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レコードを再生すると聞こえる「プチッ」「パチパチ」「チリチリ」といったノイズ。盤面をきれいにしたのに消えず、もう一度洗うべきか、傷だから諦めるしかないのか迷うことがありますよね。
結論からいうと、クリーニングしてもプチプチ音が消えない場合は、音溝の傷や摩耗、製造時のプレス状態、針先の汚れや摩耗、針圧などのプレーヤー設定が関係している可能性があります。すべてのノイズが盤面の汚れによるものではないため、洗浄を繰り返すだけでは改善しないことがあります。
原因を見分けるポイントは、ノイズが毎回同じ場所で鳴るか、別のレコードでも鳴るか、左右どちらかだけに出るかです。この記事では、レコードのプチプチ音やパチパチ音を症状から切り分け、自分で対処できる範囲と、針交換や機器点検を検討する目安を紹介します。
- 1 レコードのプチプチ音を見分ける1分診断
- 2 レコードのプチプチ音が消えない主な原因
- 3 同じ場所で鳴るノイズと場所が変わるノイズの違い
- 4 クリーニングで改善するノイズと改善しないノイズ
- 5 レコード盤とプレーヤーのどちらが原因か見分ける手順
- 6 プチプチ・チリチリ・ザラザラ音の違い
- 7 新品レコードでもプチプチ音が鳴るのはなぜ?
- 8 中古レコードのノイズはどこまで許容する?
- 9 レコードの傷によるノイズは修復できる?
- 10 針やカートリッジが原因でノイズが出るケース
- 11 片方だけ・片面だけノイズが出る原因
- 12 クリーニングや調整を打ち切る目安
- 13 レコードのノイズは完全に消えないこともある
- 14 レコードのプチプチ音に関するよくある質問
- 15 レコードのプチプチ音が消えない原因まとめ
レコードのプチプチ音を見分ける1分診断
最初に、現在の症状に近いものを確認してください。
| 症状 | 最初に疑う原因 |
|---|---|
| 毎回同じ場所で鳴る | 傷、固着した異物、音溝の摩耗、プレス不良 |
| 再生するたびに鳴る場所が変わる | ホコリ、静電気、針先の汚れ |
| 1回転ごとに規則的に鳴る | 盤面の傷、円周上に付着した異物 |
| 特定のレコードだけ鳴る | その盤の汚れ、傷、摩耗、製造状態 |
| 複数のレコードで鳴る | 針、カートリッジ、針圧、プレーヤー設定 |
| 左右どちらかだけ鳴る | 端子、配線、カートリッジの傾き |
| A面またはB面だけ鳴る | その面の傷、摩耗、汚れ、プレス状態 |
| 洗浄後にノイズが増えた | 洗浄液の残留、乾燥不足、ホコリの再付着 |
| 新品の同じ場所で鳴る | 初期傷、固着物、プレス不良 |
| 中古盤で全体がザラつく | 音溝の摩耗、過去の再生状態 |
ひとつの症状だけで原因を断定することはできませんが、この表から確認する場所を絞り込めます。
特に重要なのは、次の2点です。
- 同じ曲の同じタイミングで毎回鳴るか
- 状態のよい別のレコードでも同じ症状が出るか
この2点を比較すると、レコード盤と再生機器のどちらを優先して確認すべきか判断しやすくなります。
レコードのプチプチ音が消えない主な原因
レコードのノイズは、盤面の汚れだけでなく、静電気や傷、針、カートリッジ、プレーヤー設定などから発生します。
| 原因 | 音の特徴 | クリーニングによる改善 |
|---|---|---|
| ホコリや細かな異物 | 単発のプチッ、パチッ | 改善する可能性がある |
| 静電気 | 不規則なパチパチ、チリチリ | 除電によって変化する場合がある |
| 固着した汚れ | 同じ場所でクリック音 | 汚れが除去できれば改善する |
| 盤面の傷 | 毎回同じ位置で鳴る | 洗浄では基本的に直らない |
| 音溝の摩耗 | サーッ、ザラザラ、音の歪み | 洗浄だけでは直らない |
| プレス不良 | 新品でも特定箇所で鳴る | 洗浄で変わらない場合がある |
