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レコードを長く楽しむためには、盤面をきれいにするだけでなく、普段の保管方法も重要です。見た目に問題がなくても、置き方や収納場所によっては、少しずつ盤の反りやジャケットのカビ、袋による塩ビ焼けが進むことがあります。
特に迷いやすいのが、「縦置きと横置きのどちらがよいのか」「押入れに入れても大丈夫なのか」「透明なビニール袋なら何でも使えるのか」といった点ではないでしょうか。
この記事では、一般的なLPレコードや7インチレコードなどのビニール盤を中心に、正しい置き方、温度・湿度、スリーブ、ラック、収納ボックスの選び方を紹介します。古いSP盤やアセテート盤などは材質が異なるため、状態に応じた保管が必要です。
- 1 レコードの正しい保管方法は「まっすぐ縦置き」が基本
- 2 レコードは縦置きと横置きのどちらがよい?
- 3 レコードの反りを防ぐ温度と保管場所
- 4 レコードのカビを防ぐ湿度管理
- 5 押入れやクローゼットでレコードを保管してもよい?
- 6 インナースリーブは何を選ぶ?
- 7 外袋は必要?塩ビ焼けを防ぐ選び方
- 8 ジャケットのリングウェアも保管方法で防ぐ
- 9 レコード収納ラックの選び方
- 10 レコード収納ボックスの選び方
- 11 ラックの転倒・落下・浸水にも備える
- 12 レコードを出し入れするときの持ち方
- 13 LPレコードと7インチレコードの保管方法
- 14 レコードを長期保管する前の確認事項
- 15 レコード保管でやってはいけないこと
- 16 レコードの保管方法に関するよくある質問
- 17 レコードの正しい保管方法まとめ
レコードの正しい保管方法は「まっすぐ縦置き」が基本
結論からいうと、レコードはジャケットと内袋に入れ、涼しく比較的乾燥した場所で、まっすぐ縦置きするのが基本です。
カナダ保存研究所は、レコードを柔らかいポリエチレン製スリーブに入れて元のジャケットへ戻し、すべての記録媒体を縦方向に保管するよう案内しています。米国議会図書館も、溝のあるレコードは盤面全体が支えられる状態で縦に保管し、直射日光や高温多湿を避けることを推奨しています。
まずは、次の5点を押さえておきましょう。
| 確認する項目 | 基本の保管方法 |
|---|---|
| 置き方 | ジャケットに入れてまっすぐ縦置きする |
| 収納場所 | 直射日光や熱源、水漏れの危険を避ける |
| 温度・湿度 | 涼しく比較的乾燥した、変化の少ない環境 |
| インナースリーブ | ポリエチレン製など盤に適した素材を選ぶ |
| 外袋 | PVC製を避け、PE・PP製を選ぶ |
レコードを横に何十枚も積み重ねたり、大きく斜めに傾けたりすると、一部に継続して力がかかります。すぐに変形するとは限りませんが、長期保管では避けたい置き方です。
レコードは縦置きと横置きのどちらがよい?
