はちみつが白く固まるのはなぜ?結晶する理由・戻し方・防ぐ保存方法

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はちみつをしばらく置いていたら、透明だった中身が白っぽくなり、底から固まっていた。そんな状態を見ると、「傷んだのでは?」「もう食べられない?」と心配になるかもしれません。

はちみつが白く固まる主な原因は、含まれているブドウ糖が結晶になることです。これははちみつに起こる自然な変化で、結晶したこと自体は腐敗や品質異常を意味しません。

ただし、はちみつならすべて同じように固まるわけではありません。蜜源となった花、ブドウ糖と果糖の割合、保存温度などによって結晶のしやすさが変わります。

この記事では、白く固まる仕組みから、固まったはちみつを湯煎で戻す方法、結晶しにくくする保存のコツまで順番に説明します。

目次

はちみつが白く固まるのはブドウ糖が結晶するため

はちみつは、ブドウ糖や果糖などの糖が少量の水分に高い濃度で溶けている食品です。その中でもブドウ糖は結晶になりやすく、保存中に液体から分かれて小さな結晶を作ることがあります。

農林水産省も、はちみつが白く固まる現象について、主要成分であるブドウ糖と果糖のうちブドウ糖の作用によるものと説明しています。詳しくは農林水産省「ハチミツが白く固まってしまったのですが、大丈夫でしょうか。」で確認できます。

白い粒やシャリシャリした部分の正体はブドウ糖の結晶

結晶化は、最初から容器全体が一気に固まるとは限りません。底に白い粒が現れたり、ところどころ雲のように白くなったり、シャリシャリした部分だけができたりします。

その小さな結晶が増えていくと、次第にはちみつ全体が白っぽくなり、スプーンですくいにくいほど固くなることがあります。

液体のときより白く見えやすいのも結晶化の特徴です。「砂糖を混ぜたように見える」「カビのような白い粒がある」という状態でも、通常の結晶である場合があります。

結晶しただけなら品質が悪くなったとは限らない

日本養蜂協会は、結晶しても成分が変化したわけではないと説明しています。結晶した状態のままでも、ざらついた食感が気にならなければ料理やトーストなどに使えます。

ただし、「はちみつは保存性が高いから、どんな状態でも大丈夫」という意味ではありません。開封後に水分やパンくずなどの異物が入れば状態が変わる可能性があります。使用するときは清潔で乾いたスプーンを使い、異臭など通常とは明らかに違う変化がある場合は、結晶だと決めつけないようにしてください。

はちみつの固まりやすさを決める主な条件

結晶化には、はちみつの糖の組成だけでなく、温度や細かな粒子など複数の条件が関係します。

条件結晶への影響理由
ブドウ糖が多い結晶しやすいブドウ糖が結晶になりやすいため
15℃前後結晶しやすい結晶化が進みやすい温度帯になるため
花粉や気泡などがある結晶のきっかけになることがある結晶が成長する核になり得るため
温度変化や振動がある結晶化に影響することがある結晶ができる条件が変化するため

ブドウ糖が多いはちみつほど結晶しやすい

はちみつの糖分は主にブドウ糖と果糖で構成されていますが、その割合はどのはちみつでも同じではありません。

一般社団法人日本養蜂協会によると、はちみつの糖分のうちブドウ糖と果糖はそれぞれ30数%を占め、ブドウ糖の割合が多い蜜ほど結晶しやすいとされています。

そのため、同じ場所に保存した2本のはちみつでも、一方だけ先に固まることがあります。保存方法が悪いとは限らず、もともとの成分差が大きく影響します。

15℃前後の温度で結晶しやすくなる

「はちみつは寒いと凍る」と考えがちですが、家庭で見られる白い固まりは、単純に水分が凍ったものではありません。

日本養蜂協会や農林水産省は、15℃前後から結晶しやすくなると説明しています。そのため、秋から冬にかけて室温が下がる時期に、急に白い粒が目立つようになることがあります。

温度だけで結晶するかどうかが決まるわけではありません。糖の割合や保存期間なども関係するため、「15℃になれば必ず固まる」というものではありません。

花粉などの微粒子が結晶のきっかけになることがある

はちみつの中にある細かな花粉や気泡などが、結晶ができ始める「核」の役割をすることがあります。

最初に小さな結晶ができると、その周囲へブドウ糖の結晶が成長していきます。このため、容器全体が均一に白くなるのではなく、最初は点々とした粒や一部分の白い塊として現れることがあります。

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固まるはちみつと固まらないはちみつは何が違う?