| 針先の汚れ | 複数の盤でノイズが増える | 針先の清掃で改善する場合がある |
| 針の摩耗・破損 | 高音の歪み、ザラつき | 針交換を検討する |
| 針圧やアライメント | 音割れ、歪み、片側のノイズ | 設定確認が必要 |
| 接触不良 | 片側だけ途切れる、ガリガリ鳴る | 端子や配線を確認する |
米国議会図書館では、レコードを含む再生メディアについて、再生面へ触れず、外周とレーベル部分を持つことや、再生機器を清潔に保つことを案内しています。盤面と針の両方に汚れを持ち込まないことが、ノイズを増やさない基本になります。
ホコリや細かな異物
レコードの音溝にホコリや繊維が入り込むと、針がその部分を通過したときに「プチッ」「パチッ」という音が出ることがあります。
盤面に乗っているだけのホコリなら、レコード用ブラシや適切なクリーニングで改善する可能性があります。ただし、表面がきれいに見えても、音溝の中に細かな粒子が残っていることがあります。
再生後に針先へ綿のようなホコリが付いている場合は、盤面から拾い上げた汚れがノイズに関係している可能性があります。
静電気
ビニール製のレコードは、内袋との摩擦や乾燥した環境によって静電気を帯びることがあります。
静電気そのものが再生系に影響するほか、盤面へホコリを引き寄せる原因にもなります。再生するたびに鳴る場所が変わる場合や、盤面にホコリが付きやすい場合は、傷だけでなく静電気も疑います。
ただし、パチパチ音が聞こえるからといって、すべてが静電気とは限りません。同じ場所で繰り返す場合は、傷や固着物の可能性も確認します。
盤面や音溝の傷
傷が音溝を横切っていると、針が通過するたびにクリック音が発生することがあります。
この場合は、再生するたびに同じ曲の同じタイミングで鳴ることが多く、クリーニング後も鳴る位置が変わりません。傷によって音溝の形が変わっている場合、汚れを落としても元の形には戻らないため、ノイズが残ります。
見た目には大きな傷でも再生音への影響が小さい場合がある一方、目立たない細い傷が大きなクリック音を出すこともあります。見た目だけでなく、再生位置との一致を確認することが大切です。
音溝の摩耗
レコードを繰り返し再生したり、状態の悪い針や適切でない設定で再生したりすると、音溝が摩耗している場合があります。
音溝の摩耗は、単発のプチプチ音よりも、次のような症状として現れやすくなります。
- サーッという背景音が大きい
- 音楽全体がザラザラして聞こえる
- 高音がチリチリする
- ボーカルや弦楽器が歪む
- レコードの内周へ進むほど音が崩れる
音溝そのものが摩耗している場合は、クリーニングだけで改善するのは困難です。
プレス不良や製造時の問題
新品のレコードでも、製造時の状態によってノイズが発生することがあります。
考えられる症状は次のとおりです。
- 毎回同じ場所でクリック音が鳴る
- 盤面がきれいでも一部分だけザラつく
- 同じ位置で音が歪む
- 針が一定の場所で飛ぶ
- 曲間や静かな部分でノイズが目立つ
カラーレコードについては、プレス工場のRecord Industryが、顔料によっては黒盤よりもリードインやリードアウト、静かな部分でノイズやクリック音が出やすい場合があると案内しています。ただし、カラーレコードだから必ず音が悪いという意味ではありません。
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同じ場所で鳴るノイズと場所が変わるノイズの違い
ノイズが鳴る位置は、原因を見分ける重要な手掛かりになります。
毎回同じ場所で鳴る場合
何度再生しても、同じ曲の同じタイミングで「プチッ」と鳴る場合は、盤面の特定箇所に原因がある可能性が高くなります。
主に考えられるのは次の原因です。
- 音溝に固着した異物
- 盤面を横切る傷
- 局所的な音溝の摩耗
- 製造時のプレス不良
- 盤面の一部分にある変形