長期保管では縦置きが適している
LPレコードや7インチレコードは、ジャケットの背表紙が見える向きで、垂直に近い状態で並べます。
縦置きにすると、盤面に上から大きな重さがかかりにくくなります。棚から1枚ずつ取り出せるため、下のレコードを引き抜く必要もありません。
カナダ保存研究所の家庭向け案内でも、レコードは立てて並べ、列の両端をレコードと同程度の高さまで支えるよう推奨されています。また、きつく詰め込みすぎないことも示されています。
ただし、縦置きであれば、どのような並べ方でもよいわけではありません。
枚数が少なく、ラック内でレコードが倒れる場合は、仕切り板や丈夫なブックエンドを使います。レコードの上部だけではなく、ジャケット全体を支えられる高さのものが適しています。
横置きで積み重ねるのは避ける
数枚を一時的に横置きしただけで、すぐにレコードが反るとは限りません。
ただし、何十枚も重ねたまま長期間保管すると、下側の盤やジャケットに重さが集中します。オーディオテクニカも、熱源の近くや積み重ねた状態で保管すると、反りが発生して針のトレースに影響する可能性があると説明しています。
収納場所が足りない場合は、床や棚の上に高く積み上げるのではなく、レコード用のボックスやラックを増やして縦置きできる状態を作ります。
再生後に一時的に置く場合も、その上へ物を載せないようにしましょう。
斜めになったまま保管しない
ラック内に空きが多いと、レコードがまとまって斜めに倒れることがあります。
わずかな傾きで直ちに変形するとは限りませんが、大きく傾いた状態を長く続けると、盤やジャケットの一部に力がかかります。オーディオテクニカも、レコードを斜めにせず縦置きすることを基本的な保管方法として案内しています。
反対に、レコードを隙間なく押し込むのも避けたいところです。片手で1枚を無理なく取り出せる程度の余裕を残します。
サイズが違うレコードを同じ列に混ぜない
LPレコードと7インチレコードを同じ列に並べると、背の低い7インチ盤がLPを十分に支えられません。
米国議会図書館も、直径の異なるレコードを一緒に保管しないよう案内しています。サイズ別に区画やボックスを分けた方が、盤面全体を支えやすくなります。
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レコードの反りを防ぐ温度と保管場所
高温になる場所を避ける
ビニール盤は、高温や大きな温度変化の影響で変形することがあります。
カナダ保存研究所は、ビニール盤は温度変化で変形しやすいと説明し、暖房器具、暖房の吹き出し口、窓、外壁の近く、地下室、屋根裏などを避けるよう案内しています。
家庭内では、次のような場所を避けます。
- 直射日光が当たる窓際
- 夏場に高温になる屋根裏や物置
- 暖房器具やヒーターの近く
- エアコンの風が直接当たる場所
- 熱を持つ家電製品のすぐ横
- 夏場の車内
- 温度変化が大きい玄関や倉庫
日中は問題がなくても、窓際や密閉された収納内は部分的に温度が上がることがあります。ラックを設置する場合は、日光や熱源から離れた室内を選びましょう。
温度は「涼しく安定していること」を優先する
カナダ保存研究所の家庭向け案内では、ビニール盤の保管環境として23℃未満、相対湿度50%未満を目標にすることが示されています。米国議会図書館では、家庭のコレクションを室温以下の涼しく、比較的乾燥した安定環境に置くよう案内しています。
一般家庭で一年中同じ数値を保つのは難しいため、23℃を少し超えたからといって、すぐに問題が起きるわけではありません。
数値だけにこだわるよりも、次の状態を避けることが重要です。
- 真夏に長時間高温になる
- 日中と夜間で温度が大きく変わる
- 冷暖房の風が直接当たる
- 熱源の近くで一部だけ温度が上がる
- 寒い場所から暖かい場所へ急に移動させる
収納場所の温度が分からない場合は、レコードラックの近くに温湿度計を置くと確認しやすくなります。
直射日光と紫外線を避ける
直射日光は、盤の温度を局所的に上げるだけでなく、ジャケットの色あせや劣化にもつながります。
カナダ保存研究所は、記録媒体を長時間、光や日光にさらさないよう推奨しています。米国議会図書館も、強い光や直射光を避けることを保存環境の基本に挙げています。
窓際にラックを置かなければならない場合は、遮光カーテンを使い、レコードへ直接日光が当たらないようにします。
レコードのカビを防ぐ湿度管理
湿度は50%前後をひとつの目安にする
レコード盤だけでなく、紙製のジャケットや内袋も湿気の影響を受けます。
湿度が高い状態が続くと、ジャケットの波打ち、シミ、カビなどが発生しやすくなります。カナダ保存研究所の家庭向け案内では、ビニール盤を50%RH未満の乾燥した環境で保管することが目標として示されています。
ただし、湿度を一時的に下げるだけでは十分ではありません。季節による変化を小さくし、高湿度が長く続かない状態を保つことが大切です。
米国国立公文書記録管理局は、カビが発生しやすい条件として、高温、高い相対湿度、空気の循環不足を挙げています。
梅雨や夏場は除湿と空気の流れを意識する
日本では、梅雨から夏にかけて押入れやクローゼットの湿度が上がりやすくなります。
湿気が多い時期は、次のような方法で環境を整えます。
- エアコンの除湿機能を使う
- 除湿機を稼働させる
- 晴れた日に収納扉を開ける
- サーキュレーターで空気を動かす
- ラックを壁へ密着させない
- 収納ボックスを床から離す
- 温湿度計で定期的に確認する
除湿剤を使う場合は、倒れて液体が漏れない場所へ置きます。レコードの上やジャケットに接触する位置は避けてください。
除湿剤だけに頼らず、収納場所全体の空気が動く状態を作ることも重要です。
湿った状態で袋へ戻さない
レコードをクリーニングした後は、盤面が十分に乾いてから内袋へ戻します。
ジャケットや内袋が湿っている場合も、そのまま外袋へ入れると湿気を閉じ込めることがあります。防塵用の袋を付けていても、内部に水分が残っていればカビ対策にはなりません。
盤面にホコリや汚れがある場合は、保管前に落としておくと管理しやすくなります。
詳しい洗浄手順は、関連記事「レコードクリーニングのやり方|自宅で安全に汚れ・ノイズを減らす方法」で確認できます。
押入れやクローゼットでレコードを保管してもよい?