蜜源となる花によってブドウ糖と果糖の割合が違う

ミツバチが集めた花蜜の種類によって、完成したはちみつに含まれるブドウ糖と果糖の割合は変わります。その違いが結晶の速さにも表れます。

はちみつの例結晶の傾向
アカシア蜜比較的結晶しにくい
レンゲ・ミカン・クローバー蜜種類によって結晶する
ナタネ・ソバなど比較的結晶しやすい

全国はちみつ公正取引協議会では、果糖の割合が多いアカシア蜜は結晶しにくく、ナタネなどは結晶しやすい例として紹介しています。

この違いがあるため、「去年買ったはちみつは固まったのに、今回は固まらない」ということも珍しくありません。

底だけ・一部分だけ白く固まることもある

結晶は容器の底や一部分から始まり、時間をかけて広がることがあります。

上は透明な液体なのに底だけ白い、中央に白い塊が浮いている、細かな粒が点在しているといった状態も、結晶化の途中で見られる形です。

見た目が均一でないからといって、それだけで品質異常とは判断できません。

夏や未開封でも条件によって結晶する

結晶は「冬に開封したはちみつだけ」に起こる現象ではありません。

未開封でも、はちみつ自身の糖の割合や保存温度などの条件がそろえば結晶します。また、寒い時期にすでに小さな結晶ができていた場合、その後に気温が上がっても結晶がすぐに消えるわけではありません。

エアコンの効いた場所など、夏でも保存場所によって温度は異なります。「夏だから絶対に結晶しない」「未開封だから結晶しない」とは考えない方がよいでしょう。

固まるはちみつが本物で固まらないものは偽物?

はちみつが白く固まると、「結晶するものは純粋な本物で、結晶しないものは偽物」という話を耳にすることがあります。

結晶するかどうかだけで、はちみつの本物・偽物を判定することはできません。

結晶するかどうかだけでは本物・偽物を判断できない

全国はちみつ公正取引協議会も、結晶の有無だけでは、はちみつの良し悪しは判断できないと説明しています。

結晶化には、蜜源となった花、ブドウ糖と果糖の割合、温度、保存期間、結晶の核になる粒子などさまざまな条件が関係するからです。

「早く固まったから良質」「何か月たっても液体だから偽物」といった単純な判定は避けてください。

純粋はちみつでも結晶しにくい種類がある

代表的なのがアカシア蜜です。果糖の割合が比較的多いため、純粋なはちみつであっても結晶が遅い傾向があります。

反対にナタネ蜜など、ブドウ糖の割合が多いものは比較的早く固まりやすくなります。結晶の速さは「純粋かどうか」よりも、まずはちみつ自身の組成を見る必要があります。

固まったはちみつを湯煎で元に戻す方法

白く固まったはちみつは、そのまま食べても構いませんが、液体に戻したい場合はゆっくり湯煎する方法が基本です。

全国はちみつ公正取引協議会は、湯煎で徐々に温め、はちみつが60℃以上にならないようによくかき混ぜて溶かす方法を案内しています。全国はちみつ公正取引協議会のFAQでも結晶と保存方法を確認できます。

容器をゆっくり温めながら結晶を溶かす

  1. 鍋に50~60℃程度のお湯を用意します。
  2. 容器の耐熱性を確認し、キャップを少しゆるめて湯に入れます。
  3. はちみつへ湯が入らないよう注意しながら、ゆっくり温めます。
  4. スプーンや菜箸などで結晶部分をほぐすように混ぜます。
  5. 白い結晶が見えなくなるまで、温度を上げすぎずに溶かします。