ノイズが鳴った曲と再生時間を記録し、もう一度同じ場所を再生してください。毎回ほぼ同じタイミングで鳴るなら、静電気よりも局所的な原因を優先して確認します。
鳴る場所が毎回変わる場合
再生するたびにノイズの場所が変わる場合は、移動しやすいホコリや静電気、針先にたまった異物が関係している可能性があります。
たとえば、最初の再生では曲の前半で鳴り、次の再生では別の場所で鳴る場合です。
盤面をレコード用ブラシで整え、針先も確認したあと、再び同じ曲を再生します。ノイズの場所や大きさが変わった場合は、傷ではなく異物や帯電の影響が考えられます。
1回転ごとに繰り返す場合
一定の間隔で「プチッ、プチッ」と鳴る場合は、レコードの円周上に傷や固着物がある可能性があります。
曲のリズムとは関係なく、盤の回転に合わせて規則的に鳴るのが特徴です。
盤面を明るい場所で斜めから見て、針が通る円周上に白い点、繊維、線状の傷がないか確認します。再生面には直接触れず、外周とレーベル部分を持って確認してください。
クリーニングで改善するノイズと改善しないノイズ
レコードをクリーニングしてもノイズが消えないのは、洗い方が不十分とは限りません。原因によっては、洗浄の対象ではないためです。
クリーニングで改善する可能性があるノイズ
次の原因は、適切なクリーニングによって改善する場合があります。
- 盤面に乗ったホコリ
- 音溝に入り込んだ微細な汚れ
- 内袋から付着した紙粉や繊維
- 指紋や油分に付着したチリ
- 盤面へ固着した洗浄可能な汚れ
米国議会図書館の音源保存でも、音溝にあるホコリや微細な粒子を除去するため、資料に適した方法でクリーニングが行われています。汚れが原因なら、音溝から異物を取り除くことでノイズが小さくなる可能性があります。
具体的な洗浄方法については、関連記事「レコードクリーニングのやり方|自宅で汚れ・ノイズを減らす方法」で確認できます。
クリーニングでは改善しにくいノイズ
次の原因は、何度洗浄しても改善しない可能性があります。
- 音溝を横切る傷
- 音溝の摩耗
- 盤面の変形
- 製造時のプレス不良
- 針の摩耗や破損
- カートリッジの位置ずれ
- 適切でない針圧
- ケーブルや端子の接触不良
適切に洗浄したあとも、同じ場所で同じ大きさのクリック音が鳴る場合は、洗浄を繰り返す前に傷や再生機器を確認してください。
洗浄後にノイズが増えた原因
クリーニング前よりもプチプチ音が増えた場合は、次の状態が考えられます。
- 洗浄液やすすぎ水が音溝に残っている
- 十分に乾燥する前に再生した
- 拭き取り用クロスの繊維が付着した
- 浮いた汚れを回収しきれていない
- 乾燥中にホコリが再付着した
- 拭き取りによって静電気が増えた
- 浮き上がった汚れが針先に集まった
洗浄直後にノイズが増えた場合は、もう一度強くこするのではなく、盤面と針先に異物が残っていないかを確認します。
使用できる洗浄液や手入れ方法は、レコードやクリーナーの種類によって異なります。カートリッジメーカーのOrtofonは、レコード面や針先に溶剤を使用することを推奨していません。メーカーごとの手入れ方法を確認したうえで使用してください。
レコード盤とプレーヤーのどちらが原因か見分ける手順
原因を特定するときは、一度に複数の設定を変えず、ひとつずつ条件を比較します。
1.ノイズが出る曲と時間を記録する
ノイズが鳴った曲名と、おおよその再生時間を記録します。
同じ場所をもう一度再生し、ノイズが再現するか確認してください。
- 毎回同じ場所で鳴る:盤面の傷や固着物を確認
- 鳴る場所が変わる:ホコリや静電気を確認
- 曲全体で鳴る:盤質、摩耗、針や設定を確認
スマートフォンなどで再生音を録音しておくと、クリーニングや点検の前後を比べやすくなります。
2.状態のよい別のレコードを再生する
同じプレーヤーで、状態のよい別のレコードを再生します。
| 確認結果 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 特定の盤だけ鳴る | 盤面の汚れ、傷、摩耗、プレス状態 |