押入れやクローゼットでも、温度と湿度を管理できればレコードを保管できます。
ただし、扉を閉めたままで空気が動かない場所や、外壁に面して結露しやすい場所には注意が必要です。カナダ保存研究所は、温湿度の変化が大きい地下室や屋根裏を避け、窓や外壁から離して保管するよう案内しています。
押入れで保管する場合は、次の点を確認しましょう。
| 確認ポイント | 対応方法 |
|---|---|
| 床からの湿気 | すのこや棚を使って床から離す |
| 外壁の結露 | 壁との間に空間を作る |
| 空気の停滞 | 定期的に扉を開けて換気する |
| 温度・湿度 | 温湿度計で変化を確認する |
| 水漏れ | 配管や窓の近くを避ける |
| カビ・害虫 | 周囲を清潔に保つ |
段ボール箱に入れたまま押入れの奥へ置くと、湿気やカビ、箱の劣化に気づきにくくなります。
長期保管でも完全に放置せず、梅雨前や夏の終わりなどに状態を確認できる位置へ置きましょう。
インナースリーブは何を選ぶ?
ポリエチレン製の内袋が使いやすい
インナースリーブは、レコード盤をジャケット内で保護する袋です。
カナダ保存研究所は、溝のあるレコードを柔らかいポリエチレン製スリーブへ入れ、元のジャケットで保管する方法を案内しています。米国議会図書館も、高密度ポリエチレン製スリーブを交換候補として挙げています。
主なインナースリーブには、次の種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 紙製 | 付属品として多いが、古くなると破れや紙粉が出ることがある |
| 紙+ポリエチレン製 | 形を保ちやすく、盤が紙へ直接触れにくい |
| ポリエチレン製 | 柔らかく、盤面を保護しやすい |
| 材質不明の軟質袋 | PVCの可能性があるため材質表示を確認する |
印刷された純正内袋や歌詞カードを残したい場合は、盤を新しいポリエチレン製スリーブへ移し、純正内袋は付属品としてジャケット内に保管できます。
古い紙製スリーブが酸化して変色している場合や、破れて紙粉が出ている場合も、盤を別の内袋へ移すと扱いやすくなります。
内袋の口とジャケットの口をずらす
内袋の開口部とジャケットの開口部を同じ向きにすると、盤が滑り出したり、ホコリが入りやすくなったりすることがあります。
内袋の口を上向きにしてジャケットへ入れ、ジャケットの口を横向きにすると、盤の飛び出しやホコリの侵入を抑えやすくなります。
ただし、内袋を無理に折ったり、ジャケットへ強く押し込んだりしないようにします。厚みのある内袋へ交換したことで窮屈になった場合は、サイズの合うものを選び直しましょう。
外袋は必要?塩ビ焼けを防ぐ選び方
外袋はジャケットの擦れや汚れを防げる
外袋は、ジャケット全体を覆う透明な袋です。
必ず使用しなければならないものではありませんが、ジャケットの擦れ、手垢、ホコリ、軽い水滴などを防ぐのに役立ちます。
外袋を選ぶ場合は、次のように材質が明記されたレコード用製品を選びます。
- PE・ポリエチレン
- PP・ポリプロピレン
- PVC不使用
- レコード保管用
「ビニール袋」という呼び方だけでは、実際の素材を判断できません。長期保管では、商品説明やパッケージの材質表示を確認します。
PVC製スリーブは長期保管で避ける
塩ビ焼けやビニール焼けを防ぐうえで、特に注意したいのが軟質PVC製のスリーブです。
国際音声・視聴覚アーカイブ協会は、初期のLPに使われていたPVC製スリーブから可塑剤が移行し、LPの表面を傷める場合があると説明しています。交換用の袋にはポリエチレン製、または酸を含まない紙製スリーブが推奨されています。
カナダ保存研究所も、PVC製スリーブは劣化に伴う可塑剤の移行により、記録媒体を汚したり傷めたりする可能性があるため避けるよう案内しています。
