAA・雪の結晶ができる仕組み、気象庁・雪の生成と色、NOAA/NESDIS・雪の結晶の成長、UCAR・Snowflakes、気象庁・昭和基地での雪の結晶。

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