| 複数の盤で鳴る | 針、カートリッジ、プレーヤー設定 |
| すべて同じ側だけ鳴る | 端子、配線、カートリッジの傾き |
| 内周部分で共通して歪む | アライメント、針の摩耗、追従不良 |
| レコードを止めても音が出る | 電源、アース、ケーブル、アンプ側 |
1枚だけで判断すると、盤と機器のどちらが原因か分かりにくくなります。少なくとも2~3枚で症状を比較すると、確認範囲を絞り込めます。
3.盤面を斜めから確認する
盤面を明るい場所で傾け、光の反射を利用して確認します。
見る場所は次のとおりです。
- 線状の傷
- 白く見える点
- 指紋
- 繊維や紙粉
- 固着した異物
- 光の反射が乱れている部分
- 盤面の反りや波打ち
目に見える汚れとノイズの位置が一致している場合は、盤面側の原因が疑われます。
4.盤面と針先を確認する
盤面を適切にクリーニングしたあと、針先にホコリが付いていないか確認します。
盤面から浮き上がった汚れが針先へ付着すると、洗浄後でもノイズが続く場合があります。
針先の詳しい掃除方法やブラシを動かす方向については、関連記事「レコード針の掃除方法|クリーニング頻度とやってはいけない手入れ」で確認できます。
5.針圧とカートリッジ設定を確認する
複数のレコードで同じノイズや歪みが出る場合は、カートリッジの型番を確認し、メーカーが指定する針圧の範囲と照合します。
調整機能があるプレーヤーでは、次の項目も確認します。
- 針圧
- アンチスケーティング
- カートリッジのアライメント
- オーバーハング
- アジマス
- ヘッドシェルの固定
- トーンアームの水平
針圧とは、針先をレコードの音溝へ接触させる下向きの力です。カートリッジごとに適正範囲が異なるため、ノイズを減らす目的で自己判断により大幅に重くするのは避けてください。
6.端子や配線を確認する
片側だけ音が途切れる、ガリガリ鳴る、ケーブルへ触れると症状が変わる場合は、接触不良が考えられます。
確認する場所は次のとおりです。
- カートリッジ背面の端子
- ヘッドシェルの接点
- RCAケーブル
- アース線
- フォノイコライザー
- アンプの入力端子
- MM・MC入力の設定
端子を抜き差しする場合は、機器の電源を切り、取扱説明書に従ってください。
プチプチ・チリチリ・ザラザラ音の違い
ノイズの聞こえ方から、確認する場所をある程度絞り込めます。
| ノイズの聞こえ方 | 考えられる原因 |
|---|---|
| プチッ、パチッ | ホコリ、静電気、局所的な傷 |
| パチパチ、チリチリ | 細かな異物、静電気、盤面の摩耗 |
| サーッ | サーフェスノイズ、盤質、摩耗 |
| ザラザラ | 音溝や針の摩耗、追従不良 |
| ビリビリ、音割れ | 針圧、アライメント、入力レベル |
| ブーン | アース、電源、ケーブル |
| ガリガリ、片側の途切れ | 端子や配線の接触不良 |
| コツコツと規則的に鳴る | 傷、固着物、盤面の反り |
スクラッチノイズとは
スクラッチノイズは、盤面の傷や擦れによって発生するノイズを指す言葉として使われます。
音溝を横切る傷があると、針が通るたびにクリック音が発生します。再生するたびに同じ場所で鳴るかどうかが、傷によるノイズを見分ける手掛かりになります。
サーフェスノイズとは
サーフェスノイズは、レコードの表面状態や材質、摩耗、微細な汚れなどから生じる「サーッ」「チリチリ」といった背景音です。
曲間や静かな部分では目立っても、音楽が始まるとほとんど聞こえなくなる場合があります。すべてのサーフェスノイズを完全に消せるとは限りません。
ブーンという音は盤面以外を疑う
レコードを止めても一定の「ブーン」という音が続く場合は、盤面の傷やホコリではなく、アースや電源、ケーブル、フォノ入力が関係している可能性があります。
プチプチ音とは確認場所が異なるため、洗浄を繰り返す前に接続状態を見直します。
新品レコードでもプチプチ音が鳴るのはなぜ?