特に注意したいのは、次のような袋です。
- 厚く柔らかい透明袋
- 古いレコードに付属していた軟質袋
- 材質が表示されていない袋
- 独特のビニール臭が強い袋
- 表面がべたついている袋
- ジャケットや別の袋へ貼り付く袋
見た目だけで素材を断定するのは難しいため、材質が分からない場合は、PEまたはPPと明記されたレコード用外袋へ交換する方が判断しやすくなります。
塩ビ焼けを見つけたら袋から外す
塩ビ焼けは、盤面に白い曇りや波状の模様が現れる現象です。
オーディオテクニカは、レコード盤とビニール製インナースリーブが長期間接触した状態で起こり、白く濁った模様や再生時のサーフェイスノイズにつながると説明しています。
PVC製と思われる袋に入っていたレコードへ曇りが見つかった場合は、その袋から取り出し、材質が明記された別のスリーブへ移します。
塩ビ焼けは通常のホコリや皮脂汚れとは異なり、クリーニングで完全に戻らない場合があります。強くこすったり、溶剤を自己判断で使ったりせず、通常の汚れと区別して扱いましょう。
ジャケットのリングウェアも保管方法で防ぐ
リングウェアとは、ジャケットの表面や裏面に、レコード盤の形に沿った丸い擦れ跡が付くダメージです。オーディオテクニカでも、ジャケットに見られる代表的な擦れ跡として紹介されています。
リングウェアを防ぐには、次の点を意識します。
- レコードを横に高く積み重ねない
- ラックへ強く詰め込みすぎない
- 外袋を使ってジャケット同士の摩擦を減らす
- 重い物をレコードの上へ置かない
- ジャケットを引きずるように取り出さない
外袋を付けても、強い圧力や詰め込みすぎを完全に防げるわけではありません。
レコード同士が支え合いながら垂直に立ち、片手で無理なく取り出せる程度の収納量にします。
レコード収納ラックの選び方
LPジャケット全体を支えられるサイズを選ぶ
LPレコードは、ジャケットを含めると約31センチ四方あります。
ラックを選ぶ際は、外袋を付けた状態でもジャケット全体が収まり、前後や上部から大きくはみ出さないものを選びます。
主な確認ポイントは次のとおりです。
- LPジャケットが縦に収まる内寸がある
- 棚板の奥行きが十分にある
- レコードの重量に耐えられる
- 背面や前面から落下しにくい
- 仕切り板を設置できる
- 床の傾きや家具のぐらつきがない
- 直射日光を避けて設置できる
- 必要に応じて壁へ固定できる
レコードは枚数が増えるほど重くなります。一般的なカラーボックスや本棚を使用する場合も、棚板の耐荷重とたわみを確認してください。
棚に詰め込みすぎない
収納量は、レコードがまっすぐ立ちながら、片手で1枚を取り出せる程度が目安です。
取り出すたびに両側のレコードを強く押さなければならない状態や、ジャケットをつまんで無理に引き抜く状態は詰め込みすぎです。
ラックに余裕がなくなったら、別の区画やボックスへ分けましょう。
仕切り板は盤面全体を支えられるものを使う
米国議会図書館は、レコード用の棚に、盤面全体を支えられる丈夫で動かない仕切りを約10~15センチ間隔で設ける方法を案内しています。
家庭用ラックで必ず同じ間隔にする必要はありませんが、レコードが大きく倒れない程度に仕切ることがポイントです。
小さなブックエンドでは上部だけが倒れることがあるため、できるだけジャケットに近い高さの仕切りを選びます。
レコード収納ボックスの選び方
収納ボックスは、レコードの枚数が少ない場合や、ラックを設置するスペースがない場合に便利です。
選ぶ際は、次の条件を確認します。
- LPまたは7インチの専用サイズ
- 中でレコードが大きく傾かない
- 盤面全体を支えられる
- 底面と持ち手に十分な強度がある
- 湿気やカビを点検できる
