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車の後ろの窓を見ると、茶色や黒色の細い横線が何本も並んでいます。汚れや傷のようにも見えますが、多くの場合はリアガラスの曇りや霜を取るための「電熱線」です。
スイッチを入れると横線に電気が流れ、発生した熱でリアガラスを暖めます。ただし、車種によってはラジオやテレビの電波を受信するアンテナ線がガラスに組み込まれていることもあります。
この記事では、車の後ろの窓にある横線の正体、熱線で曇りや霜を取る仕組み、デフォッガーの使い方、アンテナとの見分け方、掃除や故障時の注意点を紹介します。
車の後ろの窓にある横線は何?
結論からいうと、車の後ろの窓に並んでいる横線の多くは、リアガラスの曇りや霜を取るための電熱線です。
電熱線を使ってリアガラスを暖める装置は、一般的に次のような名前で呼ばれています。
| 呼び方 | 主な意味 |
|---|---|
| リアデフォッガー | リアガラスの曇りを取る装置 |
| リアデフロスター | リアガラスの霜や凍結を取る装置 |
| リアウインドウデフォッガー | メーカーの取扱説明書で使われる名称の一例 |
| 熱線・電熱線 | ガラスに付けられた発熱する線 |
メーカーや車種によって名称は異なりますが、リアガラスを暖めて後方の視界を確保するという基本的な役割は同じです。
横線の主な役割はリアガラスの曇り取り
雨の日や冬の寒い日は、車内と車外の温度差や、乗員の呼吸などによって発生した湿気で窓が曇りやすくなります。
リアガラスが曇ると、ルームミラーから後方を確認しにくくなります。そこで、リアガラスに付けられた電熱線を暖め、ガラス表面に付着した水分を蒸発させます。
薄い霜が付いている場合も、熱線によってガラスを暖めることで、少しずつ溶かすことができます。
横線が茶色や黒色に見える理由
リアガラスの横線には、電気を通す導電性の材料が使われています。
透明なガラスの内側に細い線が並んでいるため、見る角度や光の当たり方によって、茶色、赤茶色、黒色などに見えることがあります。
最初から車の機能として付けられているため、汚れだと思って削ったり、強くこすったりしてはいけません。
車には、見た目の色にも機能上の理由が隠れている部品があります。たとえば、タイヤが黒いのも単なるデザインではなく、耐久性などを高める素材が使われているためです。詳しくは「車のタイヤはなぜ黒い?黒以外の色の可能性と寿命の秘密を解き明かす」で解説しています。
デフォッガーとはリアガラスの曇りを取る装置
デフォッガーとは、窓ガラスに付いた曇りを取り除くための装置です。
リアガラスでは、ガラスに付けられた電熱線へ電気を流し、発生した熱で曇りを取り除く方式が広く使われています。
「デフォッガー」と「デフロスター」は似た言葉ですが、一般的には次のような意味があります。
| 名称 | 一般的な意味 |
|---|---|
| デフォッガー | 曇りを取る装置 |
| デフロスター | 霜や凍結を取る装置 |
ただし、自動車では厳密に使い分けられていない場合があります。メーカーによって「リアデフォッガー」「リアデフロスター」など呼び方が異なりますが、リアガラスを暖める機能を指していることがほとんどです。
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リアガラスの熱線はどのような仕組み?