新品のレコードでも、必ずノイズがないとは限りません。
内袋の紙粉やホコリが付着している
紙製の内袋に入っているレコードでは、細かな紙粉や繊維が盤面に付着していることがあります。
また、内袋から取り出す際の摩擦で静電気を帯び、空気中のホコリを引き寄せることもあります。
新品でも、再生前に盤面を斜めから確認し、目立つ異物があればレコード用ブラシなどで取り除きます。
製造工程に由来するノイズがある
盤面を確認しても目立つ汚れがなく、適切にクリーニングしても毎回同じ場所で鳴る場合は、プレス状態が関係している可能性があります。
購入直後から次の症状がある場合は、購入店の交換・返品条件を確認してください。
- 同じ位置で大きなクリック音が鳴る
- 針が同じ場所で飛ぶ
- 同じ部分を繰り返す
- 片面だけ広い範囲でザラつく
- 音が大きく歪む
- 盤面に深い傷や変形がある
交換を相談するときは、曲名、再生時間、使用したプレーヤー、別の盤では問題がないことを伝えると、症状を説明しやすくなります。
カラーレコードでノイズが目立つ場合がある
カラーレコードや複数色を混ぜた特殊盤では、顔料や製造条件によって、静かな部分のサーフェスノイズやクリック音が目立つ場合があります。
プレス工場のRecord Industryも、一部の色材では、リードインやリードアウト、静かな部分でノイズが高くなる可能性を案内しています。
中古レコードのノイズはどこまで許容する?
中古レコードは、見た目だけでは再生状態を判断できない場合があります。
見た目がきれいでも音溝が摩耗していることがある
盤面に目立つ傷がなくても、過去の再生回数や使用された針、針圧などによって音溝が摩耗している場合があります。
この場合は、全体にサーッという音が出たり、高音がチリチリしたり、ボーカルが歪んで聞こえたりします。
クリーニングで汚れが取れても、摩耗した音溝は元に戻りません。
見える擦り傷が必ず大きなノイズになるとは限らない
表面に薄い擦り傷があっても、音溝への影響が小さければ、再生時にほとんど聞こえない場合があります。
反対に、短くても深い傷が音溝を横切っていると、大きなクリック音になることがあります。
中古盤では、傷の数だけでなく、次の点を確認します。
- ノイズが曲中でどの程度目立つか
- 同じ場所で繰り返すか
- 音飛びがあるか
- 左右の音に歪みがないか
- 商品説明の盤質表記と差がないか
購入店で試聴できる場合は、静かな曲や曲間だけでなく、ノイズが出やすい内周部分も確認すると判断しやすくなります。
レコードの傷によるノイズは修復できる?