- 一人で無理なく動かせる重量に抑えられる
大きな箱へ大量に詰めると、持ち上げにくくなり、底が抜けたり箱を落としたりする可能性があります。小さめの箱へ分けた方が移動や点検をしやすくなります。
フタ付きのボックスはホコリを防ぎやすい一方、湿った環境で閉じると内部の湿気に気づきにくくなります。密閉性だけに頼らず、置き場所の温湿度も確認してください。
ラックの転倒・落下・浸水にも備える
レコードの保管では、温度や湿度だけでなく、地震、家具の転倒、水漏れにも備えておきたいところです。
重いレコードは低い段へ入れる
レコードが増えると、ラック全体の重量も大きくなります。
背の高いラックでは、重いコレクションを上段へ集中させず、低い段から収納します。重心が下がるため、ラックが不安定になりにくくなります。
背の高いラックは固定を検討する
背の高いラックや細いラックは、地震や衝突で倒れる可能性があります。
設置場所や住宅の条件に合わせて、家具転倒防止器具や壁固定を検討します。棚板自体が外れないか、背面からレコードが落ちない構造かも確認しましょう。
床へ直接置かない
収納ボックスを床へ直接置くと、掃除中の水、飲み物、窓からの雨水、配管の水漏れなどの影響を受けやすくなります。
米国議会図書館も、家庭のコレクションは漏水や環境変化の危険が大きい場所を避けるよう案内しています。
可能であれば脚付きのラックや棚を使い、床から少し高さを確保します。大切なレコードほど、最下段や床置きを避けると被害を抑えやすくなります。
レコードを出し入れするときの持ち方
保管場所が適切でも、盤面を直接触ると指紋や皮脂が付きます。
カナダ保存研究所は、指紋と記録媒体の間で化学的な作用が起こる場合があり、指紋がホコリや細かなごみを引き寄せると説明しています。家庭向けの案内でも、ビニール盤は外周部分を持つよう推奨されています。
レコードを扱う際は、次の持ち方を基本にします。
- 盤の外周部分を両手で持つ
- 外周と中央のレーベル部分を支える
- 音溝がある盤面へ指を置かない
- 内袋へ戻すときも盤面をつかまない
- 手が濡れている状態で触らない
再生後は、ターンテーブルの上へ長時間置いたままにせず、ホコリが付く前に内袋とジャケットへ戻します。
レコード針に付着したホコリも再生へ影響するため、針先は盤とは別に手入れします。
詳しい方法は、関連記事「レコード針の掃除方法|クリーニング頻度とやってはいけない手入れ」で確認できます。
LPレコードと7インチレコードの保管方法
LPレコードは12インチ対応ラックへ入れる
LPレコードは、12インチ盤とジャケットに対応したラックやボックスへ縦置きします。
見開きジャケットや重量盤、厚い外袋を使用しているレコードは、通常盤より収納幅が必要です。予定枚数ぴったりではなく、少し余裕のある収納を選びます。
ジャケットの上部や前面がラックから大きくはみ出す場合は、日光、ホコリ、物との接触によるダメージを受けやすくなります。
7インチレコードは専用ボックスへ分ける
7インチレコードも、内袋とジャケットに入れた縦置きが基本です。
LPと同じ棚へ混在させると、サイズ差によってLPが傾くことがあります。7インチ専用ボックスを使うか、ラック内を仕切ってサイズ別に保管しましょう。
紙ジャケットだけで保護が弱いものは、7インチ用の内袋と外袋を組み合わせると扱いやすくなります。
古いSP盤はビニール盤と分ける
SP盤には、現在のLPや7インチ盤とは異なる素材が使われています。
カナダ保存研究所によると、古いSP盤の多くはシェラックを含む素材で作られており、現代のビニール盤とは性質が異なります。アセテート盤やラッカー盤も、湿度や材質劣化への注意点が異なります。