リアガラスの熱線は、電気抵抗によって熱が発生する仕組みを利用しています。
デフォッガーのスイッチを押すと、リアガラスに付けられた細い電熱線へ電流が流れます。電流が流れると線が発熱し、その熱が周囲のガラスへ伝わります。
基本的な流れは次のとおりです。
- リアデフォッガーのスイッチを押す
- リアガラスの電熱線に電気が流れる
- 電熱線が発熱する
- 周囲のガラスが徐々に暖まる
- ガラス表面の曇りや薄い霜が取れる
スイッチを入れた直後に、横線の周辺から帯状に曇りが消えていくのは、電熱線に近い部分から先に暖まるためです。
フロントガラスのように温風を当てる方式ではない
フロントガラスの曇り取りでは、エアコンの吹き出し口から温風や除湿された風を当てる方法が一般的です。
一方、リアガラスにはフロントガラスのように強い風を直接当てる吹き出し口がない車が多いため、ガラスに付けられた電熱線を使って直接暖めます。
そのため、リアデフォッガーはエアコンとは別の専用スイッチで操作する車が一般的です。
厚い雪や氷をすべて溶かす装置ではない
リアデフォッガーは、主に曇りや薄い霜を取るための装置です。
リアガラスに厚く雪が積もっている場合や、氷が厚く張り付いている場合は、熱線だけですべてを溶かそうとすると時間がかかります。
ガラスを傷つけない雪下ろし用品などで雪を取り除いてから使用すると、曇りや霜が取れやすくなります。
リアデフォッガーのスイッチはどれ?
リアデフォッガーのスイッチには、四角形や台形の中に、上向きの波線が3本ほど描かれたマークが使われています。
フロントガラスのデフロスターにも似たマークが使われますが、外側のガラスの形で見分けられます。
| スイッチ | マークの特徴 | 主な役割 |
|---|---|---|
| フロントデフロスター | 扇形に近いフロントガラスの形 | 風を当てて前面の曇りや霜を取る |
| リアデフォッガー | 四角形に近いリアガラスの形 | 電熱線で後ろの窓を暖める |
車種によっては、リアデフォッガーを作動させると、ドアミラーのヒーターも同時に作動します。
ミラー表面の曇りや水滴を取りやすくする機能ですが、すべての車に装備されているわけではありません。
リアデフォッガーの使い方
リアデフォッガーの基本的な使い方は、エンジンまたは車両の電源を入れた状態で、専用スイッチを押すだけです。
リアガラスが曇ったらスイッチを押す
リアガラスが曇って後方を確認しにくいときは、リアデフォッガーのスイッチを押します。
作動中は、スイッチの表示灯が点灯する車が一般的です。しばらくすると、横線の周辺から曇りが消えていきます。
雨の日や湿度の高い日にも使用できるため、冬だけに使う機能ではありません。
多くの車では一定時間後に自動停止する
リアデフォッガーは消費電力が比較的大きいため、一定時間が経過すると自動的に停止する車があります。
自動停止するまでの時間は車種によって異なり、外気温などの条件によって作動時間が変わる場合もあります。
正確な作動時間や停止条件は、車両の取扱説明書で確認できます。
曇りが取れたら停止する
自動停止機能がない車や、曇りが早く取れた場合は、スイッチをもう一度押して停止します。
必要がない状態で長時間使い続けると、12Vバッテリーや発電装置への負担が増えることがあります。
リアガラスの横線とアンテナの違い
リアガラスや後部の側面ガラスに見える線が、すべて熱線とは限りません。
車種によっては、ラジオやテレビの電波を受信する「ガラスアンテナ」が、リアガラスやリアサイドガラスに組み込まれています。
見た目が似ているため、熱線とアンテナの違いが分かりにくいこともあります。
| 見るポイント | リアガラスの熱線 | ガラスアンテナ |
|---|---|---|
| 主な役割 | 曇りや霜を取る | ラジオやテレビの電波を受信する |
| 線の並び方 | 等間隔の横線が多い | 縦線・曲線・不規則な形もある |
| 主な配置 | リアガラスの広い範囲 | ガラス上部や側面ガラスにもある |
| スイッチとの関係 | デフォッガーを入れると発熱する | デフォッガーを入れても発熱しない |
| 正確な確認方法 | 車両の取扱説明書 | 車両やオーディオの取扱説明書 |
規則正しく並ぶ横線は熱線であることが多い
リアガラスの広い範囲に、同じ間隔で何本も平行に並んでいる横線は、電熱線である可能性が高いといえます。