結論からいうと、音溝が削れたり変形したりした傷を、家庭で元の状態へ戻すのは困難です。
汚れを落とすことと傷を直すことは違う
クリーニングは、盤面や音溝に付着したホコリ、油分、細かな異物を取り除く作業です。
傷によって音溝の形が変わっている場合は、汚れを除去しても溝の形までは戻りません。そのため、傷とノイズの位置が一致し、適切な洗浄後も変化しない場合は、完全に消すのが難しいと考えられます。
傷を削ったり針でなぞったりしない
ノイズを消そうとして、次のような処置を行うのは避けてください。
- 研磨剤で盤面を磨く
- メラミンスポンジでこする
- 縫い針や刃物で音溝をなぞる
- 傷の周辺を押しつぶす
- 強い溶剤を塗る
- 指定範囲を超えて針圧を重くする
傷が目立たなくなったように見えても、音声が刻まれている溝まで変形すれば、ノイズや歪みが悪化する可能性があります。
カートリッジを変えると聞こえ方が変わる場合がある
針先の形状によって、音溝へ接触する位置は異なります。
別のカートリッジや針で再生すると、傷や摩耗によるノイズの聞こえ方が変わる場合があります。ただし、傷が修復されたわけではなく、異なる位置を読み取ることで目立ち方が変わっているだけです。
高価な盤や入手困難な盤で試す場合は、レコード店やオーディオ専門店へ相談する方法があります。
針やカートリッジが原因でノイズが出るケース
複数のレコードで似た症状が出る場合は、盤面ではなく針やカートリッジを確認します。
針先にホコリが付いている
針先にホコリが付着すると、細かな音溝を正しく追従できず、音の濁りや歪み、ノイズにつながる場合があります。
Ortofonは、針先の手入れについて、カンチレバーに沿って針先方向へブラシを動かす方法を案内しています。横方向や針先から後方へ力を加えると、カンチレバーを傷める可能性があります。
針先の掃除方法はメーカーによって異なるため、使用しているカートリッジの説明書を確認してください。
針が摩耗・破損している
針の摩耗や破損では、次のような症状が出ることがあります。
- 以前よりサーフェスノイズが目立つ
- 高音の明瞭さがなくなった
- ボーカルや弦楽器が歪む
- 内周へ進むほど音が崩れる
- 複数のレコードでザラつく
- 左右のバランスが不安定になる
Ortofonも、針の状態が悪くなる兆候として、サーフェスノイズや歪みの増加、高音の明瞭さ低下などを挙げています。
針の使用期間だけで判断せず、音の変化やカンチレバーの傾き、針先への異物付着を確認します。
針圧が適切でない
針圧が軽すぎると、針が音溝を正しく追従できず、歪みや音飛びが発生する場合があります。
一方、指定範囲を超えて重くすると、レコードや針への負担が増えます。
針圧は、使用しているカートリッジの取扱説明書に記載された範囲へ合わせます。ノイズがあるからといって、少しずつ重くして解決しようとしないでください。
カートリッジの位置や角度がずれている
カートリッジの位置や角度が適切でないと、針が音溝へ正しく接触しにくくなります。
次の症状がある場合は、アライメントや取り付け状態を確認します。
- 内周部分で歪みが増える
- 左右の音量差が大きい
- 片方のチャンネルだけノイズが多い
- ボーカルが片側へ寄って聞こえる
- 複数のレコードで同じ症状が出る
調整機能のない一体型プレーヤーや、調整方法が分からない場合は、無理に分解せずメーカーや販売店へ確認してください。
片方だけ・片面だけノイズが出る原因
ノイズが出る範囲からも、原因を絞り込めます。
左右どちらか片方だけノイズが出る
複数のレコードで同じチャンネルだけノイズが出る場合は、次の部分を確認します。
- カートリッジ端子の緩み
- ヘッドシェルの接触不良
- RCAケーブル
- アンプの入力端子
- カートリッジの傾き