古い盤や材質が分からない盤は、LPと同じ方法で洗浄したり、無理に曲げたりしないようにします。貴重な録音物の場合は、専門的な保存情報を確認した方がよいでしょう。
レコードを長期保管する前の確認事項
盤とジャケットを乾いた状態にする
クリーニング後は、盤面が十分に乾いてから内袋へ戻します。
ジャケットに湿り気がある場合も、そのまま外袋へ入れず、湿気の原因を確認します。水分を含んだ状態で閉じ込めると、紙製ジャケットや内袋にカビが発生しやすくなります。
古いスリーブの材質を確認する
中古レコードや長期間保管していたコレクションでは、内袋と外袋の材質を確認します。
厚く柔らかい袋、べたつきがある袋、材質表示がない袋は、PVC製の可能性を考えます。盤面に曇りがなくても、PE・PPなど材質が分かる袋へ交換しておくと管理しやすくなります。
ジャケットと内袋のカビを確認する
次のような変化がないか確認します。
- 黒色、茶色、白色の斑点
- 粉状や綿状の付着物
- カビ臭いにおい
- ジャケットの波打ち
- 紙の湿った感触
- 内袋の変色や貼り付き
カビが疑われるレコードは、ほかのコレクションから離します。
米国国立公文書記録管理局は、カビが付いた資料を涼しく乾燥した、空気の流れがある場所へ隔離し、原因となる環境を改善するよう案内しています。価値が高い資料や広範囲にカビがある場合は、保存の専門家への相談も推奨されています。
室内で強くこすると、胞子や汚れを周囲へ広げることがあります。大量のカビや体調への不安がある場合は、無理に作業しないようにします。
定期的に状態を確認する
長期保管は、箱に入れたまま完全に放置することではありません。
少なくとも梅雨前後や夏の高温期には、次の点を確認します。
- ラック周辺の温度と湿度
- レコードが斜めになっていないか
- 外袋がべたついていないか
- ジャケットが波打っていないか
- カビ臭や変色がないか
- 水漏れや結露の跡がないか
- ラックや棚板がたわんでいないか
異変を早めに見つければ、保管場所や袋を変更しやすくなります。
レコード保管でやってはいけないこと
何十枚も横に積み重ねる
下側のレコードとジャケットに重さが集中します。長期保管では縦置きへ変更します。
大きく斜めにしたまま放置する
空いた棚には、ジャケット全体を支えられる仕切り板を追加します。
ラックへ強く押し込む
取り出すときにジャケットが擦れたり、盤や袋へ圧力がかかったりします。片手で取り出せる余裕を残します。
直射日光が当たる場所へ置く
紫外線だけでなく、日光による局所的な温度上昇も避けます。
夏場の車内や屋根裏へ置く
短時間でも高温になりやすい場所です。長期保管だけでなく、購入後の持ち運びや引っ越しの際にも車内へ放置しないようにします。
湿った押入れへ段ボール箱のまま入れる
湿度やカビ、箱の劣化に気づきにくくなります。床や壁から離し、定期的に状態を確認します。
材質不明のビニール袋を使い続ける
古いPVC製スリーブは、可塑剤の移行によって盤面を傷める可能性があります。PEやPPなど、材質が明記された袋へ交換します。
盤面を指でつかむ
指紋や皮脂が残り、ホコリが付きやすくなります。外周とレーベル部分を持ちます。
LPと7インチ盤を無理に混在させる
盤面を支える位置がそろわず、大きな盤が傾きやすくなります。サイズ別に収納します。
レコードの上へ重い物を置く
盤の反りだけでなく、ジャケットのつぶれやリングウェアにもつながります。ラックの上部を物置代わりにしないようにします。
レコードの保管方法に関するよくある質問
レコードは少し斜めでも問題ない?
短期間、わずかに傾いているだけで、すぐに反るとは限りません。
ただし、大きく傾いた状態で長期保管すると、盤やジャケットに偏った力がかかります。仕切り板を使い、垂直に近い状態へ戻しましょう。
数枚だけなら横置きでもよい?