結晶の量や容器の大きさによって必要な時間は変わります。短時間で一気に溶かそうとして熱湯を使うより、時間をかけて均一に温める方が扱いやすくなります。

小さな結晶まで溶かすと再結晶しにくくなる

表面だけ液体に戻っても、小さな結晶が残っていると、それを核として再び結晶が広がりやすくなります。

加藤美蜂園本舗も、湯煎するときは小さな結晶を含めて完全に溶かした方が、再度結晶するまでの期間を延ばしやすいと案内しています。

ただし、一度きれいに溶かせば二度と固まらないわけではありません。はちみつの組成自体は変わらないため、再び条件がそろえば結晶します。

電子レンジで急激に加熱する方法は避ける

少量なら電子レンジの方が早そうに見えますが、通常の戻し方としては湯煎を優先した方がよいでしょう。

電子レンジは短時間で温度が上がりやすく、容器や加熱条件によっては部分的に高温になる可能性があります。日本養蜂協会も、レンジなどで熱をかけすぎるとはちみつの特徴が損なわれるとして、湯煎で少しずつ溶かす方法を紹介しています。

加藤美蜂園本舗も電子レンジではなく湯煎を推奨しています。具体的な案内はサクラ印はちみつ「はちみつQ&A」で確認できます。

はちみつを固まりにくくする保存方法

はちみつの結晶化は自然な現象なので、家庭で完全に防ぐことは困難です。ただし、保存環境を整えることで、不必要に結晶しやすい状態を作らないことはできます。

直射日光を避けて常温で保存する

基本は、直射日光を避けた場所での常温保存です。

全国はちみつ公正取引協議会も、はちみつの保存方法として常温保存を案内しています。強い日差しが当たる窓際や、高温になるコンロの近くなどは避けましょう。

できれば大きな温度変化を繰り返す場所ではなく、室温が比較的安定した場所を選びます。

冷蔵庫へ入れる必要はない

はちみつは、開封後だからといって冷蔵庫へ入れる必要はありません。

メーカー各社も常温保存を案内しており、冷蔵庫での保存は結晶を防ぐ方法にはなりません。白く固まるのを避けたいから冷やしておく、という保存方法は適していません。

開封後はフタを閉めて高温多湿を避ける

はちみつには吸湿性があるため、開封後は使い終わったらフタをきちんと閉めます。

水分や食品のかけらを容器へ入れないことも大切です。濡れたスプーンを入れたり、パンに触れたナイフをそのまま容器へ戻したりするのは避け、清潔で乾いた器具を使いましょう。

結晶したはちみつを扱うときに覚えておきたいこと

何度溶かしても条件がそろえば再び結晶する

湯煎で液体へ戻しても、そのはちみつに含まれるブドウ糖と果糖の割合が変わるわけではありません。

そのため、しばらく保存していると再び白い結晶ができる場合があります。再結晶は湯煎に失敗した証拠ではなく、はちみつ本来の性質によって起こります。

毎回液体へ戻す必要もありません。食感が気にならなければ、結晶した状態のままパンに塗ったり、料理や飲み物に使ったりすることもできます。

プラスチックやチューブ容器は耐熱表示を確認する

ガラス瓶と違い、プラスチック容器は材質によって耐えられる温度が異なります。湯煎する前に、商品の表示やメーカーが案内する方法を確認してください。

容器を直接鍋底へ接触させると局所的に高温になることがあります。メーカーが湯煎を認めている容器でも、必要に応じて鍋底との間に耐熱皿などを置く方法があります。

耐熱性が分からない容器を、熱湯へそのまま入れるのは避けてください。

1歳未満の乳児には加熱しても与えない

1歳未満の乳児には、液体・結晶・加熱済みにかかわらず、はちみつを与えてはいけません。

厚生労働省は、1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べることで乳児ボツリヌス症にかかることがあるとして注意を呼びかけています。

ボツリヌス菌の芽胞は熱に強く、家庭で行う通常の加熱や調理では対策になりません。湯煎して結晶を溶かしたはちみつや、はちみつを使った飲料・お菓子も同様です。詳しくは厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」を確認してください。

はちみつが白く固まったときに覚えておきたいのは、「固まった=傷んだ」ではないということです。主な原因はブドウ糖の結晶化で、蜜源となる花や保存温度によって固まりやすさは大きく変わります。

液体に戻したいときは高温で一気に加熱せず、60℃以上にならないよう注意しながら湯煎してください。普段は直射日光を避けて常温で保存し、フタをきちんと閉めておけば十分です。

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