横線の左右には、複数の熱線へ電気を送るための太い縦線や、配線を接続する端子が付いている場合があります。
アンテナは不規則な形をしていることがある
ガラスアンテナは、横線だけでなく、縦線、曲線、枝分かれした線など、複雑な形をしていることがあります。
リアガラスの上部だけに配置されていたり、後部座席横の小さなリアサイドガラスに付けられていたりする車種もあります。
ただし、アンテナの形や位置は車種によって大きく異なります。見た目だけでは断定できないため、正確な役割は取扱説明書で確認できます。
熱線とアンテナが同じガラスにある車種もある
車種によっては、リアガラスに熱線とアンテナ線の両方が配置されています。
たとえば、ガラス下部の規則正しい横線が熱線で、上部の複雑な線がアンテナという場合があります。
一方で、熱線の一部をアンテナとして利用する構造もあるため、「上がアンテナ、下が熱線」とすべての車で決まっているわけではありません。
リアガラスの横線を掃除するときの注意点
リアガラスの電熱線やアンテナ線は、ガラスの内側に付けられていることがあります。
強くこすったり、硬い道具を当てたりすると、線が傷ついたり剥がれたりする可能性があります。
柔らかい布で線に沿って拭く
リアガラスの内側を掃除するときは、水やガラス用クリーナーを含ませた柔らかい布を使います。
布は、熱線を横切るように上下へ強く動かすのではなく、線と同じ横方向へ優しく動かします。
線に沿って拭くことで、布や汚れが電熱線へ引っ掛かる可能性を抑えられます。
硬いブラシや刃物を使わない
次のような道具は、電熱線やアンテナ線を傷つける可能性があります。
- 金属製のスクレーパー
- カッターナイフなどの刃物
- 硬いブラシ
- 研磨剤入りのクリーナー
- 硬いスポンジ
- 先端が鋭い掃除道具
ステッカーや両面テープを剥がす場合も、刃物でこすると熱線まで削ってしまうことがあります。
アンテナ線の上に金属製品を貼らない
ガラスアンテナの上に金属を含むフィルムや金属製のステッカーを貼ると、ラジオやテレビの受信感度が低下する場合があります。
カーフィルムを施工する場合は、リアガラスに熱線やアンテナ線があることを伝え、対応できる専門店へ依頼すると安心です。
リアガラスの一部だけ曇りが取れない原因
リアデフォッガーを使っても、一部だけ曇りが残る場合は、電熱線が途中で切れている可能性があります。
曇りの残り方によって、不具合の場所をある程度推測できることがあります。
横一列だけ曇りが残る場合
毎回同じ横一列だけ曇りが残る場合は、その部分の電熱線が傷ついたり、途中で切れたりしている可能性があります。
リアガラスの電熱線は複数の横線に分かれているため、1本だけ通電しなくなると、その線の周辺だけ暖まりにくくなります。
掃除中に硬い道具を当てたり、荷物が接触したりしたことが原因になる場合もあります。
全体がまったく暖まらない場合
リアガラス全体の曇りが取れない場合は、次のような原因が考えられます。
- デフォッガーのスイッチが作動していない
- 関連するヒューズが切れている
- ガラス横の接続端子が外れている
- 配線やリレーに不具合がある
- 電熱線全体へ電気が流れていない
- 12Vバッテリーの電圧が低下している
スイッチの表示灯が点灯しているか、ほかの電装品に異常がないかを確認しても改善しない場合は、販売店や整備工場での点検が必要です。
切れたリアガラスの熱線は修理できる?
電熱線の傷が小さい場合は、導電性のある補修材を使って修理できることがあります。
補修材で切れた部分をつなぎ、再び電気が流れるようにする方法です。電熱線補修キットとして市販されている製品もあります。
ただし、次のような場合は専門店へ依頼した方がよいことがあります。
- 切れている場所が見つからない
- 複数の熱線が広範囲に傷ついている
- ガラス端の接続端子が外れている
- アンテナ線も同じガラスに組み込まれている
- カーフィルムが貼られている
- リアガラス自体にひび割れがある
補修の状態が悪いと、電気が流れなかったり、補修部分だけが異常に発熱したりする可能性があります。
傷の範囲が大きい場合や、原因を判断できない場合は、ガラス修理店や販売店で点検してもらう方法があります。
車の後ろの窓にある横線についてのよくある質問
リアガラスの横線は消せる?