一時的に数枚を置く程度なら、直ちに変形するとは限りません。
その上へ別のレコードや重い物を載せず、保管時には縦置きへ戻します。
レコードは押入れに保管できる?
温度と湿度を管理できれば保管できます。
ただし、外壁に面した場所、結露する場所、床へ直接置く方法は避けます。温湿度計を置き、湿度が上がる時期は換気や除湿を行いましょう。
普通のビニール袋を外袋に使ってもよい?
「ビニール袋」という名称だけでは、素材を判断できません。
レコード用として販売され、PE・ポリエチレンまたはPP・ポリプロピレンと表示された袋を選びます。PVC製や材質不明の軟質袋は、長期保管に使わない方がよいでしょう。
レコードは外袋で完全に密閉した方がよい?
ホコリ対策には役立ちますが、湿った盤やジャケットを密閉すると、水分を閉じ込めることがあります。
収納する物と保管場所が乾いていることを確認したうえで使用します。外袋だけで温度や湿度を管理できるわけではありません。
購入時のシュリンク包装は残した方がよい?
カナダ保存研究所の家庭向け案内では、段ボール製ジャケットを包んだシュリンク包装は、盤の反りにつながる場合があるため外すよう案内されています。
開封後もジャケットを保護したい場合は、締め付けの少ないPE・PP製の外袋へ入れ替える方法があります。
ジャケットから盤を出して保管した方がよい?
通常は、インナースリーブに入れた盤をジャケット内へ収納できます。
ただし、厚い見開きジャケットや特殊なパッケージなど、盤へ圧力がかかりやすい場合は、盤を内袋に入れた状態でジャケットの外側へ添え、外袋でまとめる方法もあります。
その場合も、盤をむき出しにせず、垂直に保管します。
レコードが反っていたら重しを載せて直してもよい?
自己判断で重い物を載せたり、ドライヤーや日光で温めたりすると、反りが悪化したり、音溝を傷めたりする可能性があります。
保管方法を改善しても、すでに生じた反りが元へ戻るとは限りません。再生に支障がある場合は、レコードを扱う専門店や修復サービスへ相談する方法があります。
塩ビ焼けはクリーニングで落とせる?
塩ビ焼けは、表面に付着した通常の汚れとは異なります。
白い曇りや模様が素材の変化によって生じている場合、洗浄で完全に戻らないことがあります。まずPVC製と思われる袋から外し、強くこすらないようにします。
レコード針も一緒に手入れした方がよい?
盤面がきれいでも、針先にホコリが付着していると再生音へ影響することがあります。
掃除の方向や頻度、使用できる道具は、関連記事「レコード針の掃除方法|クリーニング頻度とやってはいけない手入れ」で確認できます。
レコードの正しい保管方法まとめ
- レコードはジャケットと内袋に入れて縦置きする
- 盤面全体を支え、できるだけ垂直に近い状態を保つ
- 横に何十枚も積み重ねたまま長期保管しない
- ラックに空きがある場合は高さのある仕切り板を使う
- 直射日光、熱源、夏の車内など高温になる場所を避ける
- 涼しく比較的乾燥し、温湿度の変化が少ない場所を選ぶ
- 家庭では23℃未満、湿度50%未満をひとつの参考にする
- 押入れでは床や外壁から離し、定期的に換気・点検する
- インナースリーブはポリエチレン製など盤に適した素材を選ぶ
- 外袋はPE・PP製を選び、PVC製や材質不明の袋を避ける
- 盤面は直接触らず、外周と中央のレーベル部分を持つ
- LPと7インチはサイズ別のラックやボックスへ収納する
- 横積みや詰め込みすぎを避け、リングウェアを防ぐ
- ラックの転倒、棚からの落下、床からの浸水にも備える
- 長期保管中も、梅雨前後や夏の高温期に状態を確認する
レコードを長持ちさせるために、特別な保存設備が必ず必要になるわけではありません。まずは「まっすぐ縦置きする」「高温多湿と直射日光を避ける」「PVC製スリーブを使わない」という3点から、現在の収納環境を見直してみてください。
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