- アンチスケーティング
- 針先の偏った摩耗
特定のレコードだけ片側にノイズが出る場合は、音溝の片側に傷や摩耗がある可能性もあります。
A面またはB面だけノイズが出る
特定の盤の片面だけノイズが多い場合は、その面に原因がある可能性が高くなります。
考えられるのは次の状態です。
- 片面だけ傷が多い
- 片面だけ繰り返し再生されていた
- 保管中に片面へ異物が付着した
- 製造時の状態が表裏で異なる
- 片面だけ反りや変形がある
別のレコードでは問題がなく、特定盤の片面だけで症状が出るなら、プレーヤー全体の故障よりも盤側を優先して確認します。
クリーニングや調整を打ち切る目安
ノイズが消えないからといって、洗浄や針圧調整を何度も繰り返す必要はありません。
これ以上の洗浄を繰り返さない目安
次の状態なら、汚れ以外の原因へ確認範囲を広げます。
- 適切に洗浄しても毎回同じ場所で鳴る
- 目視できる傷とノイズの位置が一致する
- 洗浄前後で音の大きさが変わらない
- 新品時から同じ位置で鳴っている
- 同じ場所で針が飛ぶ、または繰り返す
- 洗浄するたびにノイズが増える
- 盤面が変形している
この状態で洗浄を続けても、音溝の傷やプレス状態は変わりません。
針交換や機器点検を検討する目安
次の症状が複数のレコードで出る場合は、針やプレーヤーを点検します。
- ほぼすべての盤でノイズが増えた
- 高音やボーカルが常に歪む
- 内周へ進むほどザラつきが強くなる
- 左右どちらかだけ音が不安定になる
- 推奨針圧に合わせても音飛びする
- 針先やカンチレバーが傾いている
- 端子やケーブルに触れるとノイズが変わる
- 以前より音の明瞭さが大きく低下した
針の交換時期は、針の種類、使用時間、盤面の状態、針圧などによって変わります。使用している製品の案内を確認してください。
レコードのノイズは完全に消えないこともある
レコードは、針が音溝へ物理的に接触して音を読み取る仕組みです。そのため、デジタル音源と同じような完全な無音状態にならないことがあります。
許容範囲と考えられるノイズ
次のような状態であれば、レコード特有のサーフェスノイズとして受け入れられる範囲の場合があります。
- 曲間や無音部分でだけ小さく聞こえる
- 音楽が始まるとほとんど気にならない
- 再生に支障がない
- 音飛びや同じ部分の繰り返しがない
- 特定の古い盤や中古盤だけで聞こえる
- クリーニング後に一定程度小さくなった
ノイズの感じ方は、音量、スピーカー、ヘッドホン、曲の静かさによっても変わります。
原因を確認したほうがよいノイズ
次の症状は、単なるサーフェスノイズではなく、盤面や再生機器に原因がある可能性があります。
- 音楽を妨げる大きなクリック音が続く
- 同じ場所で針が飛ぶ
- 同じ部分を繰り返す
- 複数のレコードで音が歪む
- 片方のチャンネルが頻繁に途切れる
- 針先が目に見えて傾いている
- 新品盤の特定箇所で大きなノイズが出る
- レコードを止めても異音が続く
すべての小さなノイズを消そうとするより、再生に支障がある症状や、盤や針を傷める可能性がある異常を優先して確認します。
レコードのプチプチ音に関するよくある質問
クリーニングしても同じ場所でプチプチ鳴るのはなぜ?
音溝に固着した異物、盤面の傷、音溝の摩耗、プレス不良などが考えられます。
再生するたびに同じタイミングで鳴り、適切なクリーニング後も変化しない場合は、汚れ以外の可能性が高くなります。
クリーニングを何回も繰り返せば消えますか?
ホコリや洗浄可能な汚れが原因なら改善する可能性があります。
ただし、傷、摩耗、変形、プレス不良は、洗浄を繰り返しても元に戻りません。洗浄後も同じ場所で鳴る場合は、盤面の状態や再生機器を確認してください。
静電気と傷のノイズはどう見分けますか?