リアガラスの横線は、曇りや霜を取るために必要な電熱線なので、基本的に消すものではありません。
削ったり剥がしたりすると、リアデフォッガーが正常に機能しなくなる可能性があります。
アンテナ線が含まれている場合は、ラジオやテレビの受信にも影響することがあります。
リアガラスの横線に触ると熱い?
リアデフォッガーを作動させると電熱線は発熱しますが、通常は手で触れただけですぐにやけどをするほど高温になるものではありません。
ただし、作動中や作動直後はガラスが暖まっているため、子どもが長時間触れ続けないようにした方がよいでしょう。
横線が切れていても車検には通る?
電熱線の一部が切れているだけで、必ず車検に通らなくなるとは限りません。
ただし、リアガラスの曇りが取れず、後方視界の確保に支障が出る状態は、安全な運転に影響します。
毎回同じ場所に曇りが残る場合や、全体が作動しない場合は、早めに点検を受ける方法があります。
夏でもリアデフォッガーを使うことはある?
リアデフォッガーは冬の霜だけでなく、雨の日や湿度が高い日に発生する曇りにも使用できます。
季節に関係なく、リアガラスが曇って後方が見えにくいときに使う装置です。
フロントガラスにも熱線はある?
多くの車では、フロントガラスの曇り取りにエアコンの風を使います。
ただし、一部の車には、ワイパー周辺の雪や凍結を防ぐための熱線や、ガラス全体を暖める機能が装備されています。
装備の有無や作動方法は車種によって異なります。
リアデフォッガーを長時間つけても大丈夫?
一定時間で自動停止する車が多いものの、必要がなくなったら停止するのが基本です。
リアデフォッガーは電力を消費するため、エンジンを停止した状態や、12Vバッテリーが弱っている状態での長時間使用は負担になる場合があります。
リアガラスの横線にカーフィルムを貼っても大丈夫?
熱線対応のカーフィルムであれば施工できる場合があります。
ただし、フィルムを剥がすときに電熱線やアンテナ線まで傷つけることがあります。施工や剥がし作業は、熱線入りガラスに対応した専門店へ相談すると安心です。
車の後ろの窓にある横線に関するまとめ
- 車の後ろの窓にある横線の多くは、曇りや霜を取るための電熱線
- 電熱線を使う装置は、リアデフォッガーやリアデフロスターと呼ばれる
- デフォッガーは主に曇り取り、デフロスターは霜取りを意味する
- メーカーによって装置の名称が異なる場合がある
- スイッチを押すと電熱線に電気が流れ、発生した熱でガラスが暖まる
- 曇りは横線の周辺から帯状に消えていく
- リアデフォッガーのスイッチには、四角いガラスと波線のマークが使われる
- 車種によってはドアミラーのヒーターも同時に作動する
- リアガラスやリアサイドガラスには、アンテナ線が入っている場合もある
- 規則正しい横線は熱線、不規則な線はアンテナであることが多い
- 熱線とアンテナが同じガラスに配置されている車種もある
- 正確な役割は車種別の取扱説明書で確認できる
- 掃除するときは柔らかい布を使い、横線に沿って優しく拭く
- 横一列だけ曇りが残る場合は、その部分の熱線が切れている可能性がある
- 小さな断線は補修できる場合があるが、広範囲の損傷は専門店での点検が必要
リアガラスの横線は、曇りや霜を取り、後方の視界を確保するための重要な装備です。見た目だけでアンテナとの区別がつかない場合や、曇りが正常に取れない場合は、車種別の取扱説明書や販売店で機能を確認してください。
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