静電気や浮いたホコリによるノイズは、再生するたびに鳴る位置や大きさが変わる場合があります。
傷によるノイズは、同じ曲の同じタイミングや、盤の回転に合わせた一定間隔で繰り返す傾向があります。
新品レコードのノイズは交換対象になりますか?
交換できるかどうかは、購入店や販売元の条件によって異なります。
盤面と針先を確認し、別のレコードでは問題がないにもかかわらず、同じ場所で大きなノイズや音飛びが発生する場合は、購入店へ症状を伝えてください。
中古レコードのプチプチ音は仕方がないですか?
中古盤では、使用や保管による傷、摩耗、ホコリなどがあるため、新品よりノイズが出やすい場合があります。
ただし、汚れが原因ならクリーニングで改善する可能性があります。音飛びや大きなクリック音が商品説明に記載されていなかった場合は、購入店の返品条件も確認してください。
針圧を重くすればノイズは減りますか?
針圧が軽すぎて追従不良を起こしている場合は、指定値へ調整することで改善する可能性があります。
ただし、メーカーの推奨範囲を超えて重くする方法は適切ではありません。針圧だけでなく、針の状態やカートリッジの位置も確認します。
レコードの傷を自分で修復できますか?
音溝の形が変わった傷を、家庭で元の状態へ戻すのは困難です。
研磨剤、メラミンスポンジ、刃物、強い薬剤などを使うと、音溝をさらに傷める可能性があります。
すべてのレコードでプチプチ音が鳴る場合は?
針先の汚れや摩耗、針圧、カートリッジの位置、端子、ケーブル、フォノ入力などを確認します。
複数の盤で同じ症状が出る場合は、盤面のクリーニングを繰り返すよりも、再生機器側を点検したほうが原因を絞り込みやすくなります。
録音した音源からノイズを消すことはできますか?
パソコンなどへ録音した音源は、編集ソフトのクリック除去機能でノイズを目立ちにくくできる場合があります。
ただし、レコード盤の傷が直るわけではありません。また、処理を強くすると音楽の一部まで変化することがあります。盤面やプレーヤーの対処とは別の方法として考える必要があります。
レコードのプチプチ音が消えない原因まとめ
- レコードのプチプチ音は、ホコリ、静電気、傷、摩耗、プレス状態などから発生する
- 毎回同じ場所で鳴る場合は、固着物、傷、摩耗、プレス不良を疑う
- 再生するたびに場所が変わる場合は、ホコリ、静電気、針先の汚れを確認する
- 1回転ごとに鳴る場合は、円周上の傷や異物が関係している可能性がある
- 特定の盤だけ鳴るなら盤側、複数の盤で鳴るなら針やプレーヤー側を優先して確認する
- クリーニングで改善しやすいのは、盤面や音溝の汚れによるノイズ
- 音溝の傷や摩耗、プレス不良は洗浄だけでは改善しにくい
- 洗浄後にノイズが増えた場合は、液体や汚れの残留、乾燥不足、ホコリの再付着を確認する
- 新品盤でも、紙粉、静電気、初期傷、製造状態によってノイズが出る場合がある
- 中古盤は見た目がきれいでも、音溝が摩耗していることがある
- 針圧は自己判断で重くせず、カートリッジの指定範囲へ合わせる
- 片側だけのノイズは、端子、配線、カートリッジ設定も確認する
- 複数の盤で歪みやザラつきが出る場合は、針交換や機器点検を検討する
- 小さなサーフェスノイズは、レコード再生では完全に消えないことがある
まずは、ノイズが毎回同じ場所で鳴るかを記録し、状態のよい別のレコードでも同じ症状が出るか確認してください。この2つを比べることで、盤面を対処すべきか、針やプレーヤーを点検すべきか判断しやすくなります。
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